高1 / 化学基礎 / cb-01
物質の構成(純物質と混合物・分離・元素・同素体)
この単元でできるようになること
- 純物質(単体・化合物)と混合物を分類できる
- 混合物の分離法(ろ過・蒸留・分留・再結晶・抽出・昇華法・クロマトグラフィー)を、目的に合わせて選べる
- 元素と単体の言葉の使い分け、同素体(S・C・O・P)を言える
- 炎色反応と沈殿反応による元素の確認ができる
- 物質の三態と状態変化(融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華)、熱運動と拡散を説明できる
入試での位置づけ
化学基礎の最初の単元で、共通テストでは「純物質か混合物か」「単体か化合物か」の分類と分離法の選択、同素体の組み合わせ、炎色反応の色が知識問題として繰り返し出ます。計算はありませんが、ここで落とすともったいない「覚えれば取れる」単元です。
1. 純物質と混合物
まずここだけ
| 分類 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 純物質 | 1 種類の物質。融点・沸点が一定 | 水、酸素、塩化ナトリウム、鉄 |
| ├ 単体 | 1 種類の元素からなる | O₂、N₂、Fe、Cu、ダイヤモンド |
| └ 化合物 | 2 種類以上の元素からなる | H₂O、NaCl、CO₂、エタノール |
| 混合物 | 2 種類以上の物質が混ざったもの。融点・沸点が一定でない | 空気、海水、食塩水、石油、牛乳、合金(黄銅) |
見分け方:化学式で 1 つに書ける → 純物質。書けない(成分の割合が変わる)→ 混合物。
2. 混合物の分離
まずここだけ
| 方法 | 原理 | 例 |
|---|---|---|
| ろ過 | 液体と固体を、ろ紙で分ける | 砂の混じった水 |
| 蒸留 | 沸点の違い。液体を加熱して気体にし、冷やして集める | 海水から水 |
| 分留 | 沸点の違いで複数の液体を分ける | 石油(ガソリン・灯油・軽油)、液体空気(N₂・O₂) |
| 再結晶 | 溶解度の温度による違い。熱水に溶かして冷やす | 硝酸カリウムと少量の塩化ナトリウム |
| 抽出 | 特定の溶媒に溶けやすい成分だけを溶かし出す | 茶葉からお茶、ヨウ素をヘキサンで |
| 昇華法 | 固体 → 気体になりやすい物質を分ける | ヨウ素と砂、ナフタレン |
| クロマトグラフィー | ろ紙などへの吸着されやすさの違い | インクの色素 |
蒸留の注意:温度計の球部は枝の高さ(出ていく蒸気の温度を測る)、沸騰石を入れる、冷却水は下から上へ。
3. 元素・単体・同素体
ここまでできれば十分
- 元素:物質をつくる基本成分(種類の名前)。約 118 種。
- 単体:1 種類の元素からできた物質。
- 「水素」と言ったとき、「水は水素と酸素からなる」→ 元素、「水素は燃える」→ 単体(物質 H₂)。
同素体:同じ元素からなる単体で、性質が違うもの。SCOPで覚える。
| 元素 | 同素体 |
|---|---|
| S(硫黄) | 斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄 |
| C(炭素) | ダイヤモンド・黒鉛・フラーレン・カーボンナノチューブ |
| O(酸素) | 酸素 O₂・オゾン O₃ |
| P(リン) | 黄リン(自然発火・毒性)・赤リン(マッチ) |
4. 元素の確認 ── 炎色反応と沈殿
ここまでできれば十分
炎色反応(金属元素を炎に入れたときの色):
| 元素 | 色 | 覚え方 |
|---|---|---|
| Li | 赤 | リアカー |
| Na | 黄 | 無き(Na 黄) |
| K | 赤紫 | K 村 |
| Cu | 青緑 | 動力(Cu 緑) |
| Ca | 橙赤 | 借りようと |
| Sr | 紅(深赤) | するもくれない |
| Ba | 黄緑 | 馬力(Ba 緑) |
花火の色はこの反応。
沈殿反応:
- 塩素 Cl:硝酸銀 AgNO₃ 水溶液を加えると 白色沈殿 AgCl
- 炭素 C:燃やして発生した気体を石灰水に通すと白く濁る(CO₂ → CaCO₃)
- 水素 H:燃やしてできた水を硫酸銅(Ⅱ)無水物につけると白 → 青
5. 物質の三態と熱運動
| 状態 | 粒子の様子 | 変化の名前 |
|---|---|---|
| 固体 | 規則正しく並び、その場で振動 | 固 → 液:融解(融点)、液 → 固:凝固 |
| 液体 | 位置を変えながら動く | 液 → 気:蒸発(沸点で沸騰)、気 → 液:凝縮 |
| 気体 | 自由に飛び回る | 固 ⇄ 気:昇華(気 → 固は凝華とも) |
- 熱運動:粒子はたえず運動している。温度が高いほど激しい。拡散(混ざり広がる)は熱運動による
- 絶対温度 T = t + 273(K)。絶対零度で熱運動が最小
- 純物質は状態変化中、温度が一定(pb-07)
6. よくある間違い
- 空気・海水を純物質と答える(混合物)
- 「水素は燃える」の水素を元素と答える(単体)
- 同素体と同位体を混同する(同素体は単体の種類、同位体は原子の種類)
- 炎色反応の Na(黄)と K(赤紫)、Cu(青緑)と Ba(黄緑)を取り違える
- 蒸留で温度計を液面につける(枝の高さ)
- 分留と再結晶の使い分け(液体は分留、固体の溶解度は再結晶)
7. 自己チェック
- 純物質(単体・化合物)と混合物の例を 3 つずつ言えるか
- ろ過・蒸留・分留・再結晶・抽出・昇華法・クロマトグラフィーの原理を言えるか
- SCOP の同素体を言えるか
- 炎色反応 7 色を言えるか
- AgCl の白色沈殿・石灰水の白濁で何の元素がわかるか言えるか
- 融解・蒸発・昇華の名前を言えるか
8. 小テストへ
→ 小テスト(cb-01)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「化学基礎」(1) ア 物質の構成粒子
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/cb-01/ / 更新 2026-09-12