中1 数学 / 図形 / m1-16
空間図形 ── 立体の種類・位置関係・投影図
この単元でできるようになること
- 角柱・円柱・角錐・円錐・正多面体の名前と特徴(面・辺・頂点の数)がわかる
- 空間の中の直線と直線、直線と平面、平面と平面の位置関係(平行・交わる・ねじれの位置)がわかる
- 立体を、平面図形を動かしてできる形(回転体・柱)としてとらえられる
- 投影図・展開図から、立体を思い浮かべられる
入試での位置づけ
「ねじれの位置」「投影図」「回転体」は、小問で出題されやすい項目です。とくにねじれの位置(平行でなく交わりもしない2直線)は、空間を頭の中で描く力を問う定番で、直方体の辺で数える練習をしておくと確実に取れます。次の単元「表面積と体積」の計算は、ここで立体の形を正しくつかんでいることが前提です。
1. いろいろな立体
まずここだけ
| 立体 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 合同な2つの多角形(底面)が平行で、側面がすべて長方形 | 三角柱・四角柱(直方体・立方体)・五角柱 | |
| 合同な2つの円(底面)が平行で、側面は曲面 | 缶 | |
| 底面が多角形で、側面がすべて三角形。とがった点を頂点 | 三角錐・四角錐(ピラミッド) | |
| 底面が円で、側面は曲面。とがった点を頂点 | アイスのコーン | |
| 球 | どこから見ても円 | ボール |
角柱・角錐は、底面の形で「三角柱」「四角錐」のように名前がつきます。底面が正多角形で側面が合同なものを「正三角柱」「正四角錐」のように呼びます。
多面体と正多面体
平面だけで囲まれた立体を といい、面の数で「四面体」「六面体」と呼びます(三角錐は四面体、直方体は六面体)。
すべての面が合同な正多角形で、どの頂点にも同じ数の面が集まる多面体を といい、5種類しかありません。
| 正多面体 | 面の形 | 面 | 辺 | 頂点 | 1つの頂点に集まる面 |
|---|---|---|---|---|---|
| 正四面体 | 正三角形 | 4 | 6 | 4 | 3 |
| 正六面体(立方体) | 正方形 | 6 | 12 | 8 | 3 |
| 正八面体 | 正三角形 | 8 | 12 | 6 | 4 |
| 正十二面体 | 正五角形 | 12 | 30 | 20 | 3 |
| 正二十面体 | 正三角形 | 20 | 30 | 12 | 5 |
どの正多面体も (頂点の数) − (辺の数) + (面の数) = 2 が成り立ちます(オイラーの多面体定理。高校入試では表の数値を問われることがあります)。
面・辺・頂点の数え方
n 角柱:面 n + 2、辺 3n、頂点 2n n 角錐:面 n + 1、辺 2n、頂点 n + 1
たとえば五角柱は 面 7・辺 15・頂点 10。六角錐は 面 7・辺 12・頂点 7。「側面の数 = 底面の辺の数」から数えると間違えません。
よくある間違い
- 円柱・円錐を多面体に入れる → 曲面があるので多面体ではない
- 四角錐の面を 4 と数える → 側面 4 + 底面 1 = 5
- 正多面体が 5 種類より多いと思う → 5 種類だけ
2. 空間の位置関係
まずここだけ:2直線の位置関係
平面上の2直線は「交わる」か「平行」のどちらかでしたが、空間ではもう1つあります。
| 関係 | 意味 | 同じ平面上に |
|---|---|---|
| 交わる | 1点を共有する | ある |
| 平行 | 交わらず、同じ平面上にある | ある |
| 交わらず、平行でもない(同じ平面上にない) | ない |
E────────F
/| /| 直方体 ABCD-EFGH で、辺 AB に対して
H────────G | ・交わる:AD、AE、BC、BF
| | | | ・平行:DC、EF、HG
| A──────|─B ・ねじれの位置:DH、CG、EH、FG
|/ |/
D────────C
ねじれの位置の見つけ方:辺 AB に対して、「AB と交わる辺」と「AB と平行な辺」を消して、残った辺がねじれの位置です。直方体の 12 本の辺なら、AB 自身 1 本・交わる 4 本・平行 3 本を除いた 4 本。
直線と平面の位置関係
| 関係 | 意味 |
|---|---|
| 直線が平面に含まれる | 直線全体が平面の上にある |
| 1点で交わる | 直線が平面を突き抜ける |
| 平行 | 交わらない |
直線 ℓ が平面 P と点 O で交わり、O を通る P 上のどの直線とも垂直なとき、ℓ ⊥ P(直線と平面が垂直)といいます。実際には、O を通る2本の直線に垂直であれば、平面に垂直です(2本で平面が決まるから)。
