中3 理科 / 化学 / s3-04
酸・アルカリ・中和
この単元でできるようになること
- 酸性・中性・アルカリ性を、指示薬(リトマス紙・BTB・フェノールフタレイン)と pH で判定できる
- 酸 = 水に溶けて H⁺ を出す物質、アルカリ = OH⁻ を出す物質、と説明できる
- (H⁺ + OH⁻ → H₂O)と塩のでき方、代表的な塩(NaCl、BaSO₄)が言える
- 中和の量的関係(体積・濃度に比例)で、ちょうど中和する体積やイオンの数の変化を求められる
入試での位置づけ
中和の量的関係(塩酸 A mL と水酸化ナトリウム水溶液 B mL がちょうど中和 → 濃度を変えたら?)とビーカー内のイオンの数のグラフが大問の定番。指示薬の色変化は表を丸ごと覚えること。
1. 酸性・アルカリ性と指示薬
まずここだけ
| 酸性 | 中性 | アルカリ性 | |
|---|---|---|---|
| 青色リトマス紙 | 赤 | 変化なし | 変化なし |
| 赤色リトマス紙 | 変化なし | 変化なし | 青 |
| BTB 液 | 黄 | 緑 | 青 |
| フェノールフタレイン液 | 無色 | 無色 | 赤 |
| pH | 7 より小さい | 7 | 7 より大きい |
| マグネシウム・亜鉛を入れる | 水素が発生 | ── | ── |
| 電流 | 流れる(電解質) | 純水は流れない | 流れる |
pH:0〜14。小さいほど強い酸性、大きいほど強いアルカリ性。
2. 酸とアルカリの正体
まずここだけ
- 酸:水に溶けて水素イオン H⁺ を生じる物質。酸性の性質は H⁺ のもの。
- 塩酸 HCl → H⁺ + Cl⁻、硫酸 H₂SO₄ → 2H⁺ + SO₄²⁻、硝酸 HNO₃、酢酸、炭酸
- アルカリ:水に溶けて水酸化物イオン OH⁻ を生じる物質。
- 水酸化ナトリウム NaOH → Na⁺ + OH⁻、水酸化カルシウム Ca(OH)₂、水酸化バリウム Ba(OH)₂、アンモニア水
実験:pH 試験紙(またはリトマス紙)を電圧をかけたろ紙の上におくと、塩酸では色の変化が陰極側へ移動(H⁺ が+だから−極へ)、NaOH では陽極側へ移動(OH⁻ が−だから+極へ)。
3. 中和
まずここだけ
中和:酸とアルカリが混ざり、H⁺ + OH⁻ → H₂O となって互いの性質を打ち消す反応。熱が出る(発熱)。
酸 + アルカリ → 塩 + 水
| 酸 | アルカリ | 塩 | 塩の性質 |
|---|---|---|---|
| 塩酸 HCl | 水酸化ナトリウム NaOH | 塩化ナトリウム NaCl | 水に溶ける(蒸発させると白い結晶) |
| 硫酸 H₂SO₄ | 水酸化バリウム Ba(OH)₂ | 硫酸バリウム BaSO₄ | 水に溶けず白い沈殿 |
| 硫酸 H₂SO₄ | 水酸化ナトリウム NaOH | 硫酸ナトリウム Na₂SO₄ | 溶ける |
| 硝酸 HNO₃ | 水酸化カリウム KOH | 硝酸カリウム KNO₃ | 溶ける |
塩(えん):酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついた物質。
ここまでできれば十分:イオンの数の変化(塩酸に NaOH を加えていく)
| イオン | 加えていくと | 理由 |
|---|---|---|
| H⁺ | 減っていき、中性で 0 | OH⁻ と結びついて水になる |
| Cl⁻ | 変わらない(一定) | 反応しない |
| Na⁺ | 増え続ける | 加えた分がそのまま残る |
| OH⁻ | 中性まで 0、その後増える | 中性までは H⁺ と結びつく |
中性になるまで中和は起こっている(「中和 = 中性になること」ではない。混ぜた瞬間から反応)。 中性を過ぎてさらに加えるとアルカリ性になる。
4. 中和の量的関係
ここまでできれば十分
同じ濃度・同じ体積の塩酸と NaOH 水溶液がちょうど中和するとき、中和に必要な量は濃度 × 体積に比例する。
塩酸 20 mL と NaOH 水溶液 30 mL がちょうど中和する。
- 塩酸 40 mL なら NaOH は 60 mL(比例)
- NaOH の濃度を 2 倍にすると、必要な体積は 15 mL(半分)
- 塩酸 20 mL に NaOH 45 mL を加えると、30 mL で中性、残り 15 mL 分の OH⁻ が残りアルカリ性 → BTB は青
手順:① ちょうど中和する比を出す ② 足りない/余る側を見る ③ 余った側の性質になる。
塩の量(発展):中和が進むほど塩が増え、中性以降は酸が足りないので塩は増えない(NaCl の場合、水を蒸発させて残る固体には未反応の NaOH も含まれるので、固体の質量は増え続ける点に注意)。
5. よくある間違い
- BTB の酸性の色を「赤」とする(黄。赤はフェノールフタレインのアルカリ性)
- 「中和 = 中性になること」と考える(中和は混ぜた瞬間から起こる反応)
- 塩酸に NaOH を加えたとき Cl⁻ が減るとする(変化しない)
- 硫酸バリウムを「水に溶ける」とする(白い沈殿)
- 中和の量で「濃度」を無視する(濃度 × 体積で考える)
6. 自己チェック
- BTB:黄(酸)・緑(中)・青(アルカリ)。フェノールフタレイン:アルカリで赤
- 酸 → H⁺、アルカリ → OH⁻
- 中和:H⁺ + OH⁻ → H₂O。酸 + アルカリ → 塩 + 水。発熱
- NaOH を加えると H⁺ 減→0、Cl⁻ 一定、Na⁺ 増、OH⁻ 中性後に増
- 必要量は濃度 × 体積に比例
7. 小テストへ
→ 小テスト(s3-04)
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参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(6) 化学変化とイオン ア(イ) 化学変化と電池/酸・アルカリと中和」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s3-04/ / 更新 2026-09-12