中3 数学 / 数と式 / m3-03

更新 2026-09-12

式の計算の利用 ── 展開・因数分解を使う

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「式の計算の利用」は、計算問題というより記述の説明問題として出題されやすい単元です。m2-03(文字式の利用)の型に、展開・因数分解の道具が加わりました。「〜の倍数になることを説明せよ」「面積の差を求めよ」が中心で、因数分解して「k × (整数)」の形を作る展開して整理してから代入するの 2 つの型を押さえれば得点できます。


1. 数の計算の工夫

まずここだけ

計算使う公式計算
103²(x + a)²(100 + 3)² = 10000 + 600 + 9 = 10609
97²(x − a)²(100 − 3)² = 10000 − 600 + 9 = 9409
102 × 98(x + a)(x − a)(100 + 2)(100 − 2) = 10000 − 4 = 9996
63² − 37²因数分解(63 + 37)(63 − 37) = 100 × 26 = 2600
25 × 3.14 − 15 × 3.14共通因数3.14 × (25 − 15) = 31.4

「工夫して計算」と指示されたら、100・50 など切りのよい数を作るか、2 乗の差・共通因数でまとめるかのどちらかです。


2. 式の値 ── 先に整理する

まずここだけ

x = 27 のとき、x² − 4x + 4 の値

そのまま代入すると 729 − 108 + 4 = 625 で計算が重い。因数分解してから:x² − 4x + 4 = (x − 2)² = 25² = 625

a = 3.5、b = 1.5 のとき、a² − b² の値

(a + b)(a − b) = 5 × 2 = 10

x = 3、y = −2 のとき、(x + y)² − (x − y)² の値

展開して整理:(x² + 2xy + y²) − (x² − 2xy + y²) = 4xy = 4 × 3 × (−2) = −24

「式の値」では、代入する前に因数分解・展開で式を簡単にするのが定石です(m2-02 と同じ考え方)。

よくある間違い


3. 整数の性質の説明

まずここだけ

m2-03 の 4 段の型(文字でおく → 計算 → 結論の形に整える → 結論)に、展開・因数分解が加わります。

例①:連続する 2 つの整数の 2 乗の和は奇数

n、n + 1 とする。n² + (n + 1)² = n² + n² + 2n + 1 = 2n² + 2n + 1 = 2(n² + n) + 1 n² + n は整数なので、2 × (整数) + 1 は奇数。

例②:連続する 2 つの偶数の積に 1 を加えると、奇数の 2 乗になる

2n、2n + 2 とする。2n(2n + 2) + 1 = 4n² + 4n + 1 = (2n + 1)² 2n + 1 は奇数なので、奇数の 2 乗である。

例③:2 けたの自然数と、その一の位と十の位を入れかえた数の 2 乗の差は 99 の倍数

十の位 a、一の位 b。もとの数 10a + b、入れかえた数 10b + a。 (10a + b)² − (10b + a)² = {(10a + b) + (10b + a)}{(10a + b) − (10b + a)} = (11a + 11b)(9a − 9b) = 99(a + b)(a − b) (a + b)(a − b) は整数なので 99 の倍数。

例③のように、2 乗の差は展開せずに因数分解(和と差の積)するほうが速い。展開すると 100a² + 20ab + b² − … と項が多くなります。

例④:中央の数を使う

連続する 3 つの整数で、真ん中の数の 2 乗から、両端の数の積をひくと 1 になる

真ん中を n とおく。n² − (n − 1)(n + 1) = n² − (n² − 1) = 1 「真ん中を n」とおくと、両端が n − 1、n + 1 となり、和と差の積が使えます。

よくある間違い

ここまでできれば十分

「2 乗の差 → 和と差の積」「結論の形(k × 整数、(奇数)²)に整える」ができれば、この単元の記述は合格です。


4. 図形への利用

ここまでできれば十分(の次)

例:道の面積

1 辺 a m の正方形の土地の周りに、幅 b m の道がある。道の面積 S は S = (a + 2b)² − a² = (a + 2b + a)(a + 2b − a) = (2a + 2b)(2b) = 4b(a + b) 道の真ん中を通る線の長さ ℓ = 4(a + b)(1 辺 a + b の正方形の周)。よって S = bℓ

例:円の道

半径 r m の円形の池の周りに幅 a m の道がある(m2-03 でも扱った)。 S = π(r + a)² − πr² = π{(r + a)² − r²} = π(2r + a)(a) = πa(2r + a) 真ん中の円周 ℓ = 2π(r + a/2) = π(2r + a)。よって S = aℓ。

「大きい図形 − 小さい図形」を、共通因数と 2 乗の差で因数分解するのが図形型の定石です。

例:長方形の辺をのばす

縦 x、横 y の長方形の縦を 3 のばし、横を 3 縮めると面積はどう変わるか。 (x + 3)(y − 3) − xy = xy − 3x + 3y − 9 − xy = −3x + 3y − 9 = 3(y − x − 3) y − x − 3 の正負で増減が決まる(y > x + 3 なら増える)。

もう一歩(発展):説明問題の書き方チェック

入試の記述では、次の 3 点で部分点がつきます。

  1. 文字のおき方(「n を整数として」「十の位を a、一の位を b とすると」)
  2. 計算(展開・因数分解が正しい)
  3. 結論の形と一言(「(a + b)(a − b) は整数なので 99 の倍数」)

計算に自信がなくても、1 と 3 の形を書くだけで点が入ります。「99(a + b)(a − b)」の形にすることが目標だと分かっていれば、逆算で計算を確かめることもできます。


5. 自己チェック

  1. 数の計算:100 や 50 を作ったか、2 乗の差・共通因数でまとめたか
  2. 式の値:代入の前に因数分解・展開で簡単にしたか
  3. 説明:文字のおき方を書き、結論の形(k × 整数、(2n + 1)²)まで整えたか
  4. 2 乗の差は展開でなく因数分解したか
  5. 図形:大 − 小 を因数分解し、S = (幅) × (真ん中の長さ) の形が出たか

6. 小テストへ

→ 小テスト(m3-03

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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