中2 数学 / 関数 / m2-06
一次関数 ── 式・グラフ・変化の割合
この単元でできるようになること
- 一次関数 y = ax + b の意味と、比例との関係がわかる
- 変化の割合(= 傾き a)を、表や2点から求められる
- 一次関数のグラフ(傾き a・切片 b の直線)をかき、グラフから式を読み取れる
- 「傾きと1点」「2点」「平行な直線と1点」の条件から式を求められる
- 変域のある一次関数の y の範囲を求められる
入試での位置づけ
一次関数は、入試の関数の大問の中心で、「式を求める」「交点を求める」「面積を求める」の順に難しくなる構成が定番です。この単元はその第1段階「式を求める」です。ここが速く正確にできると、大問の後半に時間を残せます。中3の y = ax² と直線の交点(m3-10)も、直線の式はこの単元の方法で求めます。
1. 一次関数とは
まずここだけ
y が x の関数で、y = ax + b(a、b は定数、a ≠ 0)の形で表されるとき、y は x の であるといいます。
- 水そうに毎分 2 L ずつ水を入れる。はじめに 5 L 入っていたとき、x 分後の水の量 y L は y = 2x + 5
- 1個 100 円の品物を x 個買って、200 円の箱に入れたときの代金 y 円は y = 100x + 200
比例 y = ax は、b = 0 の一次関数です。一次関数は「比例に定数 b が足された形」で、グラフは比例のグラフを上下に b だけずらした直線になります。
一次関数でないもの
y = x²(二次)、y = 6/x(反比例)、y = 5(x がない・定数関数)は一次関数ではありません。「x の一次式で y が表せる」ものだけです。
2. 変化の割合
まずここだけ
y = 2x + 5 の表を作ると
| x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| y | 5 | 7 | 9 | 11 | 13 |
x が 1 増えるごとに y は 2 増えています。x が 3 増えれば y は 6 増える。(y の増加量) ÷ (x の増加量) は、どこで測ってもいつも 2 です。この値を といいます。
変化の割合 = (y の増加量) / (x の増加量)
一次関数 y = ax + b では、変化の割合はつねに a に等しい(一定)。これが一次関数の最大の特徴です。
2点から変化の割合を求める
x = 1 のとき y = 4、x = 4 のとき y = 13 なら 変化の割合 = (13 − 4) / (4 − 1) = 9 / 3 = 3
例
| 変化 | 変化の割合 |
|---|---|
| y = 3x − 1 で x が 2 から 5 まで | 3(a そのもの) |
| y = −2x + 4 で x が 1 増える | −2(y は 2 減る) |
| x = 2 のとき y = 7、x = 6 のとき y = −1 | (−1 − 7)/(6 − 2) = −8/4 = −2 |
| x = −3 のとき y = 2、x = 3 のとき y = 6 | (6 − 2)/(3 − (−3)) = 4/6 = 2/3 |
変化の割合が一定でないもの
y = x² では、x が 0→1 で y は 0→1(割合 1)、x が 1→2 で y は 1→4(割合 3)。一定でないので一次関数ではありません。中3で扱います。
よくある間違い
- 変化の割合を「x の増加量 ÷ y の増加量」と逆にする → y ÷ x
- 増加量の引き算の向きをそろえない:(13 − 4)/(1 − 4) → 同じ順序で(後 − 前)を両方に使う
- 負の数の増加量:x が −3 から 3 で「増加量 0」とする → 3 − (−3) = 6
3. 一次関数のグラフ
まずここだけ
y = ax + b のグラフは直線で、
- a を という:x が 1 増えたとき y がいくら増えるか(=変化の割合)。a > 0 で右上がり、a < 0 で右下がり
- b を という:x = 0 のときの y の値。グラフが y 軸と交わる点 (0, b)
y = 2x + 1 y = −x + 3
y | / y |\
| / | \
1 | / 3 | \
───────O─────x ──────O───\──x
|/ | \
グラフのかき方
- 切片 b から、y 軸上の点 (0, b) をとる
- そこから右へ 1、上へ a(a が負なら下へ)動いた点をとる。a が分数(2/3 など)なら右へ 3、上へ 2
- 2 点を直線で結ぶ
y = (2/3)x − 1 なら、(0, −1) から右へ 3・上へ 2 で (3, 1)。この 2 点を結びます。
グラフから式を読む
- y 軸との交点で b を読む
- 格子点(x も y も整数の点)をもう1つ見つけ、「右へいくつ・上へいくつ」で a を読む
直線が (0, 3) と (2, −1) を通るなら、b = 3、a = (−1 − 3)/(2 − 0) = −2 → y = −2x + 3
