中2 数学 / データ / m2-14
確率
この単元でできるようになること
- 「同様に確からしい」の意味がわかり、確率を(あることがらの場合の数)÷(すべての場合の数)で求められる
- 樹形図・表を使って、場合の数をもれなく・重なりなく数えられる
- 2 つのさいころ・硬貨・くじ・カードの定番問題が解ける
- 「〜でない確率 = 1 − 〜の確率」を使える
- 「少なくとも 1 つ」「順番を区別するか」の判断ができる
入試での位置づけ
確率は、ほとんどの公立高校入試で小問または大問として出題されやすい分野です。計算自体はやさしく、「すべての場合を正しく数えられるか」が全てです。さいころ 2 個(36 通り)、硬貨 3 枚(8 通り)、カード・くじ(樹形図)の 3 型で大半をカバーできます。「順番を区別するかどうか」で数え方が変わるところが最大の落とし穴です。
1. 確率の求め方
まずここだけ
起こりうるすべての場合が n 通りあって、どの場合も同じ程度に起こると考えられる()とき、ことがら A が起こる場合が a 通りなら
A の起こる確率 p = a / n
- さいころを 1 回投げて 3 の目が出る確率:n = 6、a = 1 → 1/6
- さいころで偶数の目が出る確率:a = 3(2、4、6)→ 3/6 = 1/2
- 硬貨 1 枚で表が出る確率:1/2
確率は 0 以上 1 以下。必ず起こることの確率は 1、決して起こらないことの確率は 0。
「同様に確からしい」が崩れる例
「明日雨が降るか降らないか、2 通りだから確率 1/2」は誤りです。2 通りが同じ程度に起こるとはいえません。さいころの目や硬貨の表裏のように、どれも同じ程度に出ると考えてよいときだけ、上の式が使えます(画びょうの向きも同様に確からしくないので、m1-18 の実験による相対度数で見積もります)。
よくある間違い
- 確率が 1 を超える答えを出す → a ≦ n のはず。数え方を見直す
- 「起こるか起こらないかの 2 通り」で 1/2 とする → 同様に確からしいかを確認
2. 場合の数を数える ── 樹形図と表
まずここだけ
すべての場合をもれなく・重なりなく数えるための道具が と表です。
硬貨 3 枚を投げる(樹形図)
1枚目 2枚目 3枚目
┌ 表 ─┬ 表
│ └ 裏
表 ──┤
└ 裏 ─┬ 表
└ 裏
┌ 表 ─┬ 表
│ └ 裏
裏 ──┤
└ 裏 ─┬ 表
└ 裏
全部で 8 通り(2 × 2 × 2)。「表が 2 枚出る」のは 表表裏・表裏表・裏表表 の 3 通り → 確率 3/8。
さいころ 2 個(表)
| 大\小 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
全部で 36 通り(6 × 6)。この表(目の和)を見れば
- 和が 7 になる確率:7 が 6 個 → 6/36 = 1/6
- 和が 10 以上:10 が 3 個、11 が 2 個、12 が 1 個 → 6/36 = 1/6
- 同じ目が出る(ぞろ目):対角線の 6 個 → 1/6
- 少なくとも一方が 6:6 の行 6 個 + 6 の列 6 個 − 重なり 1 個 = 11 → 11/36
さいころ 2 個は、まず 36 マスの表を書く。目の和・積・差など、問題に合わせて中身を書き換えます。
大小を区別する
さいころ 2 個で「(大, 小) = (1, 2)」と「(2, 1)」は別の場合です。区別しないと、ぞろ目とそうでない目で起こりやすさが違ってしまい、同様に確からしくなくなります。同じ形のさいころ 2 個でも、必ず区別して 36 通りで数えます。硬貨も同様に 2 枚なら 4 通り(表表・表裏・裏表・裏裏)。
よくある間違い
- 硬貨 2 枚を「表表・表裏・裏裏の 3 通り」とする → 表裏と裏表を区別して 4 通り。表 1 枚裏 1 枚の確率は 2/4 = 1/2(1/3 ではない)
- さいころの和で「7 になる組は (1,6)(2,5)(3,4) の 3 通り」とする → 逆順も数えて 6 通り
- 樹形図の枝を途中で省く → 同じ形でも全部かく(あとで数え間違える)
ここまでできれば十分
樹形図・36 マスの表で全部の場合を数え、a/n で確率が出せれば、この単元の基本は合格です。
