中3 数学 / 数と式 / m3-07

更新 2026-09-12

二次方程式の利用

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

二次方程式の文章題は、大問の中の 1 問として出題されやすく、「解が 2 つ出るが、片方は問題に合わない」という解の吟味が採点のポイントになります。式を立てる手順は一次方程式・連立方程式の文章題と同じ(何を x とおくか → 等しい関係 → 解く → 吟味)で、「面積」「連続する整数」「道の幅」の 3 型で大半をカバーできます。


1. 手順と解の吟味

まずここだけ

  1. 求めるものを x とおく(単位つき)
  2. 等しい関係を見つけて方程式を立てる
  3. 二次方程式を解く(解は 2 つ出る)
  4. 解の吟味:問題の条件に合わない解を除く
  5. 単位をつけて答える

二次方程式では、4 の吟味が一次方程式より重要です。「長さが負」「個数が小数」「範囲を超える」解は答えになりません。「x > 0 より x = 5」のように、除いた理由を書くのが記述の型です。

例:ある数

ある正の数を 2 乗すると、もとの数の 3 倍より 10 大きくなる。この数を求めよ。

x² = 3x + 10 → x² − 3x − 10 = 0 → (x − 5)(x + 2) = 0 → x = 5, −2 x は正の数なので x = 5。答え:5


2. 整数の問題

まずここだけ

連続する 2 つの正の整数があり、それぞれの 2 乗の和は 85 である。2 つの整数を求めよ。

小さいほうを x(x > 0)。x² + (x + 1)² = 85 → 2x² + 2x + 1 = 85 → 2x² + 2x − 84 = 0 → x² + x − 42 = 0 → (x + 7)(x − 6) = 0 → x = 6, −7 x > 0 より x = 6。答え:6 と 7(36 + 49 = 85 ✓)

連続する 3 つの自然数があり、最も大きい数の 2 乗は、他の 2 数の積より 41 大きい。

真ん中を x:(x + 1)² = (x − 1)x + 41 → x² + 2x + 1 = x² − x + 41 → 3x = 40 …これは一次方程式になる例。式を立てたら「本当に二次か」を見て、一次になったらそのまま解きます。

よくある間違い


3. 面積の問題

まずここだけ

縦が横より 3 cm 短い長方形があり、面積は 40 cm²。縦の長さを求めよ。

縦を x cm とすると横は x + 3 cm。x(x + 3) = 40 → x² + 3x − 40 = 0 → (x + 8)(x − 5) = 0 → x = 5, −8 x > 0 より x = 5。答え:5 cm(横 8 cm、5 × 8 = 40 ✓)

正方形の 1 辺を 2 cm 長くしたら、面積が 32 cm² 増えた。もとの 1 辺を求めよ。

もとの 1 辺 x:(x + 2)² − x² = 32 → 4x + 4 = 32 → x = 7(一次になる例)。答え:7 cm

1 辺 x cm の正方形の紙の四隅から 1 辺 2 cm の正方形を切り取り、ふたのない箱を作ったら、底面積が 64 cm² になった。

底面は 1 辺 (x − 4) の正方形:(x − 4)² = 64 → x − 4 = ±8 → x = 12, −4 → x > 4 より x = 12。答え:12 cm

最後の例は「x > 0」だけでなく、「x − 4 > 0」(切り取ったあとに底が残る)という条件で吟味します。何が正でなければならないかを問題ごとに考えます。

道の幅

縦 10 m、横 15 m の長方形の土地に、縦・横に同じ幅の道を 1 本ずつ作り、残りの面積を 104 m² にしたい。道の幅を求めよ。

道の幅 x。道を端に寄せて考えると、残りは縦 (10 − x)、横 (15 − x) の長方形:(10 − x)(15 − x) = 104 → 150 − 25x + x² = 104 → x² − 25x + 46 = 0 → (x − 2)(x − 23) = 0 → x = 2, 23 0 < x < 10 より x = 2。答え:2 m

「道を端に寄せる」と、残りの部分が 1 つの長方形にまとまり、式が簡単になります。道が何本あっても、同じ向きの道は 1 本にまとめて端に寄せられます。

よくある間違い

ここまでできれば十分

長方形の面積・連続する整数・道の幅の 3 型で式を立て、解を吟味して答えられれば、この単元の中心は合格です。


4. 動点の問題

ここまでできれば十分(の次)

直角三角形 ABC(∠C = 90°、AC = 12 cm、BC = 12 cm)で、点 P は A を出発して AC 上を毎秒 1 cm で C へ、点 Q は C を出発して CB 上を毎秒 2 cm で B へ、同時に動く。△PCQ の面積が 16 cm² になるのは何秒後か。

x 秒後:PC = 12 − x、CQ = 2x。面積 = (1/2)(12 − x)(2x) = (12 − x)x = 16 → 12x − x² = 16 → x² − 12x + 16 = 0 → 解の公式:x = 6 ± √20 = 6 ± 2√5 0 ≦ x ≦ 6(Q が B に着くまで)なので、6 + 2√5 ≒ 10.5 は範囲外。x = 6 − 2√5(≒ 1.5)。答え:(6 − 2√5) 秒後

動点では、x の変域(点がどこまで動けるか)で吟味します。解が √ を含んでも、近似値で範囲に入るかを確かめます。


5. その他の型

もう一歩(発展)

値段と売上:1 個 100 円で 1 日 300 個売れる商品を、1 円値上げするごとに 2 個売れなくなる。売上を 31200 円にするには何円値上げすればよいか。 x 円値上げ:(100 + x)(300 − 2x) = 31200 → 30000 + 100x − 2x² = 31200 → 2x² − 100x + 1200 = 0 → x² − 50x + 600 = 0 → (x − 20)(x − 30) = 0 → x = 20, 30(両方が条件に合う。答えは 2 つ)

解が 2 つとも答えになることもある。「吟味」は機械的に片方を捨てることではなく、条件に照らして判断することです。

関数との融合:y = x² のグラフ上の点 P(t, t²) と原点、点 (4, 0) で作る三角形の面積が 18 になる t(t > 0)。(1/2) × 4 × t² = 18 → t² = 9 → t = 3。m3-10 で扱います。


6. 自己チェック

  1. 何を x とおいたか、単位つきで書いたか
  2. 等しい関係を式にしたか(面積 = 縦 × 横、和・積の関係)
  3. 解は 2 つ出したか。一次方程式になったらそのまま解いたか
  4. 吟味の条件(x > 0、x − 4 > 0、0 ≦ x ≦ 6 など)を問題に合わせて書いたか
  5. 2 つとも答えになる場合を見落としていないか

7. 小テストへ

→ 小テスト(m3-07

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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