中1 数学 / 数と式 / m1-09

更新 2026-09-12

一次方程式の利用 ── 文章題・比例式

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

方程式の文章題は出題されやすく、配点も計算問題より大きいことが多い分野です。中2の連立方程式・中3の二次方程式の文章題も、「x とおく → 等しい関係を式にする」の手順はまったく同じなので、ここで型を身につけると3年分の文章題に通用します。式が立てられない人の多くは、方程式の解き方ではなく、m1-07 でやった「等しいものを2つ見つける」で止まっています。


1. 文章題の手順 ── 5つのステップ

まずここだけ

どんな文章題も、次の5ステップで解きます。

  1. 何を x とおくか決める(ふつうは「求めたいもの」)
  2. 等しい2つの量を見つけて、それぞれ x の式で表す
  3. = でつないで方程式にする
  4. 方程式を解く
  5. 解が問題に合っているか確かめて、単位をつけて答える

ステップ 2 が本体です。「何と何が等しいのか」を日本語で言えれば、式は立ちます。

例:代金の問題

1個 120 円のりんごと 1個 80 円のみかんを合わせて 10 個買ったら、代金は 1000 円だった。りんごは何個買ったか。

  1. りんごの個数を x 個 とおく。すると、みかんは (10 − x) 個
  2. 等しい2つ:「りんごの代金 + みかんの代金」と「1000 円」   りんごの代金 = 120x、みかんの代金 = 80(10 − x)
  3. 120x + 80(10 − x) = 1000
  4. 120x + 800 − 80x = 1000 → 40x = 200 → x = 5
  5. りんご 5 個、みかん 5 個。代金 600 + 400 = 1000 円で合っている。答え:5 個

よくある間違い


2. よく出る型

型①:過不足の問題

何人かの子どもにあめを配る。1人に 4 個ずつ配ると 6 個余り、1人に 5 個ずつ配ると 2 個足りない。子どもは何人か。

等しいもの:あめの総数(配り方が変わっても、あめの数は同じ)

答え:8 人(あめは 38 個。4 × 8 + 6 = 38、5 × 8 − 2 = 38 で一致)

「余る」は +、「足りない」は − です。「5 個ずつ配ると 2 個足りない」は「あめが 5x 個あれば足りたが、実際は 2 個少ない 5x − 2 個」という意味です。

型②:速さの問題

家から駅まで、行きは分速 60 m で歩き、帰りは分速 90 m で走ったら、往復で 25 分かかった。家から駅までの道のりは何 m か。

等しいもの:行きの時間 + 帰りの時間 = 25 分

答え:900 m(行き 15 分 + 帰り 10 分 = 25 分で一致)

速さの問題は「時間で等式を作る」か「道のりで等式を作る」のどちらかです。「往復で○分」なら時間、「追いつく」「出会う」なら道のりで作るのが基本です。

型③:追いつく問題

弟が分速 60 m で家を出た 10 分後に、兄が分速 90 m で同じ道を追いかけた。兄は何分後に弟に追いつくか。

等しいもの:追いついた時点で、2人の進んだ道のりが同じ

答え:20 分後(兄 1800 m、弟 60 × 30 = 1800 m で一致)

型④:年齢の問題

現在、母は 38 歳、子は 10 歳。母の年齢が子の年齢の 3 倍になるのは何年後か。

等しいもの:(x 年後の母の年齢)=(x 年後の子の年齢)× 3

答え:4 年後(母 42、子 14。42 = 14 × 3 で一致)

型⑤:割合の問題

ある品物に原価の 3 割の利益を見込んで定価をつけたが、売れないので定価の 2 割引きで売ったら、利益は 80 円だった。原価はいくらか。

答え:2000 円(定価 2600、売値 2080、利益 80 で一致)

「3 割」= 0.3、「2 割引き」= 0.8 倍。割合は小数に直してから式にします。

ここまでできれば十分

型①〜③(代金・過不足・速さ)が自力で立式できれば、中1の文章題の中心は押さえています。④⑤は同じ手順の応用です。


3. 比例式

まずここだけ

a : b = c : d のように、2つの比が等しいことを表した式を といいます。比例式には次の性質があります。

a : b = c : d ならば、ad = bc(外側どうしの積 = 内側どうしの積)

これを使うと、比例式は一次方程式に直せます。

x : 6 = 5 : 3 → 3x = 30(外側 x と 3、内側 6 と 5)→ x = 10

なぜ ad = bc になるのか

a : b = c : d は「a/b = c/d」と同じ意味です(比の値が等しい)。両辺に bd をかけると ad = bc。分数の方程式を分母をはらったのと同じことです。

比例式ad = bc
x : 4 = 3 : 22x = 12x = 6
8 : x = 4 : 324 = 4xx = 6
(x + 2) : 3 = 4 : 1x + 2 = 12x = 10
2 : 5 = x : 2040 = 5xx = 8

比例式の文章題

コーヒーとミルクを 5 : 2 の割合で混ぜる。コーヒーを 300 mL 使うとき、ミルクは何 mL か。

ミルクを x mL とおくと 5 : 2 = 300 : x → 5x = 600 → x = 120答え:120 mL

「同じ割合」「同じ比で」という言葉が出たら、比例式が使えます。

よくある間違い

もう一歩(発展):解の吟味

方程式を解いて出た数が、問題の答えとして意味を持つかを確かめることを「解の吟味」といいます。

「方程式の解」と「問題の答え」は別物です。方程式は正しく解けても、問題の条件に合わなければ答えにはなりません。入試の記述では「x = 5 はこの問題に適している」と一言書く型もあります。


4. 自己チェック

  1. 何を x とおいたか、単位つきで書いたか(x 個、x 分、x 円)
  2. 等しい2つの量を日本語で言えるか
  3. 「余る」は +、「足りない」は − にしたか
  4. 速さ:時間 = 道のり ÷ 速さ、道のり = 速さ × 時間 になっているか。単位(分と時間、m と km)はそろっているか
  5. 解を問題文に戻して確かめたか。答えに単位をつけたか

5. 小テストへ

→ 小テスト(m1-09

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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