中2 理科 / 地学 / s2-09
気象観測・湿度・雲のでき方
この単元でできるようになること
- 気温・・気圧・風向・風力・雲量の測り方と天気記号がわかる
- 飽和水蒸気量の表を使って、湿度 = 空気 1 m³ の水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量 × 100 が計算できる
- 露点(水蒸気が水滴になり始める温度)から水蒸気量を求め、湿度や凝結する水の量が計算できる
- 乾湿計(乾球・湿球の差)から湿度表で湿度を読める
- 空気が上昇すると膨張して温度が下がり、露点に達して雲ができる、という流れを説明できる
入試での位置づけ
湿度の計算は公立入試の地学で最もよく出る計算問題です。飽和水蒸気量の表を使って「湿度」「露点」「何 g の水滴ができるか」を求める型が中心。露点 = その空気の水蒸気量がわかる温度という理解が鍵。雲のでき方(上昇 → 膨張 → 温度低下 → 露点)は記述で問われます。
1. 気象観測
まずここだけ
| 要素 | 器具・方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 気温 | 温度計。地上 1.5 m、直射日光を避け、風通しのよい場所 | 百葉箱 |
| 湿度 | 乾湿計(乾球と湿球)+湿度表 | 湿球のほうが低い(水が蒸発して熱を奪う) |
| 気圧 | 気圧計。単位 hPa(ヘクトパスカル) | 1 気圧 ≒ 1013 hPa |
| 風向 | 風が吹いてくる方向(16 方位) | 北風 = 北から吹く |
| 風力 | 0〜12 の 13 段階 | |
| 雲量 | 空全体を 10 として雲の割合 | 0〜1 快晴、2〜8 晴れ、9〜10 くもり |
天気記号:○ 快晴、◑(○に縦線)晴れ、◎ くもり、● 雨、※ 雪。風向は矢羽根の向き(風が吹いてくる方向から)、風力は羽根の数。
2. 飽和水蒸気量と湿度
図:飽和水蒸気量は気温が高いほど大きい。20℃ で 9.4 g/m³ の水蒸気を含む空気を冷やすと、10℃ で飽和(露点)。
まずここだけ
飽和水蒸気量:空気 1 m³ がふくむことができる水蒸気の最大量 [g/m³]。気温が高いほど大きい。
| 気温 [℃] | 0 | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 飽和水蒸気量 [g/m³] | 4.8 | 6.8 | 9.4 | 12.8 | 17.3 | 23.1 | 30.4 |
(問題では表が与えられる)
湿度 [%] = 空気 1 m³ にふくまれる水蒸気量 ÷ その気温の飽和水蒸気量 × 100
気温 20 ℃、水蒸気量 9.4 g/m³ → 湿度 9.4 ÷ 17.3 × 100 ≒ 54% 気温 25 ℃、湿度 60% → 水蒸気量 23.1 × 0.6 ≒ 13.9 g/m³
露点
空気を冷やしていき、水蒸気が飽和して水滴になり始める温度。露点の飽和水蒸気量 = その空気の水蒸気量。
露点 10 ℃ の空気 → 水蒸気量 9.4 g/m³(表から)。この空気の気温が 20 ℃ なら湿度 = 9.4 ÷ 17.3 × 100 ≒ 54%
露点は水蒸気量で決まる(気温とは無関係)。同じ部屋なら朝も昼も露点は同じ(水蒸気量が同じなら)。
凝結する水の量
空気を露点以下に冷やすと、飽和水蒸気量を超えた分が水滴になる。
20 ℃・水蒸気量 12.8 g/m³ の空気 1 m³ を 5 ℃ まで冷やす → 5 ℃ の飽和水蒸気量 6.8 → 12.8 − 6.8 = 6.0 g が水滴になる。露点は 15 ℃(12.8 の温度)
乾湿計
湿球は水の蒸発で熱を奪われ、乾球より低い温度を示す。乾球と湿球の差が大きいほど乾燥(湿度が低い)。湿度 100% なら差 0。湿度表で「乾球の温度」と「差」の交点を読む。
3. 雲のでき方
ここまでできれば十分
- 空気のかたまりが上昇する(あたためられる・山にぶつかる・前線で押し上げられる・低気圧の中心)
- 上空は気圧が低いので空気が膨張する
- 膨張すると温度が下がる(およそ 100 m で 1 ℃)
- 露点に達すると水蒸気が水滴(氷の粒)になる → 雲
- 粒が大きくなって落ちると雨・雪
ペットボトル・フラスコの実験:ピストンを引く(膨張)→ 温度が下がり白くくもる。押す(圧縮)→ 温度が上がりくもりが消える。線香の煙は凝結の核。
雲ができる高さ(発展)
上昇する空気は 100 m につき約 1 ℃ 下がる。地上の気温 20 ℃、露点 15 ℃ なら、5 ℃ 下がる 500 m で雲ができ始める。
大気圧
空気の重さによる圧力。高いところほど小さい。1013 hPa = 約 10 N/cm² … 山に持って行った袋がふくらむ、ポテトチップスの袋、など。
4. よくある間違い
- 湿度の分母を「気温の飽和水蒸気量」でなく露点のものにする
- 露点を「気温が下がると変わる」と思う(水蒸気量が同じなら変わらない)
- 凝結量を「水蒸気量 − 露点の飽和水蒸気量」とする(露点なら 0。冷やした温度の飽和水蒸気量を引く)
- 風向を「吹いていく方向」にする
- 雲量 8 をくもりにする(2〜8 は晴れ)
5. 自己チェック
- 湿度 = 水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量(気温の)× 100
- 露点の飽和水蒸気量 = 水蒸気量
- 凝結量 = 水蒸気量 − 冷やした温度の飽和水蒸気量
- 上昇 → 膨張 → 温度低下 → 露点 → 雲
- 風向は吹いてくる方向。雲量 2〜8 は晴れ
6. 小テストへ
→ 小テスト(s2-09)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 2 分野「(4) 気象とその変化 ア(ア) 気象観測、(イ) 天気の変化(霧や雲の発生)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s2-09/ / 更新 2026-09-12