中2 数学 / 図形 / m2-12

更新 2026-09-12

平行四辺形 ── 性質・条件・特別な平行四辺形

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

平行四辺形は、証明問題の題材として最も出題されやすい図形の 1 つです。「平行四辺形 ABCD」と書かれた瞬間に、対辺が等しい・対辺が平行(錯角)・対角線が中点で交わるを根拠として使えます。「四角形 ○○○○ が平行四辺形であることを証明せよ」は、条件 5 つのどれかを示す問題で、条件を覚えていないと手が出ません。長方形・ひし形・正方形は、平行四辺形に「条件を足した」図形として整理すると混乱しません。


1. 平行四辺形の定義と性質

まずここだけ

2 組の対辺がそれぞれ平行な四角形 といいます(定義)。記号 ▱ABCD

向かい合う辺を 対辺、向かい合う角を 対角 といいます。

    A ────────── D
   /            /
  /            /      AB ∥ DC、AD ∥ BC
 B ────────── C

性質(定理)

  1. 2 組の対辺はそれぞれ等しい(AB = DC、AD = BC)
  2. 2 組の対角はそれぞれ等しい(∠A = ∠C、∠B = ∠D)
  3. 対角線はそれぞれの中点で交わる(AO = CO、BO = DO。O は交点)

さらに、定義から 隣り合う角の和は 180°(AB ∥ DC で同側内角)。

性質①の証明(対角線を引く)

対角線 AC を引く。△ABC と △CDA において、AC は共通、AB ∥ DC より錯角 ∠BAC = ∠DCA、AD ∥ BC より錯角 ∠BCA = ∠DAC。1 組の辺とその両端の角 → △ABC ≡ △CDA → AB = CD、BC = DA。

「平行四辺形に対角線を引くと合同な三角形が 2 つできる」──これが性質の出どころで、証明で対角線を補助線に引く理由でもあります。

角の計算

∠A = 110° の平行四辺形 → ∠C = 110°(対角)、∠B = ∠D = 70°(隣り合う角の和が 180°)

よくある間違い


2. 平行四辺形になるための条件

まずここだけ

四角形が平行四辺形であるといえるのは、次の 5 つのどれか 1 つが成り立つときです。

条件
2 組の対辺がそれぞれ平行(定義)
2 組の対辺がそれぞれ等しい
2 組の対角がそれぞれ等しい
対角線がそれぞれの中点で交わる
1 組の対辺が平行で、その長さが等しい

①〜④は性質の逆(すべて正しい)、⑤は「1 組」だけでよいという便利な条件です。

証明での使い方

「四角形 EBFD が平行四辺形であることを証明せよ」

図の中で、EB と FD について「平行」と「等しい」の両方が言えそうなら⑤、対角線の中点なら④、というように、5 つの中から図に合う条件を選び、それを示すのが手順です。

例:▱ABCD の対角線 BD 上に、BE = DF となる点 E、F をとると、四角形 AECF は平行四辺形

対角線 AC と BD の交点を O とすると、AO = CO(平行四辺形の対角線)。BO = DO で、BE = DF より EO = BO − BE = DO − DF = FO。 対角線 AC、EF がそれぞれの中点 O で交わるので、条件④より四角形 AECF は平行四辺形。

よくある間違い

ここまでできれば十分

性質 3 つを根拠に使え、条件 5 つの中から示すものを選べれば、この単元の中心は合格です。


3. 特別な平行四辺形

まずここだけ

平行四辺形に条件を足すと、長方形・ひし形・正方形になります。

図形定義平行四辺形に足す条件対角線の性質
4 つの角がすべて等しい(90°)1 つの角が 90°長さが等しい
4 つの辺がすべて等しい隣り合う 2 辺が等しい垂直に交わる
4 角が等しく 4 辺が等しい長方形かつひし形等しく、垂直に交わる
   平行四辺形 ──(角が 90°)──→ 長方形 ──┐
       │                               ├──→ 正方形
       └───(辺が等しい)──→ ひし形 ──────┘

すべて平行四辺形の仲間なので、平行四辺形の性質(対辺が等しい・対角線が中点で交わる)はどれにも使えます。

対角線で見分ける

対角線が…図形
中点で交わる平行四辺形
中点で交わり、長さが等しい長方形
中点で交わり、垂直ひし形
中点で交わり、等しく、垂直正方形

「対角線が等しい平行四辺形は長方形」「対角線が垂直な平行四辺形はひし形」は、証明問題で「〜が長方形であることを示せ」のときの締めに使います。

例:ひし形の対角線が垂直である証明

ひし形 ABCD の対角線の交点を O。△ABO と △ADO で、AB = AD(ひし形)、BO = DO(平行四辺形の対角線)、AO 共通。3 組の辺 → 合同 → ∠AOB = ∠AOD。∠AOB + ∠AOD = 180° なので、それぞれ 90°。AC ⊥ BD

よくある間違い


4. 台形

ここまでできれば十分(の次)

1 組の対辺が平行な四角形を台形といい、平行な 2 辺のうち上を上底、下を下底、平行でない 2 辺を脚といいます。脚の長さが等しい台形を等脚台形といい、底角が等しく、対角線の長さが等しい性質があります。

台形は平行四辺形ではありません(平行なのが 1 組だけ)。「四角形が平行四辺形であることを示す」問題で台形の可能性を消すために、条件⑤の「平行かつ等しい」が必要になるわけです。


5. 証明の型(この単元)

もう一歩(発展)

型①:平行四辺形の性質を根拠に、三角形の合同を示す

▱ABCD で、辺 AD、BC 上にそれぞれ AE = CF となる点 E、F をとると、BE = DF △ABE と △CDF において、AB = CD(平行四辺形の対辺)、AE = CF(仮定)、∠A = ∠C(平行四辺形の対角)。2 組の辺とその間の角 → 合同 → BE = DF。

型②:四角形が平行四辺形であることを示す 上の図で、さらに四角形 EBFD が平行四辺形であることを示すなら:ED = AD − AE、BF = BC − CF で、AD = BC、AE = CF より ED = BF。ED ∥ BF(AD ∥ BC の一部)。1 組の対辺が平行で等しい(条件⑤)→ 平行四辺形。

型③:長方形・ひし形であることを示す まず平行四辺形であることを示し(または与えられ)、「対角線が等しい」→ 長方形、「隣り合う辺が等しい」→ ひし形、で締める。

証明で「平行四辺形 ABCD」と書かれたら、使える根拠が 5 つ(AB = DC、AD = BC、∠A = ∠C、∠B = ∠D、対角線の中点、+平行から錯角)あると思って、図に印をつけてから書き始めてください。


6. 自己チェック

  1. 平行四辺形の性質:対辺が等しい・対角が等しい・対角線が中点で交わる、を根拠として書いたか
  2. 平行四辺形であることを示すとき、条件 5 つのどれを示したか明記したか(「1 組の対辺が平行でその長さが等しいので」)
  3. 長方形=対角線が等しい、ひし形=対角線が垂直、を取り違えていないか
  4. 「1 組が平行で別の1 組が等しい」を条件⑤と混同していないか

7. 小テストへ

→ 小テスト(m2-12

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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