平面と平面の位置関係
2つの平面は「交わる」(交線は直線)か「平行」のどちらかです。直方体の向かい合う面は平行、隣り合う面は垂直に交わります。
点と平面の距離
点 A から平面 P に引いた垂線の長さを、A と P の距離といいます。角錐・円錐の「高さ」は、頂点から底面までのこの距離です。
よくある間違い
- 「交わらない = 平行」と思う → 空間では交わらなくても平行でない場合(ねじれ)がある
- ねじれの位置を数えるときに、平行な辺を入れてしまう → 平行は同じ平面上にあるのでねじれではない
- 直線と平面の垂直を「1本に垂直」で判断する → 2本に垂直で初めて平面に垂直
ここまでできれば十分
直方体で「交わる・平行・ねじれ」を仕分けられれば、位置関係の基本は合格です。
3. 立体のできかた
面が動いてできる立体
角柱・円柱は、底面の図形を、それに垂直な方向に動かしてできる立体と見られます(動かした距離が高さ)。この見方は、次の単元で「体積 = 底面積 × 高さ」を理解する土台です。
回転体
平面図形を、1本の直線(回転の軸)のまわりに1回転させてできる立体を といいます。
| 回転させる図形 | できる立体 |
|---|---|
| 長方形(1辺を軸に) | 円柱 |
| 直角三角形(直角をはさむ1辺を軸に) | 円錐 |
| 半円(直径を軸に) | 球 |
| 台形(平行な辺に垂直な辺を軸に) | 円錐台(円錐の上を切った形) |
回転体は、軸を含む平面で切ると、軸について線対称な図形になり、軸に垂直な平面で切ると円になります。「どんな立体になるか」は、もとの図形を軸で折り返した形を思い浮かべると分かります。
4. 投影図と展開図
まずここだけ:投影図
立体を正面から見た図(立面図)と、真上から見た図(平面図)を上下に並べてかいたものを といいます。
| 立体 | 立面図 | 平面図 |
|---|---|---|
| 円柱(立てた) | 長方形 | 円 |
| 円錐 | 二等辺三角形 | 円(中心に点) |
| 三角柱(立てた) | 長方形 | 三角形 |
| 四角錐 | 三角形 | 正方形(対角線あり) |
| 球 | 円 | 円 |
「立面図が長方形、平面図が円」なら円柱、「立面図が三角形、平面図が円」なら円錐、と組み合わせで判断します。見えない辺は点線でかきます。
展開図
立体を辺にそって切り開いて平面にした図を といいます。
- 円柱の展開図:長方形(側面)+ 円 2 つ。長方形の横の長さ = 底面の円周(2πr)
- 円錐の展開図:おうぎ形(側面)+ 円 1 つ。おうぎ形の弧の長さ = 底面の円周、おうぎ形の半径 = 円錐の母線(頂点から底面の円周までの長さ)
- 立方体の展開図:正方形 6 つ。並べ方は 11 通り
円錐の展開図の関係は、次の単元の表面積で必ず使います:
側面のおうぎ形の中心角 a° は、弧の長さ 2πR × a/360 = 底面の円周 2πr から求まる(R:母線、r:底面の半径)。整理すると a = 360 × r/R。
よくある間違い
- 円錐の側面の展開図を三角形にする → おうぎ形
- 円柱の展開図で、長方形の横を「直径」にする → 円周(2πr)
- 投影図で、見えない辺を実線でかく → 点線
もう一歩(発展):立方体の展開図と面の位置
立方体の展開図で「面 A と向かい合う面はどれか」「辺 XY と重なる辺はどれか」を問う問題は、組み立てるより「1 つとばしの面が向かい合う」(一直線に並んだ 3 面の両端が向かい合う)というきまりで解くのが速い方法です。
5. 自己チェック
- ねじれの位置は「交わらず・平行でもない」で、平行な辺を入れていないか
- 角柱・角錐の面・辺・頂点を「底面の辺の数」から数えたか
- 回転体は、図形を軸で折り返した形を思い浮かべたか
- 円錐の展開図は「おうぎ形+円」、弧の長さ = 底面の円周 になっているか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m1-16)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 B 図形 (2) 空間図形 ── 「空間における直線や平面の位置関係」「空間図形を直線や平面図形の運動によって構成されるものと捉えたり、空間図形を平面上に表現して平面上の表現から空間図形の性質を見いだしたりすること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-16/ / 更新 2026-09-12