中2 数学 / 図形 / m2-10
三角形の合同条件・証明の書き方
この単元でできるようになること
- 合同の意味と記号 ≡、対応する頂点の順に書くきまりがわかる
- 三角形の合同条件 3 つを言え、図から「どの条件が使えるか」を見つけられる
- 「仮定」と「結論」を区別し、証明の型(仮定 → 根拠つきの等しい関係 3 つ → 合同条件 → 結論)で書ける
- 合同を使って、辺や角が等しいことを証明できる
入試での位置づけ
合同の証明は、多くの公立高校入試で記述問題として出題されやすく、配点も大きい分野です。「証明を書く」のは中2で初めてで、書き方の型が定まっているため、型を覚えて根拠を書き漏らさなければ安定して得点できます。中3の相似の証明も、書き方はここと同じです。
1. 合同とは
まずここだけ
2 つの図形が、移動(平行移動・回転移動・対称移動)でぴったり重なるとき、 であるといい、記号 ≡ で表します。
△ABC ≡ △DEF と書くとき、対応する頂点を同じ順に書きます(A ↔ D、B ↔ E、C ↔ F)。この書き方なら、「対応する辺は AB = DE、BC = EF、CA = FD」「対応する角は ∠A = ∠D、…」と、文字の並びから読み取れます。
合同な図形では、対応する辺の長さ・角の大きさはそれぞれ等しい。
よくある間違い
- △ABC ≡ △DEF を、対応を無視して書く → 対応順に書かないと、どの辺が等しいか伝わらない(減点)
- 「大きさが同じ」を合同と思う → 面積が同じでも形が違えば合同ではない
2. 三角形の合同条件
まずここだけ
2 つの三角形は、次のどれか1つが成り立てば合同です。
| 合同条件 | 内容 | 略称 |
|---|---|---|
| ① | 3 組の辺がそれぞれ等しい | 三辺 |
| ② | 2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい | 二辺夾角(にへんきょうかく) |
| ③ | 1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい | 一辺両端角 |
① 3辺 ② 2辺と間の角 ③ 1辺と両端の角
/\ /\ /\
/ \ / \ / \
/____\ /_●__\ ●____●
(3辺に印) (2辺と、その間の角) (1辺と、その両端の角)
②の角は「2 辺の間」、③の角は「辺の両端」でないといけません。「2 辺と、間でない角」「2 角と、その間でない辺」では合同とは限りません(ただし③は、2 角が等しければ残りの角も等しい(内角の和 180°)ので、実際には「1 辺と 2 角」で足りることが多い。証明では「両端の角」の形に直して書く)。
条件の見つけ方
図に、わかっている「等しい辺」「等しい角」に印をつけて、
- 辺に印が 3 つ → ①
- 辺に印が 2 つ、その間の角に印 → ②
- 辺に印が 1 つ、その両端の角に印 → ③
印が足りないときは、「共通な辺」「対頂角」「平行線の錯角」「二等辺三角形の底角」が隠れていないかを探します。証明問題の3つ目の等しい関係は、この4つのどれかであることがほとんどです。
3. 証明の書き方 ── 型
まずここだけ:仮定と結論
「〜ならば、…である」の形で、「〜」の部分(わかっていること)を 、「…」の部分(示したいこと)を といいます。
例題:線分 AB と CD が点 O で交わり、AO = BO、CO = DO ならば、AC = BD である。
仮定:AO = BO、CO = DO 結論:AC = BD
証明の型
【証明】
△AOC と △BOD において、
仮定より AO = BO …①
仮定より CO = DO …②
対頂角は等しいので ∠AOC = ∠BOD …③
①、②、③より、2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△AOC ≡ △BOD
合同な図形の対応する辺は等しいので
AC = BD
5 つの部品
- どの三角形とどの三角形かを書く(「△AOC と △BOD において」。対応順に)
- 等しい関係を 3 つ、それぞれ根拠つきで(仮定より/対頂角は等しいので/共通な辺だから…)
- 合同条件を言葉で書く(「2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので」)
