中1 数学 / 数と式 / m1-05
文字を使った式 ── 表し方・代入
この単元でできるようになること
- 「1個 a 円のりんごを 3 個」のような量を、文字を使った式で表せる
- 文字式の書き方のきまり(× を省く・数字を前に・÷ は分数に)を守って書ける
- 式の値を、文字に数を して求められる(負の数の代入で符号を落とさない)
- 文字式が何を表しているか、言葉で説明できる
入試での位置づけ
この単元は、ここから先の中学数学すべて(方程式・関数・図形の証明)の「言葉」にあたります。入試では「文字式のきまり」そのものより、「次の数量を文字式で表せ」「x = −2 のときの式の値を求めよ」 の形で出ます。代入で負の数の符号を落とすミスは、計算問題で特に起きやすい失点です。
1. なぜ文字を使うのか
まずここだけ
「1個 80 円のりんごを 3 個買うと 240 円」。これは 80 × 3 = 240 です。 りんごの値段がわからないとき、値段を a 円 とおくと、3 個の代金は a × 3 円 と表せます。
文字は「まだ決まっていない数」「どんな数でもよい数」の代わりです。値段が 80 円なら a = 80、100 円なら a = 100 を入れればいい。1つの式で、あらゆる場合をまとめて表せるのが文字式の強みです。
例:文字で表す
| 言葉 | 式 |
|---|---|
| 1個 a 円のりんごを 5 個買った代金 | a × 5 円 |
| 縦 x cm、横 y cm の長方形の面積 | x × y cm² |
| 1000 円出して a 円の品物を買ったおつり | 1000 − a 円 |
| 時速 x km で 3 時間進んだ道のり | x × 3 km |
| a 円の品物の 10% 引きの値段 | a × 0.9 円(または a − a × 0.1) |
2. 文字式の書き方のきまり
まずここだけ
文字式は、決まった書き方があります。テストでは、この書き方で答えないと減点されることがあります。
① かけ算の × は省く a × 5 → 5a x × y → xy
② 数字は文字の前に書く a × 5 は a5 ではなく 5a。
③ 文字はアルファベット順に b × a → ab(ふつう順にそろえる。y × x → xy)
④ 1 は書かない・−1 は − だけ書く 1 × a → a(1a と書かない) (−1) × a → −a
⑤ 同じ文字のかけ算は累乗で a × a → a² x × x × x → x³ a × a × b → a²b
⑥ わり算は分数で書く(÷ は使わない) a ÷ 3 → a/3(3分の a。 1/3 a と書いてもよい) (x + y) ÷ 2 → (x + y)/2
⑦ たし算・ひき算の + − はそのまま a × 2 + b × 3 → 2a + 3b
例
| もとの式 | きまりに沿った書き方 |
|---|---|
| x × 4 | 4x |
| b × a × 3 | 3ab |
| y × y × 2 | 2y² |
| a × (−1) | −a |
| x ÷ 5 | x/5 |
| (a + b) ÷ 4 | (a + b)/4 |
| a × 2 − b ÷ 3 | 2a − b/3 |
| 0.5 × x | 0.5x(小数はそのまま) |
よくある間違い
- 2a を「2 + a」と思う → 2a は 2 × a。「文字と数がくっついていたらかけ算」
- a × a を 2a と書く → 2a は a + a。a × a は a²
- 1a、a1、−1a と書く → 1 は省く。a、−a
- (a + b) ÷ 4 を a + b/4 と書く → かっこの中全体を割るので (a + b)/4。a + b/4 は「a に b/4 をたす」で別物
ここまでできれば十分
ここまでの7つのきまりで正しく書けるなら、文字式の「読み書き」は合格です。
3. 式の値 ── 代入する
まずここだけ
文字に数をあてはめることを 代入 といい、代入して計算した結果を といいます。
x = 3 のとき、2x + 1 の値は、2 × 3 + 1 = 7。
代入の手順(負の数のときは必ずかっこ)
x = −3 のとき、2x + 1 の値
- 文字を数に置きかえる。負の数はかっこをつけて:2 × (−3) + 1
- 計算の順序どおりに:−6 + 1 = −5
かっこをつけずに 2 × −3 と書くと符号の見落としが起きます。代入は「かっこつきで置きかえる」を習慣にしてください。
例:2乗の代入(もっともミスが多い)
x = −3 のとき、x² の値 x² = (−3)² = (−3) × (−3) = 9
x = −3 のとき、−x² の値 −x² = −(−3)² = −9
これは m1-03 の「(−3)² と −3² の違い」がそのまま出てきているところです。「文字に代入するときは、文字をかっこつきの数に置きかえる」だけで、あとは累乗のルールどおりです。
例:分数の代入
a = −4 のとき、a/2 − 3 の値 (−4)/2 − 3 = −2 − 3 = −5
例:2つの文字の代入
x = 2、y = −5 のとき、3x − 2y の値 3 × 2 − 2 × (−5) = 6 + 10 = 16
−2 × (−5) が +10 になるところを落とすと 6 − 10 = −4 と間違えます。
よくある間違い
- x = −3 を x² に代入して −9 にする → (−3)² = 9。かっこつきで置きかえる
- 2x に x = −3 を代入して「2 − 3 = −1」にする → 2x は 2 × x。2 × (−3) = −6
- 3x − 2y の「−2y」に y = −5 を入れて −10 にする → −2 × (−5) = +10
もう一歩(発展):式が何を表しているか説明する
入試では「次の式は何を表していますか」という問いも出ます。
「1個 a 円のりんごと 1個 b 円のみかんを買うとき、3a + 5b は何を表すか」 → りんご 3 個とみかん 5 個を買ったときの代金の合計(円)
「縦 x cm、横 y cm の長方形について、2(x + y) は何を表すか」 → 長方形の周りの長さ(cm)。縦と横の和の2倍
式を「日本語に戻す」練習は、文章題を式にする力の裏返しです。逆向きにも練習しておくと、方程式の文章題(m1-09)で楽になります。
4. 自己チェック
- × を省いて、数字を前に、文字はアルファベット順に書いたか
- ÷ を分数に直したか。かっこの中全体を割るときは分子にかっこの中身を全部入れたか
- 代入で負の数をかっこつきで置きかえたか
- 2乗への代入で符号を確認したか((−3)² = 9)
5. 小テストへ
→ 小テスト(m1-05)
関連する単元
- 前提:m1-03 正負の数の乗法・除法・累乗(累乗の符号)、m1-04 四則の混じった計算(計算の順序)
- 次に進む:m1-06 一次式の計算
- ここで使う考え方が出てくる:m1-08 一次方程式、m1-10 比例、m2-06 一次関数
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 A 数と式 (2) 文字を用いた式 ── 「文字を用いることの必要性と意味」「乗法と除法の表し方」「簡単な一次式の加法と減法」「文字を用いた式に数を代入して式の値を求めること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-05/ / 更新 2026-09-12