中1 社会 / 歴史 / h-05
室町・戦国時代
この単元でできるようになること
- 建武の新政(後醍醐天皇)の失敗 → 南北朝の動乱(足利尊氏・北朝と吉野の南朝)→ 足利義満による合一(1392)と室町幕府のしくみ(管領・守護大名)を説明できる
- 勘合貿易(日明貿易)と倭寇、琉球王国・アイヌとの交易、朝鮮(ハングル)との関係がわかる
- 惣(村の自治)・土一揆・正長の土一揆・山城国一揆・加賀の一向一揆、商業の発達(座・馬借・土倉・六斎市・明銭)を説明できる
- 応仁の乱(1467)→ 下剋上・戦国大名(分国法・城下町)の登場を説明できる
- 北山文化(金閣・能)と東山文化(銀閣・書院造・水墨画・茶の湯・生け花)、民衆の文化(狂言・御伽草子)を区別できる
入試での位置づけ
勘合貿易のしくみ(なぜ勘合を使ったか=倭寇と区別)、惣と一揆(正長の土一揆の碑文)、応仁の乱と下剋上、北山・東山文化の区別(金閣=義満・北山、銀閣=義政・東山・書院造)が定番。建武の新政が短期間で終わった理由(武士の不満)も記述で出ます。
1. 建武の新政と南北朝
まずここだけ
- 1333 年 鎌倉幕府滅亡 → 後醍醐天皇が建武の新政(天皇中心・公家重視)→ 武士の不満(恩賞の不公平)→ 2 年余りで崩壊。
- 足利尊氏が京都に別の天皇(北朝)を立てる → 後醍醐天皇は吉野(奈良)に逃れて南朝 → 南北朝の動乱(約 60 年)。
- 1338 年 足利尊氏が征夷大将軍 → 室町幕府(京都・室町に御所「花の御所」)。
- 1392 年 3 代将軍 足利義満が南北朝を合一。義満は太政大臣にもなり、幕府の全盛期。
室町幕府のしくみ:将軍の補佐は管領(細川・斯波・畠山の三管領)、侍所の長官(四職)。地方は守護が力を強め、守護大名(一国を支配・半済令で荘園の年貢の半分)。鎌倉府。幕府の財源は土倉・酒屋への課税、関所、日明貿易の利益。
2. 東アジアとの交流
まずここだけ
- 倭寇:朝鮮半島や中国沿岸をおそった海賊(西日本の武士・商人ら)。明・朝鮮が取り締まりを要求。
- 日明貿易(勘合貿易):1404 年 足利義満が明(1368 年建国)と国交。勘合(合い札)を使って正式な貿易船と倭寇を区別。日本は銅銭(明銭:永楽通宝)・生糸・絹織物・書画を輸入、銅・硫黄・刀剣・扇を輸出。朝貢形式。のちに細川氏(堺)と大内氏(博多)が実権 → 大内氏滅亡で断絶(1551)。
- 朝鮮:1392 年 李成桂が高麗を倒して建国。ハングル(15 世紀)。木綿を輸入。
- 琉球王国:1429 年 尚巴志が統一(首里城)。中継貿易(明・日本・東南アジアを結ぶ)で栄える。
- 蝦夷地(北海道):アイヌの人々が交易。和人の進出で 1457 年 コシャマインの戦い。
3. 民衆の成長と一揆
まずここだけ
産業:二毛作の拡大・水車・牛馬耕・手工業(西陣織・陶器)・六斎市(月 6 回)・座(同業組合・公家や寺社に税を納め独占権)・土倉・酒屋(高利貸し)・馬借・車借(運送)・問(問屋)・明銭の流通・関所(通行税)。
惣(惣村):農民が自治を行う村。寄合で村のおきてを決め、用水・山林を共同管理、年貢の納入を請け負う。団結して領主に抵抗 → 一揆。
| 一揆 | 年 | 内容 |
|---|---|---|
| 正長の土一揆 | 1428 | 近江の馬借から始まり、徳政(借金の帳消し)を求めて土倉・酒屋を襲う。「正長元年ヨリサキ者カンヘ四カンカウニヲヰメアルヘカラス」(奈良・柳生の碑文)=最初の大規模な土一揆 |
| 山城国一揆 | 1485 | 国人(地方武士)と農民が守護の畠山氏を追い出し 8 年間自治 |
