中3 数学 / 数と式 / m3-05
根号を含む式の計算
この単元でできるようになること
- √a × √b = √(ab)、√a ÷ √b = √(a/b) を使って、かけ算・わり算ができる
- 分母の有理化ができる
- √ の中を簡単にしてから、同じ √ の項をまとめてたし算・ひき算ができる
- 乗法公式を使って、√ を含む式を展開できる
- √ を含む式の値を、先に整理してから求められる
入試での位置づけ
根号の計算は計算問題として出題されやすく、ほぼ毎回 1 問は出ます。「√ の中を簡単にする → 同類項をまとめる」「分母の有理化」「(√a + √b)² の展開」の 3 つの操作の組み合わせです。√2 + √3 = √5 という誤り(√ の中どうしはたせない)が最大の落とし穴で、これを「x + y ≠ 2xy と同じ」と理解できれば、あとは文字式の計算と同じです。
1. かけ算・わり算
まずここだけ
a、b が正の数のとき
√a × √b = √(ab) √a ÷ √b = √a / √b = √(a/b)
- √2 × √3 = √6
- √3 × √12 = √36 = 6
- √2 × √8 = √16 = 4
- √15 ÷ √3 = √5
- 2√3 × 3√5 = 2 × 3 × √3 × √5 = 6√15(外どうし・中どうし)
計算のあと、√ の中を簡単にする
√6 × √10 = √60 = √(4 × 15) = 2√15 答えは√ の中をできるだけ小さくした形で書きます。「√60」のままでは不十分と扱われます。
先に簡単にしてから計算する
√18 × √8 → そのままかけると √144 = 12。または 3√2 × 2√2 = 6 × 2 = 12。中を先に簡単にすると、かける数が小さくなって計算が楽です。
よくある間違い
- √2 × √3 を √5 にする(たしてしまう)→ かけ算は中どうしをかける。√6
- 2√3 × 3√5 で外と中を混ぜる(6√8 など)→ 外は外どうし、中は中どうし
- 答えの √ の中を簡単にしない(√60 のまま)
2. 分母の有理化
まずここだけ
分母に √ があるとき、分母と分子に同じ √ をかけて、分母を整数にすることを といいます。
1/√2 = (1 × √2)/(√2 × √2) = √2/2 3/√3 = 3√3/3 = √3 2/√6 = 2√6/6 = √6/3 5/(2√5) = 5√5/(2 × 5) = √5/2
分母が a√b なら、√b だけをかければよい(a はそのまま)。
なぜ有理化するか
1/√2 ≒ 1/1.414 の計算は割り算が大変ですが、√2/2 ≒ 1.414/2 = 0.707 は簡単です。また、答えの形を統一するためでもあります(分母に √ を残さないのが約束)。
よくある間違い
- 1/√2 の分子だけに √2 をかける → 分母と分子の両方にかける(分数の値を変えないため)
- 5/(2√5) で分母全体 2√5 をかける(分母が 20 になり無駄)→ √5 だけ
- 有理化したあと約分を忘れる(3√3/3 → √3)
ここまでできれば十分
かけ算・わり算・有理化ができ、答えの √ の中を簡単にできれば、この単元の前半は合格です。
3. たし算・ひき算
まずここだけ
√ の中が同じ項どうしは、文字式の同類項のようにまとめられます。
3√2 + 5√2 = 8√2(3x + 5x = 8x と同じ) 4√3 − √3 = 3√3 2√5 + 3√2 → これ以上まとまらない(2x + 3y と同じ)
√2 + √3 = √5 は誤りです。√2 ≒ 1.41、√3 ≒ 1.73 で、和は 3.14。√5 ≒ 2.24 なので違います。√ の中はたし算・ひき算できません(できるのはかけ算・わり算だけ)。
√ の中を簡単にしてからまとめる
√12 + √27 = 2√3 + 3√3 = 5√3 √50 − √18 = 5√2 − 3√2 = 2√2 √8 + √18 − √32 = 2√2 + 3√2 − 4√2 = √2
一見別の √ でも、簡単にすると同じ √ になることが多い。たし算・ひき算の前に、全部の √ の中を簡単にするのが手順です。
有理化してからまとめる
√2 + 1/√2 = √2 + √2/2 = (2√2 + √2)/2 = 3√2/2 √3 − 6/√3 = √3 − 2√3 = −√3
よくある間違い
- √2 + √3 = √5 → まとまらない(そのまま √2 + √3 が答え)
- √12 + √27 を「√39」にする → 中はたせない。簡単にして 5√3
- 3√2 + 5√2 = 8√4 = 16 とする → 中はそのまま(8√2)
4. 乗法公式を使った計算
ここまでできれば十分(の次)
√ を 1 つの文字と見れば、m3-01 の公式がそのまま使えます。
(√2 + 1)² = (√2)² + 2 × √2 × 1 + 1² = 2 + 2√2 + 1 = 3 + 2√2 (√5 − √3)² = 5 − 2√15 + 3 = 8 − 2√15 (√7 + √2)(√7 − √2) = 7 − 2 = 5(和と差の積 → √ が消える) (√3 + 2)(√3 − 5) = 3 − 5√3 + 2√3 − 10 = −7 − 3√3 (2√3 + 1)(2√3 − 1) = 12 − 1 = 11
和と差の積による有理化(発展)
分母が √a + √b の形なら、√a − √b を分母と分子にかけると、和と差の積で分母から √ が消えます。
1/(√3 + 1) = (√3 − 1)/((√3 + 1)(√3 − 1)) = (√3 − 1)/(3 − 1) = (√3 − 1)/2
高校の内容ですが、上位校の入試で使うことがあります。
式の値
x = √5 + 2、y = √5 − 2 のとき、x² − y² の値 そのまま代入せず、因数分解:x² − y² = (x + y)(x − y) = (2√5)(4) = 8√5
x = √3 + 1 のとき、x² − 2x + 1 の値 x² − 2x + 1 = (x − 1)² = (√3)² = 3
「先に整理してから代入」(m3-03)は、√ の式の値でとくに威力を発揮します。そのまま代入すると (√3 + 1)² − 2(√3 + 1) + 1 = 4 + 2√3 − 2√3 − 2 + 1 = 3 で同じ答えですが、手数が増えてミスしやすくなります。
もう一歩(発展):x + y と xy から求める
x = √5 + 2、y = √5 − 2 のとき、x + y = 2√5、xy = 5 − 4 = 1。 x² + y² = (x + y)² − 2xy = 20 − 2 = 18 「x² + y² = (x + y)² − 2xy」の変形は、x、y が √ を含むときに定番の技です。
5. 自己チェック
- かけ算は中どうし・外どうし。答えの √ の中は簡単にしたか
- 有理化は分母の √ だけを、分母と分子の両方にかけたか。約分したか
- たし算・ひき算は、中を簡単にしてから同じ √ だけまとめたか。√2 + √3 をまとめていないか
- 展開は √ を文字と見て公式を使ったか。(√a)² = a に戻したか
- 式の値は、代入前に因数分解・整理したか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m3-05)
関連する単元
- 前提:m3-01 乗法公式、m3-02 因数分解、m3-04 平方根
- 次に進む:m3-06 二次方程式
- ここで使う考え方が出てくる:m3-16 三平方の定理(辺の長さに √ が出る)、m3-17 三平方の定理の利用
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第3学年 A 数と式 (1) 正の数の平方根 ── 「数の平方根を含む簡単な式の計算」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m3-05/ / 更新 2026-09-12