中2 理科 / 地学 / s2-10
前線と天気の変化・日本の天気
この単元でできるようになること
- 高気圧・低気圧の風の吹き方(北半球:高気圧は時計回りに吹き出す、低気圧は反時計回りに吹きこむ)と、上昇気流・下降気流で天気を説明できる
- 気団と前線(・温暖前線・停滞前線・閉そく前線)の記号・構造・通過時の天気変化が言える
- 天気図記号(天気・風向・風力)を読める。等圧線の間隔と風の強さの関係がわかる
- 日本の四季の天気(西高東低・梅雨・南高北低・台風・秋雨)を気団と偏西風で説明できる
- 日本付近の低気圧が西から東へ動く理由(偏西風)と、天気の予測ができる
入試での位置づけ
寒冷前線の通過(気温が急に下がる・風向が南寄りから北寄りに変わる・短時間の強い雨)を観測データの表やグラフから読み取る問題が最頻出。天気図を時間順に並べる、季節を判定する(西高東低=冬)も定番。記号の読みは確実に。
1. 気圧と風
まずここだけ
- 気圧:空気の重さによる圧力。単位 hPa。海面で約 1013 hPa。高いところほど低い。
- 等圧線:同じ気圧の地点を結んだ線。4 hPa ごと、20 hPa ごとに太線。間隔がせまいほど風が強い(気圧差が大きい)。
- 風:気圧の高いところから低いところへ吹く。
| 高気圧 | 低気圧 | |
|---|---|---|
| まわりより | 気圧が高い | 気圧が低い |
| 風(北半球・地上) | 時計回りに吹き出す | 反時計回りに吹きこむ |
| 中心の空気 | 下降気流 | 上昇気流 |
| 天気 | 晴れ(雲ができにくい) | くもり・雨(雲ができる) |
上昇気流で雲ができる:空気が上昇 → 気圧が下がり膨張 → 温度が下がる → 露点に達して水蒸気が水滴に(s2-09)。
2. 天気図記号
まずここだけ
天気:○ 快晴、① 晴れ(○に縦線)、◎ くもり、● 雨、⊛ 雪(※)、≡ 霧。 風向:矢羽根の向いている方向から吹いてくる(矢の根もと側)。16 方位。 風力:矢羽根の本数(0〜12)。
「北の風・風力 3・晴れ」→ ○に縦線の記号から北へ線を引き、羽根 3 本。
雲量と天気:雲量 0〜1 快晴、2〜8 晴れ、9〜10 くもり。
3. 気団と前線
まずここだけ
気団:気温・湿度がほぼ一様な大きな空気のかたまり。 前線面:暖気と寒気の境の面。前線:前線面が地表と交わる線。寒気は重いので暖気の下にもぐる。
| 前線 | 記号 | しくみ | 雲 | 通過時の天気 |
|---|---|---|---|---|
| 寒冷前線 ▲▲▲(青・三角) | 寒気が暖気の下にもぐりこみ、暖気を急に押し上げる | 積乱雲(縦に高い) | 短時間に強い雨・雷・突風。通過後 気温が急に下がる、風向が南寄り → 北(西)寄り | |
| 温暖前線 ●●● (赤・半円) | 暖気が寒気の上をゆるやかにはい上がる | 乱層雲など層状の雲(横に広い) | 長時間のおだやかな雨。通過後 気温が上がる、風向が東寄り → 南寄り | |
| 停滞前線 ▲● 交互 | 寒気と暖気の勢いが同じでほとんど動かない | 長雨(梅雨前線・秋雨前線) | ||
| 閉そく前線 ▲● 同じ側 | 寒冷前線が温暖前線に追いついた | 低気圧が弱まっていく |
図:寒気は暖気より重いので下にもぐる。寒冷前線は急な面(積乱雲)、温暖前線はゆるやかな面(乱層雲)。
温帯低気圧:日本付近の低気圧。中心から南東に温暖前線、南西に寒冷前線。寒冷前線のほうが速いので、やがて閉そく前線になる。
寒冷前線の通過の読み取り(定番)
観測表で探す 3 点:
- 気温が急に下がる
- 風向が南寄りから北寄り(西寄り)に変わる
- 短時間の強い雨(そのあと回復)
→ その時刻に寒冷前線が通過。
4. 日本の天気
ここまでできれば十分
偏西風:日本の上空を西から東へ吹く強い風。低気圧・高気圧(移動性高気圧)が西から東へ移動する。→ 天気は西から変わる。
| 季節 | 気圧配置 | 気団 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 冬 | 西高東低(シベリア高気圧・北太平洋側に低気圧)、等圧線が南北にせまく並ぶ | シベリア気団(冷たく乾燥) | 北西の季節風。日本海で水蒸気を得て日本海側は雪、山をこえて太平洋側は乾燥した晴れ |
| 春・秋 | 移動性高気圧と低気圧が交互に西から東へ | 天気が周期的に変わる(4〜7 日) | |
| 梅雨(6 月) | 梅雨前線(停滞前線) | オホーツク海気団(冷・湿)と小笠原気団(暖・湿)の勢いがつり合う | 長雨 |
| 夏 | 南高北低(太平洋高気圧=小笠原気団が張り出す) | 小笠原気団 | 南東の季節風、蒸し暑い晴れ。夕立 |
| 秋 | 秋雨前線 → 移動性高気圧 | 台風(8〜9 月) |
台風:熱帯低気圧のうち最大風速 17.2 m/s 以上。前線をともなわない。等圧線が同心円状で間隔がせまい。太平洋高気圧のふちを回り、偏西風で北東へ進む。進行方向の右側で風が強い。
季節風:冬は大陸(冷える・高気圧)→ 海へ北西の風。夏は海(高気圧)→ 大陸へ南東の風。海陸風(昼:海風、夜:陸風)も同じしくみ(陸はあたたまりやすく冷めやすい)。
5. よくある間違い
- 高気圧を「反時計回り」にする(北半球の高気圧は時計回りに吹き出す)
- 風向を「矢の先が向く方向」にする(吹いてくる方向)
- 寒冷前線で「気温が上がる」(下がる)/雨を「長時間」(短時間で強い)
- 温暖前線を「南西」に描く(温暖は南東、寒冷は南西)
- 冬の気圧配置を「南高北低」(西高東低)
- 台風に前線を描く(ともなわない)
6. 自己チェック
- 高気圧:時計回り吹き出し・下降・晴れ。低気圧:反時計回り吹きこみ・上昇・雨
- 記号:風向は吹いてくる方向、風力は羽根の数。等圧線 4 hPa、せまいと強風
- 寒冷前線:積乱雲・強い短い雨・気温急降下・風向 南→北。温暖前線:乱層雲・長いおだやかな雨・気温上昇
- 冬=西高東低・シベリア気団・北西季節風。夏=南高北低・小笠原気団。梅雨=停滞前線
- 偏西風で天気は西から変わる
7. 小テストへ
→ 小テスト(s2-10)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 2 分野「(4) 気象とその変化 ア(ウ) 天気の変化 ア(エ) 日本の気象」
- 気象庁「天気図の見方」「台風の定義」(https://www.jma.go.jp/)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s2-10/ / 更新 2026-09-12