3. くじ・カード・玉の問題
順に取り出す(戻さない)
赤玉 2 個、白玉 3 個が入った袋から、続けて 2 個取り出す。2 個とも白の確率
玉を区別して 赤1、赤2、白1、白2、白3 とする。1 個目 5 通り、2 個目 4 通りで 20 通り(樹形図)。2 個とも白は、1 個目が白 3 通り × 2 個目が残りの白 2 通り = 6 通り。確率 6/20 = 3/10。
同じ色の玉でも 1 つずつ区別して数えるのがポイントです。区別しないと同様に確からしくなくなります。
同時に取り出す
上と同じ袋から、同時に 2 個取り出す。2 個とも白の確率
「同時に」は順番がないので、{白1, 白2} と {白2, 白1} は同じ。全部で 20 ÷ 2 = 10 通り、2 個とも白は 6 ÷ 2 = 3 通り。確率 3/10。
順番を区別しても(20 通り中 6 通り)、区別しなくても(10 通り中 3 通り)、確率は同じになります。分子と分母を同じ基準で数えればよい、ということです。迷ったら順番を区別して数える(樹形図がかきやすい)のが安全です。
くじ引きの順番
当たり 2 本、はずれ 3 本のくじを、A、B の順に 1 本ずつ引く(戻さない)。B が当たる確率
全 5 × 4 = 20 通り。B が当たるのは、(A 当・B 当) 2 × 1 = 2 通り、(A はず・B 当) 3 × 2 = 6 通りで 8 通り → 8/20 = 2/5。 A が当たる確率も 2/5。くじは引く順番によって有利不利がない、という有名な結果です。
カードで整数を作る
1、2、3、4 のカードから 2 枚を並べて 2 けたの整数を作る。偶数になる確率
全 4 × 3 = 12 通り。偶数は一の位が 2 か 4:一の位 2 通り × 十の位 3 通り = 6 通り → 6/12 = 1/2。
「並べる」は順番を区別(12 通り)、「選ぶ」は区別しない(6 通り)。問題文の動詞で判断します。
4. 余事象 ── 「〜でない」確率
ここまでできれば十分(の次)
ことがら A が起こらない確率は
(A が起こらない確率)= 1 −(A が起こる確率)
さいころ 2 個で「少なくとも一方が 6」の確率は、「両方とも 6 でない」(5 × 5 = 25 通り)の余りとして 1 − 25/36 = 11/36(上の表で数えた結果と一致)。
「少なくとも 1 つ」「〜以上」「〜でない」と問われたら、反対側を数えて 1 から引くほうが速いことが多いです。
例
- 硬貨 3 枚で「少なくとも 1 枚表」→ 全部裏は 1 通り → 1 − 1/8 = 7/8
- さいころ 2 個で「和が 4 以上」→ 和が 3 以下は (1,1)(1,2)(2,1) の 3 通り → 1 − 3/36 = 33/36 = 11/12
もう一歩(発展):確率と割合の違い・期待
「当たる確率 1/5 のくじを 5 回引けば 1 回は当たる」は誤りです。確率は「多数回で近づく割合」(m1-18)であって、少ない回数での保証ではありません。5 回とも外れる確率は (4/5)⁵ ≒ 0.33 で、3 割は 1 回も当たりません。入試の記述で「確率 1/6 とはどういう意味か」を説明させる問題があり、「必ず 6 回に 1 回出る」と書くと誤りになります。
5. 自己チェック
- すべての場合は同様に確からしいか(さいころ・硬貨・区別した玉)
- さいころ 2 個は 36、硬貨 n 枚は 2ⁿ、玉やくじは区別して樹形図
- 「並べる」は順番を区別、「同時に・選ぶ」は区別しない(分子分母を同じ基準で)
- 「少なくとも」「〜でない」は 1 − 反対の確率 を検討したか
- 答えは約分したか、0 以上 1 以下か
6. 小テストへ
→ 小テスト(m2-14)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 D データの活用 (2) 不確定な事象の起こりやすさ ── 「多数の観察や多数回の試行によって得られる確率と場合の数を基にして得られる確率の関係」「簡単な場合について確率を求めること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m2-14/ / 更新 2026-09-12