中2 数学 / 図形 / m2-11

更新 2026-09-12

二等辺三角形・直角三角形

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

二等辺三角形の「底角が等しい」は、角度の問題・証明の根拠として最も多く使われる性質の1つです。直角三角形の合同条件は、「垂線を引く」型の証明(角の二等分線上の点から 2 辺への距離が等しい、など)で使います。この単元の証明は「二等辺三角形であることを示す」「直角三角形の合同で辺が等しいことを示す」の 2 型に集約されます。


1. 二等辺三角形の定義と性質

まずここだけ

2 つの辺が等しい三角形 といいます(これが )。等しい 2 辺の間の角を 頂角、残りの辺を 底辺、底辺の両端の角を 底角 といいます。

        A  ← 頂角
       /\
      /  \       AB = AC
     /    \
    B──────C  ← 底角 ∠B、∠C
       底辺

性質(定理)

  1. 二等辺三角形の 2 つの底角は等しい
  2. 頂角の二等分線は、底辺を垂直に 2 等分する

証明されて正しいと確かめられた事柄を といいます。定義は「言葉の約束」、定理は「定義から導かれる事実」です。

性質①の証明(頂角の二等分線を引く)

AB = AC の △ABC で、∠A の二等分線と BC の交点を D とする。 △ABD と △ACD において、AB = AC(仮定)、∠BAD = ∠CAD(角の二等分線)、AD は共通。 2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので △ABD ≡ △ACD。よって ∠B = ∠C

同じ合同から BD = CD、∠ADB = ∠ADC = 90° も出るので、性質②(AD ⊥ BC、BD = CD)も同時に示せます。

角の計算での使い方

よくある間違い


2. 二等辺三角形になるための条件(逆)

まずここだけ

性質①の逆:2 つの角が等しい三角形は、二等辺三角形である(等しい 2 角を底角とする)。これも正しい定理です。

「∠B = ∠C ならば AB = AC」──証明問題で「△ABC が二等辺三角形であることを証明せよ」と言われたら、2 つの角が等しいことを示すか、2 つの辺が等しいことを示すかのどちらかです。角で示すほうが、平行線の錯角や合同から角を持ってこられるので使いやすいことが多いです。

AB = AC の二等辺三角形 ABC で、∠B の二等分線と AC の交点を D とする。∠A = 36° のとき、△BCD が二等辺三角形であることを示せ。

∠B = ∠C = (180 − 36)/2 = 72°。∠DBC = 36°。△BCD で ∠BDC = 180 − 36 − 72 = 72° = ∠C。2 角が等しいので BD = BC の二等辺三角形

(この 36°-72°-72° の三角形は「黄金三角形」と呼ばれ、入試の角度問題に繰り返し登場します)


3. 正三角形

まずここだけ

3 辺が等しい三角形(定義)。3 つの角はすべて 60°(性質)。逆に、3 つの角が等しい三角形は正三角形

正三角形は「2 辺が等しい」も満たすので二等辺三角形の一種です。二等辺三角形の性質はすべて正三角形にも使えます。

証明での使い方:「正三角形 ABC」と書いてあったら AB = BC = CA、∠A = ∠B = ∠C = 60° が仮定として使えます(m2-10 型③)。


4. 直角三角形の合同条件

まずここだけ

直角三角形では、直角と向かい合う辺を といいます(最も長い辺)。直角三角形どうしは、次のどちらかで合同です。

直角三角形の合同条件内容
斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しい
斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい

①は、直角 + 鋭角 1 つがわかれば残りの角もわかるので「1 組の辺とその両端の角」に帰着します。②は、三平方の定理(中3)で残りの辺も等しくなることから「3 組の辺」に帰着します。三角形の合同条件 3 つに加えて、直角三角形専用の 2 つ、合わせて 5 つを使い分けます。

使いどころ:垂線がある図

「点 P から 2 辺に垂線を下ろす」「垂線の長さが等しい」という設定では、直角三角形が 2 つできます。

例:∠AOB の二等分線上の点 P から辺 OA、OB に垂線 PC、PD を下ろすと、PC = PD

△POC と △POD において、∠PCO = ∠PDO = 90°、OP は共通(斜辺)、∠POC = ∠POD(角の二等分線)。 斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しいので △POC ≡ △POD。よって PC = PD。

これは m1-13 の「角の二等分線上の点は 2 辺から等しい距離にある」の証明です。

逆の例

点 P から ∠AOB の 2 辺に下ろした垂線 PC、PD の長さが等しいならば、OP は ∠AOB の二等分線

△POC と △POD で、∠C = ∠D = 90°、OP 共通(斜辺)、PC = PD(仮定)。斜辺と他の 1 辺 → 合同 → ∠POC = ∠POD。

よくある間違い

ここまでできれば十分

「二等辺三角形 ⇔ 底角が等しい」を両方向で使え、直角三角形の合同条件 2 つを言えれば、この単元の基本は合格です。


5. 証明の型(この単元)

ここまでできれば十分(の次)

型①:二等辺三角形であることを示す → 合同または平行線の錯角などから 2 つの角が等しいことを示し、「2 つの角が等しいので二等辺三角形」で締める。

AB = AC の △ABC で、BC 上に BD = CE となる点 D、E をとると、△ADE は二等辺三角形

△ABD と △ACE において、AB = AC(仮定)、BD = CE(仮定)、∠B = ∠C(二等辺三角形の底角)。2 組の辺とその間の角 → 合同 → AD = AE。よって二等辺三角形。(こちらは「2 辺が等しい」で締める例)

型②:垂線と直角三角形 → 直角の印を 2 つの三角形につけ、斜辺(共通なことが多い)ともう 1 つ(鋭角か辺)を探す。

型③:二等辺三角形の性質を根拠に使う → 「二等辺三角形の底角は等しいので ∠B = ∠C」と、等しい関係の根拠として使う(m2-10 の根拠一覧)。

もう一歩(発展):定義・定理・逆の整理

内容逆は正しいか
二等辺三角形の定義2 辺が等しい
定理2 辺が等しい → 底角が等しい底角が等しい → 2 辺が等しい正しい
定理正三角形 → 3 角が 60°3 角が等しい → 正三角形正しい
一般合同 → 面積が等しい面積が等しい → 合同正しくない(反例:底辺 4・高さ 3 と底辺 6・高さ 2)

「逆は必ずしも正しくない」(m2-10)。二等辺三角形の性質は逆も正しい珍しい例で、だからこそ両方向で使えます。


6. 自己チェック

  1. 頂角・底辺・底角の位置を、等しい 2 辺から判断したか
  2. 「底角が等しい」を根拠に使うとき、「二等辺三角形の底角は等しいので」と書いたか
  3. 二等辺三角形であることを示すとき、2 角または 2 辺が等しいことを示して締めたか
  4. 直角三角形の合同条件は「斜辺 + 鋭角」か「斜辺 + 他の 1 辺」。斜辺を含めたか

7. 小テストへ

→ 小テスト(m2-11

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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