平行な直線
傾きが等しい2直線は平行です。y = 2x + 1 と y = 2x − 3 は平行。逆に「平行」と言われたら傾きが同じ、と読み替えます。
よくある間違い
- 切片を x 軸との交点と思う → y 軸との交点
- 傾き −2 を「右へ 1、上へ 2」で取る → 負なら下へ 2
- 傾き 2/3 を「右へ 2、上へ 3」と逆に取る → 右へ(分母)、上へ(分子)
ここまでできれば十分
「傾き a・切片 b」でグラフがかけ、グラフから式が読めれば、この単元の基本は合格です。
4. 一次関数の式を求める
まずここだけ:3つの型
一次関数の式を求めるとは、a と b の2つを決めることです。条件のパターンは3つ。
型①:傾きと1点
傾きが 3 で、点 (2, 1) を通る直線
a = 3 なので y = 3x + b。(2, 1) を代入:1 = 6 + b → b = −5 → y = 3x − 5
型②:2点
2点 (1, 5)、(3, 11) を通る直線
まず傾き:a = (11 − 5)/(3 − 1) = 3。y = 3x + b に (1, 5) を代入:5 = 3 + b → b = 2 → y = 3x + 2 (または、y = ax + b に 2 点を代入して連立方程式 5 = a + b、11 = 3a + b を解いても同じ)
型③:平行な直線と1点
直線 y = −2x + 1 に平行で、点 (3, −4) を通る直線
平行なので a = −2。y = −2x + b に (3, −4) を代入:−4 = −6 + b → b = 2 → y = −2x + 2
どの型も、a を決めてから b を決めるの順です。
「切片が〜」の型
切片が 4 で、点 (2, 0) を通る直線 b = 4 なので y = ax + 4。(2, 0) を代入:0 = 2a + 4 → a = −2 → y = −2x + 4
x 軸との交点
y = 0 になる x の値です。y = −2x + 4 なら 0 = −2x + 4 → x = 2 → 交点 (2, 0)。「x 切片」ともいいます。
よくある間違い
- 2 点から傾きを求めるとき、点の順序を混ぜる → (y₂ − y₁)/(x₂ − x₁) で、同じ点を先に
- b を求めるときに、代入する点の x と y を逆にする → (2, 1) は x = 2、y = 1
- 平行の条件を「切片が同じ」と思う → 平行は傾きが同じ
5. 変域
ここまでできれば十分(の次)
y = 2x − 3 で、x の変域が −1 ≦ x ≦ 3 のとき、y の変域
x = −1 のとき y = −5、x = 3 のとき y = 3。a > 0 なので増える関数。−5 ≦ y ≦ 3
y = −2x + 1 で、−1 ≦ x ≦ 3 のとき
x = −1 のとき y = 3、x = 3 のとき y = −5。a < 0 なので減る関数。y は −5 ≦ y ≦ 3(x の小さい端で y が最大)。
比例(m1-10)と同じで、両端の y を計算して小さい順に並べる。a が負のときに端の対応が逆になることに注意します。
もう一歩(発展):変域から式を求める
一次関数 y = ax + b で、x の変域が −2 ≦ x ≦ 4 のとき y の変域が −1 ≦ y ≦ 8 である。a > 0 のとき、a、b を求めよ。
a > 0 なら x が最小のとき y も最小、x が最大のとき y も最大。よって (−2, −1) と (4, 8) を通る。 a = (8 − (−1))/(4 − (−2)) = 9/6 = 3/2。−1 = −3 + b → b = 2。y = (3/2)x + 2
「a < 0 のとき」なら対応が逆((−2, 8) と (4, −1))になります。a の符号で端の対応が決まるのがこの問題の核心で、入試の小問で出題されやすい形です。
6. 自己チェック
- 変化の割合 = y の増加量 ÷ x の増加量。引く順序をそろえたか
- 傾き a は「右へ 1、上へ a」(負なら下)。分数なら「右へ分母、上へ分子」か
- 切片は y 軸との交点か
- 式を求めるとき、a → b の順で決めたか。平行 = 傾きが同じ
- 変域は両端の y を計算し、a の符号に注意して小さい順か
7. 小テストへ
→ 小テスト(m2-06)
関連する単元
- 前提:m1-10 比例、m2-02 等式の変形、m2-04 連立方程式
- 次に進む:m2-07 一次関数と方程式・交点
- ここで使う考え方が出てくる:m3-08 関数 y=ax²、m3-10 放物線と直線
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 C 関数 (1) 一次関数 ── 「一次関数の意味」「一次関数の表、式、グラフの特徴」「変化の割合」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m2-06/ / 更新 2026-09-12