中1 数学 / 関数 / m1-12
比例・反比例の利用
この単元でできるようになること
- 身のまわりの量の関係を「比例か・反比例か・どちらでもないか」判断できる
- 比例・反比例の式を立てて、実際の問題(長さ・重さ・速さ・仕事など)を解ける
- グラフを読んで、2つの動きを比べられる(追いつく・出会う・差が開く)
- 「比例するとみなす」という考え方の意味と限界がわかる
入試での位置づけ
関数の文章題・グラフ問題の入口です。中2の一次関数の利用(動点・料金プラン・ダイヤグラム)、中3の y=ax² の利用(落下・制動距離)は、ここでやる「現実の量 → 式 → 計算 → 現実の答え」の往復がそのまま使われます。特に「グラフを読んで速さを求める」型は毎学年で形を変えて出ます。
1. 比例か反比例かを見抜く
まずここだけ
2つの量の関係を式にする前に、「片方が 2 倍になったら、もう片方はどうなるか」を考えます。
| 場面 | x が 2 倍になると y は | 関係 |
|---|---|---|
| 1個 a 円の品物 x 個の代金 y 円 | 2 倍 | 比例 y = ax |
| 時速 a km で x 時間進んだ道のり y km | 2 倍 | 比例 y = ax |
| 針金 x m の重さ y g | 2 倍 | 比例 |
| 面積 a cm² の長方形の縦 x cm と横 y cm | 1/2 倍 | 反比例 y = a/x |
| a km の道のりを時速 x km で進む時間 y 時間 | 1/2 倍 | 反比例 y = a/x |
| a 個の仕事を x 人で分けたときの1人分 y 個 | 1/2 倍 | 反比例 |
| 1辺 x cm の正方形の面積 y cm² | 4 倍 | どちらでもない |
| 1000 円出して x 円使ったときのおつり y 円 | 決まらない | どちらでもない |
「かけて一定(縦 × 横 = 面積、速さ × 時間 = 道のり)」なら反比例、「わって一定(代金 ÷ 個数 = 単価)」なら比例です。
よくある間違い
- 「速さと時間」を比例と思う → 道のりが決まっているとき、速さが 2 倍なら時間は半分。反比例
- 「時間と道のり」を反比例と思う → 速さが決まっているとき、時間が 2 倍なら道のりも 2 倍。比例
- 同じ「速さ・時間・道のり」でも、何が決まっている(一定)かで関係が変わる
2. 比例の利用
例①:長さと重さ
針金 3 m の重さが 45 g だった。この針金 200 g の長さは何 m か。
- 長さ x m の重さを y g とおく。重さは長さに比例するので y = ax
- x = 3、y = 45 から a = 15。y = 15x
- y = 200 を代入:200 = 15x → x = 200/15 = 40/3
- 答え:40/3 m(約 13.3 m)
比例の利用の手順は「式を作る → 代入する」の2段階だけです。
例②:コピー用紙の枚数
コピー用紙 50 枚の厚さが 5 mm だった。厚さが 12 cm のとき、何枚あるか。
- x 枚の厚さを y mm とおく。y = ax。x = 50、y = 5 から a = 1/10。y = x/10
- 12 cm = 120 mm(単位をそろえる)を代入:120 = x/10 → x = 1200
- 答え:1200 枚
数えにくいものを、比例を使って測る──この考え方は理科の実験や日常の見積もりで使われています。単位(mm と cm)をそろえ忘れると 10 倍ずれるので注意してください。
例③:グラフを読む
兄と弟が同時に家を出て同じ道を進む。グラフは出発してからの時間 x 分と道のり y m の関係を表す。兄は 10 分で 800 m、弟は 10 分で 600 m の地点にいた。20 分後、2人の差は何 m か。
- 兄:y = 80x(10 分で 800 m → 分速 80 m)
- 弟:y = 60x(分速 60 m)
- 20 分後:兄 1600 m、弟 1200 m。差は 400 m
比例のグラフでは、比例定数 = 速さ。傾きが急なほど速い、ということです。グラフから「10 分で 800 m」のような読み取りやすい点を1つ選び、a を求めます。
3. 反比例の利用
例①:歯車
かみ合っている2つの歯車 A、B がある。A は歯数 24 で毎秒 5 回転する。B の歯数を x、毎秒の回転数を y とするとき、y を x の式で表せ。また、B の歯数が 40 のとき、毎秒何回転するか。
かみ合う歯車は、1秒間にかみ合う歯の数が同じです。 A:24 × 5 = 120(歯/秒)。B:x × y = 120 → y = 120/x x = 40 のとき y = 120/40 = 3。答え:毎秒 3 回転
「歯数 × 回転数 = 一定」なので反比例。歯が多いほどゆっくり回ります。
例②:仕事の分担
ある仕事を 6 人でやると 10 日かかる。同じ仕事を 4 人でやると何日かかるか(1人あたりの仕事量は同じとする)。
「人数 × 日数 = 仕事の総量」で一定。6 × 10 = 60。x 人で y 日なら xy = 60、y = 60/x。 x = 4 のとき y = 15。答え:15 日
例③:てんびん
てんびんが支点から左に 20 cm の位置に 30 g のおもりでつり合っている。右側に x g のおもりを支点から y cm の位置につるすとき、y を x の式で表せ。
てんびんは「おもりの重さ × 支点からの距離」が左右で等しいとつり合います。20 × 30 = 600 = xy → y = 600/x。
よくある間違い
- 反比例なのに y = ax で立式する → 「かけて一定」なら y = a/x
- 「6 人で 10 日なら 4 人で ○ 日」を 10 × 4/6 と計算する → 人数が減れば日数は増える。60 ÷ 4 = 15
ここまでできれば十分
「かけて一定か・わって一定か」で比例と反比例を選び、式を作って代入できれば、この単元の中心はできています。
4. 「比例するとみなす」の意味
もう一歩(発展)
実際の量は、きっちり比例するとは限りません。
- 針金の重さは、太さにむらがあれば厳密には比例しない
- 歩く速さは一定ではない(信号・坂で変わる)
- 仕事は人数が増えても、連絡の手間で単純に速くならないことがある
数学では「比例するとみなして式を作る」ことで、計算できる形にしています。答えを出したあとに「この数字は目安で、実際は少しずれる」と分かっていることが、関数を「使う」うえで大切な感覚です。入試でも「〜するものとする」「一定の速さで」という前置きは、「比例とみなしてよい」という宣言です。
変域に注意
1個 80 円のりんごは、1日に 30 個までしか売らない。x 個の代金 y 円は y = 80x。
この式は 0 ≦ x ≦ 30 の範囲でだけ意味があります。x = 50 を代入して 4000 円と答えても、その日には買えません。現実の問題では、式が使える範囲(変域)を問題文から読み取ります。グラフをかくときも、変域の外は描きません(線分になる)。
5. 自己チェック
- 「x が 2 倍で y は?」を考えて、比例/反比例/どちらでもない を決めたか
- 何が一定(決まっている)かを確認したか(速さ・時間・道のりで混乱しやすい)
- 単位をそろえたか(mm と cm、分と時間)
- 答えに単位をつけ、変域(現実に取れる範囲)の中に入っているか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m1-12)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 C 関数 (1) 比例、反比例 ── 「比例、反比例を用いて具体的な事象を捉え考察し表現すること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-12/ / 更新 2026-09-12