高1 / 化学基礎 / cb-04
物質量(mol・モル質量・気体の体積・粒子の数)
この単元でできるようになること
- 原子量・分子量・式量を原子量の和として計算できる(相対質量・同位体の存在比からの原子量も)
- n(mol)を中心に、質量(g)・粒子の数(個)・気体の体積(L・標準状態)を相互に変換できる
- アボガドロ定数 6.0 × 10²³ /mol、モル質量(g/mol)= 原子量・分子量・式量、標準状態の気体 22.4 L/mol を使える
- 気体の密度(g/L)から分子量を求められる
入試での位置づけ
物質量は化学基礎の計算の中心で、濃度(cb-05)・反応式の量的関係(cb-06)・中和(cb-08)のすべてがこの単元の変換で解けます。共通テストでは「g → mol → 個」「L → mol → g」の 2 段階変換が定番。すべて mol を経由するという一本の道を身につけると、迷わなくなります。
1. 原子量・分子量・式量
まずここだけ
- 相対質量:¹²C 原子の質量を 12 としたときの相対的な質量
- 原子量:同位体の相対質量を存在比で平均した値(単位なし)
- 分子量:分子式中の原子量の和(H₂O = 1.0 × 2 + 16 = 18)
- 式量:組成式・イオン式中の原子量の和(NaCl = 23 + 35.5 = 58.5)
よく使う原子量:H 1.0、C 12、N 14、O 16、Na 23、Mg 24、Al 27、S 32、Cl 35.5、K 39、Ca 40、Fe 56、Cu 64、Zn 65、Ag 108
同位体からの原子量:³⁵Cl(35.0、75%)と ³⁷Cl(37.0、25%)→ 35.0 × 0.75 + 37.0 × 0.25 = 35.5
2. 物質量 mol ── 粒子 6.0 × 10²³ 個で 1 mol
まずここだけ
1 mol = 6.0 × 10²³ 個(アボガドロ定数 N_A = 6.0 × 10²³ /mol)
| 変換 | 式 |
|---|---|
| 粒子の数 → mol | n = 個数 ÷ 6.0 × 10²³ |
| 質量 → mol | n = 質量(g)÷ モル質量(g/mol)(モル質量 = 原子量・分子量・式量に g/mol をつけたもの) |
| 気体の体積 → mol | n = 体積(L)÷ 22.4(標準状態:0 ℃、1.013 × 10⁵ Pa。気体の種類によらない) |
三角形で覚える:中心に mol。上に「× 6.0 × 10²³ → 個」、左下に「× モル質量 → g」、右下に「× 22.4 → L」。逆向きは割り算。
水 36 g:36 ÷ 18 = 2.0 mol → 分子 1.2 × 10²⁴ 個、水素原子は 2 倍の 4.0 mol 標準状態の酸素 11.2 L:11.2 ÷ 22.4 = 0.50 mol → 質量 0.50 × 32 = 16 g 二酸化炭素 8.8 g:8.8 ÷ 44 = 0.20 mol → 標準状態で 4.48 L
3. 気体の密度と分子量
ここまでできれば十分
標準状態の気体 1 mol は 22.4 L で、その質量が分子量 g。 密度(g/L)= 分子量 ÷ 22.4 → 分子量 = 密度 × 22.4
密度 1.25 g/L の気体:分子量 = 1.25 × 22.4 = 28(N₂ や CO) 空気の平均分子量 ≒ 29(N₂ 28 が 80%、O₂ 32 が 20%)。これより小さい気体(H₂・He・NH₃・CH₄)は空気より軽い
4. 解く手順 ── 必ず mol を経由する
- 与えられた量(g・L・個)を mol に直す
- 必要なら化学式の係数・組成で mol を換算(H₂O 1 mol → H 原子 2 mol)
- 求めたい量(g・L・個)に mol から直す
標準状態で 5.6 L のメタン CH₄ に含まれる水素原子の数 ① 5.6 ÷ 22.4 = 0.25 mol(CH₄)→ ② H 原子は 4 倍 = 1.0 mol → ③ 6.0 × 10²³ 個
5. よくある間違い
- 分子量と物質量を混同する(分子量は単位なしの数、物質量は mol)
- 22.4 L/mol を標準状態以外や液体・固体に使う
- 「原子の数」と「分子の数」を区別しない(H₂O 1 分子に原子 3 個)
- モル質量の単位 g/mol を kg にする
- 質量パーセント(cb-05)と存在比を混同する
- 計算の途中で mol を経由せず、g から L へ直接いこうとする
6. 自己チェック
- H₂O = 18、CO₂ = 44、NaCl = 58.5、H₂SO₄ = 98 を暗算できるか
- mol = g ÷ モル質量 = L ÷ 22.4 = 個 ÷ 6.0 × 10²³ を書けるか
- 密度 × 22.4 = 分子量 を言えるか
- 分子 1 mol 中の原子の mol を係数で出せるか
- 「必ず mol を経由」を守れるか
7. 小テストへ
→ 小テスト(cb-04)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「化学基礎」(2) ア 物質量と化学反応式
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/cb-04/ / 更新 2026-09-12