中3 数学 / 図形 / m3-11
相似な図形・三角形の相似条件
この単元でできるようになること
- 相似の意味(形が同じで大きさが違う)と、相似比・対応する辺の比がわかる
- 相似な図形の辺の長さを、比例式で求められる
- 三角形の相似条件 3 つを言え、図から使える条件を見つけられる
- 相似の証明を、合同の証明と同じ型で書ける
入試での位置づけ
相似は、多くの公立高校入試で証明問題(相似の証明)と長さを求める計算問題として出題されやすい分野です。証明の書き方は合同(m2-10)とまったく同じ型で、条件が「辺の比」「2 角」に変わるだけです。とくに「2 組の角がそれぞれ等しい」が相似条件の 8 割を占め、「共通の角」「平行線の錯角・同位角」「円周角」で 2 つ目の角を見つけるのが定番です。
1. 相似とは
まずここだけ
一方の図形を拡大・縮小すると他方に重なるとき、2 つの図形は であるといい、記号 ∽ で表します。△ABC ∽ △DEF(対応する頂点の順に書く。合同の ≡ と同じ約束)。
性質
- 対応する辺の長さの比はすべて等しい
- 対応する角の大きさはそれぞれ等しい
対応する辺の比を といいます。△ABC ∽ △DEF で AB = 4、DE = 6 なら相似比は 4 : 6 = 2 : 3。
辺の長さを求める
△ABC ∽ △DEF、AB = 4、BC = 5、DE = 6。EF は? 相似比 AB : DE = 4 : 6 = 2 : 3。BC : EF = 2 : 3 → 5 : EF = 2 : 3 → 2EF = 15 → EF = 15/2
対応する辺どうしで比例式(m1-09)を作ります。どの辺が対応するかは、∽ の頂点の順で読みます(B ↔ E、C ↔ F なので BC ↔ EF)。
よくある間違い
- 対応しない辺で比を作る(AB : EF など)→ ∽ の対応順で対応する辺を選ぶ
- 相似比を「差」で考える(4 → 6 だから +2、5 → 7)→ 比は倍率。5 × 3/2 = 7.5
- 相似と合同を混同する → 合同は相似比 1 : 1 の特別な場合
2. 三角形の相似条件
まずここだけ
2 つの三角形は、次のどれか 1 つが成り立てば相似です。
| 相似条件 | 内容 | 合同条件との対応 |
|---|---|---|
| ① | 3 組の辺の比がすべて等しい | 3 組の辺 |
| ② | 2 組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい | 2 組の辺とその間の角 |
| ③ | 2 組の角がそれぞれ等しい | 1 組の辺とその両端の角 |
③が最重要。「辺の長さがわからなくても、角が 2 つ等しければ相似」なので、証明で最も使われます(3 つ目の角は内角の和 180° から自動的に等しくなる)。
条件の見つけ方
- 図に等しい角の印をつける。2 組見つかれば③
- 辺の長さがわかっているなら、比が等しいか計算する(①②)
- 隠れた等しい角:共通な角(同じ角を 2 つの三角形が共有)、対頂角、平行線の錯角・同位角、円周角(m3-14)、直角(垂線がある図)
例:相似な三角形を見つける
△ABC で、辺 AB 上に D、辺 AC 上に E をとり、DE ∥ BC とする。相似な三角形は? △ADE と △ABC:∠A は共通、DE ∥ BC より同位角 ∠ADE = ∠ABC。2 組の角 → △ADE ∽ △ABC
△ABC で ∠A = 90°、A から BC に垂線 AH を下ろす。相似な三角形は? △ABC ∽ △HBA ∽ △HAC(3 つとも相似)。△ABC と △HBA:∠BAC = ∠BHA = 90°、∠B 共通。
直角三角形に垂線を下ろすと 3 つの相似な三角形ができる──入試で繰り返し出る図です。
よくある間違い
- 「3 組の角がそれぞれ等しい」を条件として書く → 中学では 2 組の角が正式な言い方(3 つ目は自動的に決まる)
- 「2 組の辺の比が等しい」だけで相似とする → その間の角も必要(②)
- 対応順を間違えて △ABC ∽ △ADE を △ABC ∽ △AED と書く → 角の対応で確認(∠A ↔ ∠A、∠B ↔ ∠D、∠C ↔ ∠E)
