中3 数学 / 数と式 / m3-04
平方根 ── 意味・大小・近似値
この単元でできるようになること
- 平方根の意味(2 乗するとその数になる数)がわかり、正負 2 つあることを説明できる
- √ の記号を正しく使い、√a² = a(a > 0)や (√a)² = a を使える
- 平方根の大小を比べられる(√ の中の数で比べる)
- 有理数と無理数の違いがわかる
- √2 ≒ 1.414 などの近似値を使って、√ の値のおよその大きさがわかる
入試での位置づけ
平方根は中3の計算の土台で、二次方程式(解の公式)・三平方の定理・円と直線の問題まで、√ を含む計算が入試の後半すべてに出てきます。この単元は「√ とは何か」を確認する入口で、小問としては「√a が整数になる自然数 a」「√ の大小」「√ の値が入る整数の範囲」の 3 型が出題されやすい形です。
1. 平方根とは
まずここだけ
2 乗すると a になる数を、a の といいます。
- 9 の平方根:2 乗して 9 になる数 → 3 と −3(3² = 9、(−3)² = 9)
- 25 の平方根:5 と −5
- 2 の平方根:2 乗して 2 になる数。整数や分数では表せない → 記号 √ で √2 と −√2 と書く
正の数の平方根は、正と負の 2 つあり、絶対値が等しい。0 の平方根は 0 だけ。負の数の平方根は(中学の範囲では)ない(2 乗して負になる数はない。m1-03)。
記号 √(根号)
a > 0 のとき、a の平方根のうち正のほうを √a(ルート a)、負のほうを −√a と書きます。まとめて ±√a。
- √9 = 3(√9 は 3 だけ。「9 の平方根」は ±3 だが「√9」は正の 3)
- √16 = 4、√0.25 = 0.5、√(4/9) = 2/3
- √2、√3、√5 などは、整数・分数では表せないので √ のまま
よくある間違い(最も多い)
- 「9 の平方根は 3」→ ±3(2 つある)
- 「√9 = ±3」→ √9 = 3(√ は正のほうだけを表す記号)
- √16 を 8 とする → 2 乗して 16 になるのは 4(16 ÷ 2 ではない)
「a の平方根」と聞かれたら 2 つ、「√a」と書かれたら正の 1 つ。この区別が入試で問われます。
2. √ の性質
まずここだけ
a > 0 のとき
(√a)² = a、(−√a)² = a √(a²) = a、√((−a)²) = a(2 乗してから √ をとると、もとの数の絶対値)
- (√5)² = 5、(−√5)² = 5
- √(3²) = √9 = 3
- √((−4)²) = √16 = 4(−4 ではない)
√ の中を簡単にする
√ の中に 2 乗の因数があれば、外に出せます。
√12 = √(4 × 3) = √(2² × 3) = 2√3 √50 = √(25 × 2) = 5√2 √72 = √(36 × 2) = 6√2
逆に、外の数を中に入れることもできます:2√3 = √(4 × 3) = √12、3√2 = √18。 √ の中は、素因数分解して 2 乗の因数を探す(m1-04)のが確実です。72 = 2³ × 3² → 2² × 3² × 2 → 2 × 3 × √2 = 6√2。
√a が整数になる条件
「√(48n) が整数になる最小の自然数 n」:48 = 2⁴ × 3。すべての指数を偶数にするには 3 をもう 1 つ → n = 3(√144 = 12)。m1-04 の「かけて平方数にする」と同じ問題です。
「√(a/2) が整数になる最小の自然数 a」:a/2 が平方数になればよい → a/2 = 1 → a = 2(√1 = 1)。a = 8 なら √4 = 2 だが最小は 2。
よくある間違い
- √((−4)²) = −4 とする → √ は正なので 4
- √12 を 2√6 や 4√3 にする → 12 = 4 × 3 なので 2√3。「2 乗の因数」を正しく出す
- √8 = 2√2 を「√8 = 4」と混同する → 2√2 ≒ 2.83
ここまでできれば十分
「a の平方根は ±√a、√a は正のほう」「√(a²) = a」「√12 = 2√3」ができれば、この単元の基本は合格です。