| 加賀の一向一揆 | 1488 | 浄土真宗(一向宗)の信徒が守護の富樫氏を倒し、約 100 年間自治 |
町の自治:堺(会合衆)・博多・京都(町衆・祇園祭の復活)。
4. 応仁の乱と戦国大名
ここまでできれば十分
- 1467〜77 年 応仁の乱:8 代将軍足利義政の後継争い(弟義視 vs 子義尚・日野富子)+管領家(細川勝元 vs 山名宗全)の争い → 全国の守護大名が東西に分かれて京都で 11 年間戦う → 京都は荒廃、幕府の権威は失墜、足軽の登場。
- 下剋上:身分の下の者が上の者を倒す風潮 → 戦国大名(守護代や国人から成長:北条早雲・斎藤道三・毛利元就・武田信玄・上杉謙信・今川義元・島津など)。
- 戦国大名の支配:分国法(今川仮名目録・甲州法度之次第・塵芥集:家臣統制・けんか両成敗)、城下町(家臣・商人を集める)、鉱山開発(石見銀山・甲州金)、治水(信玄堤)、楽市。戦国時代(〜1573 年室町幕府滅亡・1590 年統一)。
5. 室町文化
ここまでできれば十分
公家文化と武家文化の融合、禅宗の影響、民衆への広がり。
| 北山文化(義満・14 世紀末〜15 世紀初) | 東山文化(義政・15 世紀後半) | |
|---|---|---|
| 建築 | 金閣(鹿苑寺・公家の寝殿造+禅宗) | 銀閣(慈照寺)・東求堂同仁斎=書院造(床の間・ふすま・畳・明かり障子→ 和室のもと) |
| 芸能 | 能(能楽):観阿弥・世阿弥(義満の保護・『風姿花伝』) | 茶の湯(村田珠光 → のち千利休)、生け花(花道)、連歌(宗祇) |
| 絵画 | 水墨画:雪舟(『秋冬山水図』)、枯山水(竜安寺・大徳寺大仙院の石庭) |






民衆の文化:狂言(能の合間・こっけい)、御伽草子(一寸法師・浦島太郎)、盆踊り、祇園祭の復活、足利学校(下野・坂東の大学)、連歌。
6. よくある間違い
- 建武の新政を足利尊氏(後醍醐天皇。尊氏は北朝を立てて幕府を開く)
- 南朝を京都、北朝を吉野(南朝=吉野、北朝=京都)
- 勘合貿易の相手を宋・元(明)/目的を「朝鮮と区別」(倭寇と区別)
- 正長の土一揆の年を 1467(1428。1467 は応仁の乱)
- 金閣と銀閣の将軍・文化(金閣=義満・北山、銀閣=義政・東山)
- 書院造を平安(室町・東山文化。平安は寝殿造)
- 能の大成者を雪舟(観阿弥・世阿弥。雪舟は水墨画)
- 応仁の乱の戦場を全国(京都が中心)
7. 自己チェック
- 建武の新政(後醍醐)失敗 → 南北朝(吉野 vs 京都)→ 1338 室町幕府 → 1392 義満が合一
- 勘合貿易(1404・明・倭寇と区別・明銭)、朝鮮(ハングル)、琉球(中継貿易)、アイヌ
- 惣・寄合・土一揆(1428 正長)・山城国一揆・加賀の一向一揆。六斎市・座・土倉・馬借
- 1467 応仁の乱(義政・後継争い・京都荒廃)→ 下剋上 → 戦国大名(分国法・城下町)
- 北山(金閣・能)/東山(銀閣・書院造・水墨画雪舟・茶の湯・枯山水)
8. 小テストへ
→ 小テスト(h-05)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』── 歴史的分野「B (2) 中世の日本(武家政治の展開と東アジアの動き・民衆の成長と新たな文化)」
- 京都市「応仁の乱」・奈良市「正長元年柳生の徳政碑文」(史跡解説)
- 鹿苑寺(金閣)・慈照寺(銀閣)公式サイト── 建立年と様式
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/social/h-05/ / 更新 2026-09-12