ここまでできれば十分
相似条件 3 つを言え、図から「共通角+平行線」「共通角+直角」で③を見つけられれば、この単元の中心は合格です。
3. 相似の証明
まずここだけ
合同の証明(m2-10)と同じ 5 部品:どの三角形か → 等しい関係 2 つ(角)or 3 つ(辺の比)に根拠 → 相似条件を言葉で → ∽ で結論 → 示したいことへ。
例題:△ABC で、辺 AB 上に点 D、辺 AC 上に点 E があり、∠ADE = ∠ACB である。△ADE ∽ △ACB を証明せよ。
【証明】
△ADE と △ACB において、
仮定より ∠ADE = ∠ACB …①
共通な角だから ∠DAE = ∠CAB …②
①、②より、2 組の角がそれぞれ等しいので
△ADE ∽ △ACB
注意:対応順が △ADE ∽ △ACB(D ↔ C、E ↔ B)で、△ADE ∽ △ABC ではありません。∠ADE = ∠ACB から D ↔ C と対応させます。角の対応で頂点の順を決めてください。
辺の比を使う証明(①②)
AB = 6、AC = 4、AD = 2、AE = 3(D は AB 上、E は AC 上)のとき、△ADE ∽ △ACB AD : AC = 2 : 4 = 1 : 2、AE : AB = 3 : 6 = 1 : 2、∠A 共通。2 組の辺の比とその間の角。
「辺の比」は、対応する辺どうしで比を作り、等しいことを示します。この例でも対応は D ↔ C、E ↔ B です(AD と AC、AE と AB)。
相似から長さを求める
証明したあと「DE の長さを求めよ」と続くのが定番です。△ADE ∽ △ACB で相似比 1 : 2、BC = 5 なら DE : CB = 1 : 2 → DE = 5/2。
よくある間違い
- 根拠を書かない(「∠A = ∠A」だけ)→ 「共通な角だから」
- 相似条件を「二角相等」と略す → 「2 組の角がそれぞれ等しい」と書く
- 対応順のミス → 角の対応から決める。特に「くるっと回した」相似(△ADE ∽ △ACB)に注意
4. 相似の利用(入口)
ここまでできれば十分(の次)
縮図で高さを測る:木の影の長さ 6 m、同時刻の 1 m の棒の影が 1.5 m → 木の高さ x:x : 6 = 1 : 1.5 → x = 4 m(太陽光は平行なので、影と物で相似な直角三角形ができる)
川幅・建物の高さ:測れない距離を、相似な三角形の比で求める。1/1000 の縮図をかいて測る方法も同じ考えです。
もう一歩(発展):相似の位置・相似の中心
1 点 O から、図形の各頂点への距離を k 倍した点を結ぶと、もとの図形と相似(相似比 1 : k)な図形ができます。この点 O を相似の中心といい、2 つの図形は相似の位置にあるといいます。「相似の位置にある 2 つの図形の対応する辺は平行」という性質は、作図問題(拡大図をかく)で使います。
5. 自己チェック
- ∽ の対応順は、角の対応で決めたか
- 相似比は対応する辺の比か。長さは比例式で求めたか
- 相似条件は「2 組の角」「2 組の辺の比とその間の角」「3 組の辺の比」の言葉で書いたか
- 2 つ目の角は、共通角・対頂角・平行線・直角のどれで見つけたか
- 証明の型(5 部品)を守り、根拠を全部書いたか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m3-11)
関連する単元
- 前提:m1-09 比例式、m2-09 平行線と角、m2-10 合同条件と証明
- 次に進む:m3-12 平行線と線分の比・中点連結定理
- ここで使う考え方が出てくる:m3-13 相似の利用、m3-15 円と相似、m3-17 三平方の定理の利用
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第3学年 B 図形 (1) 図形の相似 ── 「平面図形の相似の意味及び三角形の相似条件」「相似な図形の性質」「三角形の相似条件などを基にして図形の基本的な性質を論理的に確かめること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m3-11/ / 更新 2026-09-12