中1 数学 / 図形 / m1-15
円とおうぎ形 ── 弧の長さ・面積
この単元でできるようになること
- 弧・弦・接線・中心角などの言葉の意味がわかる
- 円周の長さと円の面積を、π を使って表せる
- おうぎ形の弧の長さと面積を、中心角から求められる
- 逆に、弧の長さや面積から中心角を求められる
- 「おうぎ形の面積 = (1/2) × 弧の長さ × 半径」の使いどころがわかる
入試での位置づけ
おうぎ形の弧の長さ・面積は、中1の図形で計算問題として出題されやすく、中3の「円錐の表面積」「円周角」「三平方の定理と円」でも、部品として繰り返し使います。「中心角 ÷ 360」の割合をかけるという一手を覚えれば、公式を2つ暗記する必要はありません。
1. 円の言葉
まずここだけ
A
/│\
/ │ \ ← 弧 AB(円周の一部)
・ │ ・
/ O \ O:中心
│ /│\ │ OA:半径
│ / │ \ │ AB:弦
\/ │ \/
・────┼────・ B
\ │ /
\│/
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| AB | 円周の一部。記号は AB の上に ⌒(本サイトでは「弧 AB」と書く) |
| AB | 円周上の2点を結ぶ線分。最も長い弦は直径 |
| 弧の両端と中心を結んでできる角 ∠AOB。「弧 AB に対する中心角」という | |
| 円と1点だけで交わる直線。接する点を接点という |
接線の性質
円の接線は、接点を通る半径に垂直です。これは作図(接点で半径に垂線を引く)にも、中3の証明にも繰り返し使います。
2. 円周と円の面積
まずここだけ
半径 r の円で、円周率を π とすると
円周の長さ ℓ = 2πr 面積 S = πr²
π は 3.14159… と続く数で、中学からは π のまま答えます(「3.14 として計算」と指示があるときだけ数にする)。
- 半径 3 cm の円:円周 2π × 3 = 6π cm、面積 π × 3² = 9π cm²
- 半径 5 cm の円:円周 10π cm、面積 25π cm²
よくある間違い
- 円周を πr、面積を 2πr² とする → 円周 2πr、面積 πr²。「円周は直径 × π」と覚えると混同しにくい
- 直径 10 cm を半径 10 cm として計算 → 直径が与えられたら半分にする
- 9π を「9 × 3.14 = 28.26」と数にしてしまう → 指示がなければ π のまま
3. おうぎ形の弧の長さと面積
まずここだけ
円の2本の半径と弧で囲まれた図形を といいます。おうぎ形は「円の一部」で、その割合は 中心角 ÷ 360° です。
だから、弧の長さも面積も、円のもの × (中心角 / 360) で求まります。
半径 r、中心角 a° のおうぎ形 弧の長さ ℓ = 2πr × a/360 面積 S = πr² × a/360
例:半径 6 cm、中心角 60° のおうぎ形
- 割合:60/360 = 1/6
- 弧の長さ:2π × 6 × 1/6 = 2π cm
- 面積:π × 6² × 1/6 = 6π cm²
「円周 12π の 1/6 が 2π」「面積 36π の 1/6 が 6π」と、円全体を出してから割合をかけると計算が見やすくなります。
例:いろいろな中心角
| 半径 | 中心角 | 割合 | 弧の長さ | 面積 |
|---|---|---|---|---|
| 4 cm | 90° | 1/4 | 2π cm | 4π cm² |
| 9 cm | 120° | 1/3 | 6π cm | 27π cm² |
| 10 cm | 36° | 1/10 | 2π cm | 10π cm² |
| 3 cm | 240° | 2/3 | 4π cm | 6π cm² |
中心角が 180° を超えるおうぎ形(240° など)もあります。割合が 1 を超えることはありません。
よくある間違い
- 割合を 360/中心角 と逆にする → 中心角/360(1 より小さくなるはず)
- 弧の長さの式に r² を使う → 弧は長さなので 2πr(1乗)。面積は πr²(2乗)
- 割合をかけ忘れて円全体の値を答える
ここまでできれば十分
「円全体 × 中心角/360」で弧の長さと面積が出せれば、この単元の基本は合格です。
4. 逆向きに求める ── 中心角・半径
ここまでできれば十分(の次)
半径 8 cm、弧の長さ 4π cm のおうぎ形の中心角
中心角を a° とすると、2π × 8 × a/360 = 4π → 16π × a/360 = 4π → a/360 = 1/4 → a = 90°
「弧の長さ ÷ 円周 = 割合」で 4π ÷ 16π = 1/4 と考えても同じです。
中心角 120°、面積 12π cm² のおうぎ形の半径
半径 r とすると、πr² × 120/360 = 12π → πr² × 1/3 = 12π → r² = 36 → r = 6 cm(r > 0)
面積を弧の長さから求める公式
おうぎ形の面積 S、弧の長さ ℓ、半径 r の間には
S = (1/2) ℓ r
が成り立ちます(三角形の面積「底辺 × 高さ ÷ 2」に似た形で、弧を底辺、半径を高さと見立てた式です)。
なぜ成り立つか:S = πr² × a/360、ℓ = 2πr × a/360 なので、S ÷ ℓ = r/2。よって S = ℓ × r/2。
使いどころ:中心角がわからず、弧の長さと半径だけわかっているとき。半径 5 cm、弧 4π cm なら S = (1/2) × 4π × 5 = 10π cm²。中心角を出さずに面積が求まります。
5. おうぎ形を含む図形
もう一歩(発展)
正方形と円が組み合わさった図形の面積は、「大きい図形 − 小さい図形」か「おうぎ形 + 三角形」に分けて求めます。
例:1辺 10 cm の正方形の中に、頂点を中心とする半径 10 cm の四分円(中心角 90° のおうぎ形)がある。正方形から四分円を除いた部分の面積は
正方形 100 − 四分円 π × 10² × 1/4 = 100 − 25π (cm²)
答えは 100 − 25π のまま(π を含む式)で構いません。「約 21.5」のように数にする必要はありません。
弧で囲まれた「葉っぱ形」(正方形の対角の頂点を中心とする2つの四分円が重なった部分)は、 2 × 四分円 − 正方形 = 2 × 25π − 100 = 50π − 100 (cm²)
「重なりの面積 = 2つの図形の和 − 全体」の考え方は、面積の問題で繰り返し使います。
6. 自己チェック
- 円周は 2πr、面積は πr² になっているか(r の何乗か)
- 割合は 中心角/360 で、1 以下になっているか
- 直径が与えられたら半径に直したか
- 答えは π のままにしたか(指示がないのに数にしていないか)
7. 小テストへ
→ 小テスト(m1-15)
関連する単元
- 前提:m1-04(分数の計算)、m1-13 平面図形
- 次に進む:m1-16 空間図形、m1-17 立体の表面積と体積(円錐の側面はおうぎ形)
- ここで使う考え方が出てくる:m3-14 円周角の定理、m3-17 三平方の定理の利用
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 B 図形 (1) 平面図形 ── 「扇形の弧の長さと面積」「円の接線の性質」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-15/ / 更新 2026-09-12