- ≡ で結論(対応順に)
- 合同から示したいことへ(「合同な図形の対応する辺(角)は等しいので」)
根拠の書き方(定番)
| 等しい理由 | 書き方 |
|---|---|
| 問題文で与えられている | 仮定より |
| 同じ辺を 2 つの三角形が共有 | 共通な辺だから(AC は共通) |
| 向かい合った角 | 対頂角は等しいので |
| 平行線 | AB ∥ CD より、錯角は等しいので/同位角は等しいので |
| 二等辺三角形 | 二等辺三角形の底角は等しいので |
| 中点 | M は AB の中点だから AM = BM |
| 角の二等分線 | 角の二等分線だから ∠BAD = ∠CAD |
| 正三角形・正方形 | 正三角形の辺はすべて等しいので/正方形の角はすべて 90° だから |
よくある間違い
- 根拠を書かずに「AO = BO」とだけ書く → 「仮定より」など根拠を必ず添える(減点対象)
- 合同条件を「二辺夾角」と略称で書く → 教科書の言い回し「2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」で書く
- 結論を先に使う(AC = BD だから…)→ 結論は最後。証明の途中で使ってはいけない
- 対応順を間違えて △AOC ≡ △ODB と書く → 対応する頂点の順(A↔B、O↔O、C↔D)
ここまでできれば十分
5 つの部品の順に、根拠つきで書けるようになれば、証明の基本は合格です。
4. 定番の型
ここまでできれば十分(の次)
型①:共通な辺
四角形 ABCD で AB = AD、∠BAC = ∠DAC ならば、BC = DC
△ABC と △ADC において、AB = AD(仮定)、∠BAC = ∠DAC(仮定)、AC は共通。2 組の辺とその間の角 → △ABC ≡ △ADC → BC = DC。
型②:平行線の錯角
AB ∥ DC、AB = DC、AC と BD の交点を O とすると、AO = CO
△ABO と △CDO において、AB = CD(仮定)、AB ∥ DC より錯角が等しいので ∠BAO = ∠DCO、∠ABO = ∠CDO。1 組の辺とその両端の角 → △ABO ≡ △CDO → AO = CO。
型③:正三角形・正方形を含む
正三角形 ABC の辺 BC 上に点 D、辺 AC 上に点 E を BD = CE となるようにとると、AD = BE
△ABD と △BCE において、AB = BC(正三角形の辺)、BD = CE(仮定)、∠ABD = ∠BCE = 60°(正三角形の角)。2 組の辺とその間の角 → △ABD ≡ △BCE → AD = BE。
型④:角が等しいことを示す
合同を示したあと「合同な図形の対応する角は等しいので ∠… = ∠…」で締める。辺のときと同じ型です。
もう一歩(発展):証明の逆と反例
「AC = BD ならば AO = BO かつ CO = DO」のように、仮定と結論を入れかえたものを 逆 といいます。もとの命題が正しくても、逆が正しいとは限りません。
正しくないことを示すには、成り立たない例を 1 つ挙げれば十分で、これを 反例 といいます。「x > 2 ならば x > 1」の逆「x > 1 ならば x > 2」は、x = 1.5 が反例。入試で「次の命題の逆を書き、正しいかどうか。正しくなければ反例を示せ」の形で出題されることがあります。
5. 自己チェック
- 「△○○○ と △○○○ において」を対応順に書いたか
- 等しい関係 3 つに、それぞれ根拠を書いたか
- 合同条件を言葉で書いたか
- ≡ の対応順は合っているか
- 「合同な図形の対応する辺(角)は等しいので」で結論につないだか。結論を途中で使っていないか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m2-10)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 B 図形 (2) 図形の合同 ── 「平面図形の合同の意味及び三角形の合同条件」「証明の必要性と意味及びその方法」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m2-10/ / 更新 2026-09-12