3. 平方根の大小
まずここだけ
a、b が正の数で a < b ならば √a < √b(√ の中が大きいほど大きい)。
- √5 と √7 → √5 < √7
- 3 と √10 → 3 = √9 なので √9 < √10 → 3 < √10
- 2√3 と 3√2 → 2√3 = √12、3√2 = √18 → 2√3 < 3√2
- −√5 と −√7 → 負なので逆転:−√7 < −√5
整数や a√b は √ の中に入れて比べるのが定石です。
√ の値が入る整数の範囲
√30 は、どの整数とどの整数の間か
25 < 30 < 36 → √25 < √30 < √36 → 5 < √30 < 6。「√30 の整数部分は 5」。
√n < 4 を満たす自然数 n の個数
√n < √16 → n < 16 → n = 1〜15 の 15 個。 「3 < √n < 4」なら 9 < n < 16 → n = 10〜15 の 6 個(端をふくむかどうかに注意)。
よくある間違い
- 2√3 と 3√2 を、外の数だけで比べて 2√3 < 3√2 とする(結果は合っているが理由が違う)→ 中に入れて √12 と √18
- 「3 < √n ≦ 4」で n = 16 をふくめ忘れる → ≦ なら 16 も入る(7 個)
- 負の数の大小を逆にする(−√5 < −√7)→ 絶対値が大きいほど小さい(m1-01)
4. 有理数と無理数・近似値
ここまでできれば十分(の次)
分数(整数/整数)の形で表せる数を 、表せない数を といいます。
- 有理数:3、−2、1/3、0.25(= 1/4)、0.333…(= 1/3)、√9(= 3)、√0.04(= 0.2)
- 無理数:√2、√3、√5、π
√2 = 1.41421356…、√3 = 1.7320508…、√5 = 2.2360679… と、循環しない無限小数になります。有理数の小数は「有限」か「循環する」かのどちらかで、無理数は「循環しない無限小数」です。
√ がついていても有理数のことがある(√9 = 3、√(1/4) = 1/2)。「√ = 無理数」ではなく、√ の中が平方数なら有理数です。
近似値を使う
√2 ≒ 1.414、√3 ≒ 1.732、√5 ≒ 2.236 を使って
- √8 = 2√2 ≒ 2 × 1.414 = 2.828
- √300 = 10√3 ≒ 17.32
- √0.02 = √(2/100) = √2/10 ≒ 0.1414
「√2 ≒ 1.414 として √50 の値を求めよ」は、√ の中を簡単にして √2 の倍数の形にする問題です(√50 = 5√2 ≒ 7.07)。
もう一歩(発展):√2 が無理数である理由(背理法の入口)
√2 = p/q(既約分数)と仮定すると、2q² = p² で p² は偶数 → p は偶数 → p = 2k → 2q² = 4k² → q² = 2k² → q も偶数。p、q がともに偶数で既約に反する。よって √2 は分数で表せない。
これは高校で扱う「背理法」の証明ですが、「なぜ √2 は分数で書けないのか」の答えとして知っておくと、無理数という言葉の意味がはっきりします。
5. 自己チェック
- 「a の平方根」は ±√a(2 つ)、「√a」は正の 1 つ、と区別したか
- √(a²) = a、√((−a)²) = a(正)か
- √ の中を素因数分解して 2 乗の因数を外に出したか(√12 = 2√3)
- 大小は √ の中に入れて比べたか。負の数は逆転したか
- √ の中が平方数なら有理数(√9 = 3)と判断できたか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m3-04)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第3学年 A 数と式 (1) 正の数の平方根 ── 「数の平方根の必要性と意味」「数の平方根を含む簡単な式の計算」「有理数と無理数」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m3-04/ / 更新 2026-09-12