高1 / 化学基礎 / cb-05
溶液の濃度(質量パーセント濃度・モル濃度)
この単元でできるようになること
- 溶質・溶媒・溶液の関係と、質量パーセント濃度(%)= 溶質 g ÷ 溶液 g × 100 を計算できる
- モル濃度(mol/L)= 溶質 mol ÷ 溶液 L を計算し、必要な溶質の質量や、取り出せる溶質の物質量を求められる
- 希釈(薄めても溶質の mol は変わらない:c₁V₁ = c₂V₂)を扱える
- 密度を使って質量パーセント濃度とモル濃度を変換できる
- メスフラスコを使った標準溶液の調製手順を言える
入試での位置づけ
濃度は中和滴定(cb-08)の前提で、共通テストでは「モル濃度 → 溶質の mol → 質量」「密度つきの濃度変換」が定番です。「溶液 1 L(または 100 g)を仮定して、溶質の mol と g を出す」という手順に統一すると、どの変換もひとつの型で解けます。
1. 溶質・溶媒・溶液
まずここだけ
- 溶質:溶けている物質(食塩)、溶媒:溶かしている液体(水)、溶液 = 溶質 + 溶媒(食塩水)
- 溶媒が水なら水溶液
- 溶液の質量 = 溶質の質量 + 溶媒の質量(体積は足し算にならないことがある)
2. 質量パーセント濃度
まずここだけ
質量パーセント濃度(%)= 溶質の質量(g)÷ 溶液の質量(g)× 100
水 80 g に食塩 20 g:20 ÷ (80 + 20) × 100 = 20%(分母は溶液 100 g) 10% 食塩水 200 g の食塩:200 × 0.10 = 20 g、水は 180 g 5% 食塩水 100 g に食塩 10 g を加える:(5 + 10) ÷ 110 × 100 ≒ 13.6%
3. モル濃度
まずここだけ
モル濃度(mol/L)= 溶質の物質量(mol)÷ 溶液の体積(L)
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 溶質の mol | mol = モル濃度 × 体積(L) |
| 溶質の質量 | mol × モル質量 |
| 溶液の体積 | mol ÷ モル濃度 |
NaOH(40 g/mol)8.0 g を水に溶かして 500 mL:0.20 mol ÷ 0.500 L = 0.40 mol/L 0.10 mol/L 塩酸 250 mL 中の HCl:0.10 × 0.250 = 0.025 mol 0.50 mol/L 硫酸 200 mL を作るのに必要な H₂SO₄(98 g/mol):0.50 × 0.200 = 0.10 mol → 9.8 g
mL は L に直す(÷ 1000)。分母は「溶液」の体積(溶媒の体積ではない)。
4. 希釈 ── 溶質の mol は変わらない
ここまでできれば十分
水を加えて薄めても溶質の物質量は同じ:c₁ V₁ = c₂ V₂
2.0 mol/L の塩酸 100 mL を水で 500 mL にする:2.0 × 100 = c₂ × 500 → c₂ = 0.40 mol/L 0.10 mol/L 溶液 50 mL を 0.020 mol/L にするには:0.10 × 50 = 0.020 × V → V = 250 mL(水を 200 mL 加える)
5. 密度を使った濃度の変換
ここまでできれば十分
溶液 1 L(= 1000 mL)をとると決めて、密度で質量に直す。
質量パーセント濃度 36.5%、密度 1.20 g/mL の塩酸のモル濃度(HCl = 36.5): ① 溶液 1 L の質量 = 1000 × 1.20 = 1200 g ② 溶質 HCl = 1200 × 0.365 = 438 g ③ mol = 438 ÷ 36.5 = 12 mol → 12 mol/L
逆(モル濃度 → %):溶液 1 L の質量(密度 × 1000)と溶質の質量(mol × モル質量)から %。
6. 標準溶液の調製(メスフラスコ)
- 溶質を電子てんびんで正確にはかる
- ビーカーで少量の水に溶かす
- メスフラスコに移し、ビーカーを洗った水も入れる
- 標線まで水を加えて溶液の体積を合わせる(溶媒の体積を合わせるのではない)
- 栓をしてよく振り混ぜる
器具:メスフラスコ(一定体積の溶液を作る)、ホールピペット(一定体積をはかり取る)、ビュレット(滴下量をはかる)、コニカルビーカー(滴定の受け)。水でぬれたまま使ってよいのはメスフラスコとコニカルビーカー。ホールピペット・ビュレットは使う溶液で共洗い。
7. よくある間違い
- 質量パーセント濃度の分母を「溶媒」にする(溶液 = 溶質 + 溶媒)
- mL を L に直さずモル濃度を計算する
- 「水 1 L に溶かす」と「溶液を 1 L にする」を混同する(モル濃度は後者)
- 希釈で溶質の mol が変わると思う
- 密度の単位 g/mL を g/L と取り違える
- ホールピペットを水でぬれたまま使う(共洗い)
8. 自己チェック
- % = 溶質 g ÷ 溶液 g × 100 と言えるか
- mol/L = 溶質 mol ÷ 溶液 L と言えるか
- mol = 濃度 × 体積(L)で溶質の量を出せるか
- c₁V₁ = c₂V₂ を使えるか
- 密度つきの変換を「溶液 1 L をとる」で解けるか
- メスフラスコの使い方を言えるか
9. 小テストへ
→ 小テスト(cb-05)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「化学基礎」(2) ア 物質量と化学反応式(溶液の濃度)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/cb-05/ / 更新 2026-09-12