中2 社会 / 歴史 / h-12
世界史(ルネサンス・市民革命・産業革命)
この単元でできるようになること
- 中世ヨーロッパ(キリスト教・十字軍)とイスラム世界、ルネサンス(イタリア・レオナルド・ダ・ビンチ・ミケランジェロ・活版印刷)、宗教改革(ルター・カルバン・イエズス会)、大航海時代(コロンブス・バスコ・ダ・ガマ・マゼラン・アメリカ大陸の征服)を説明できる
- 市民革命の流れ(イギリス:ピューリタン革命・名誉革命・権利章典/アメリカ独立革命 1776・独立宣言・ワシントン/フランス革命 1789・人権宣言・ナポレオン)と啓蒙思想(ロック・モンテスキュー・ルソー)がわかる
- 産業革命(18 世紀後半イギリス・蒸気機関・ワット・資本主義と社会主義(マルクス)・労働問題)と帝国主義(アジア・アフリカの植民地化・アヘン戦争 1840・インド大反乱・南北戦争とリンカン)を説明できる
入試での位置づけ
三大市民革命の比較(国・年・文書・指導者)、啓蒙思想家と著書、産業革命がイギリスで始まった理由と影響、アヘン戦争が日本に与えた影響が定番。日本史との同時代対応(ルネサンス=室町、フランス革命=江戸後期・寛政、アヘン戦争=天保)も問われます。
1. ルネサンス・宗教改革・大航海時代
まずここだけ
中世ヨーロッパ:ローマ教皇を頂点とするキリスト教(カトリック)の世界。十字軍(11〜13 世紀・イスラム勢力からエルサレム奪回をめざすが失敗 → 教皇の権威低下・東方との交流で商業発達)。
イスラム世界:7 世紀にムハンマドが創始、西アジア〜北アフリカ〜スペインへ。ギリシャの学問を受け継ぎ発展(数学・医学・天文学)→ ヨーロッパへ逆輸入。オスマン帝国(1453 年ビザンツ帝国を滅ぼす)。
| 動き | 内容 |
|---|---|
| ルネサンス(文芸復興)(14〜16 世紀・イタリアから) | 古代ギリシャ・ローマの文化を手本に人間らしさを重視。レオナルド・ダ・ビンチ(『モナ・リザ』『最後の晩餐』)、ミケランジェロ(『ダビデ像』)、ラファエロ、活版印刷(グーテンベルク)、火薬・羅針盤の改良、地動説(コペルニクス・ガリレイ)、ダンテ・シェークスピア |
| 宗教改革(1517〜) | ルター(ドイツ・95 か条の論題・免罪符批判・聖書中心)、カルバン(スイス・予定説・勤労と蓄財を肯定 → 商工業者に広がる)→ プロテスタント(抗議する者)。対抗してカトリックはイエズス会(ザビエル・ロヨラ)が海外布教 → 日本へ |
| 大航海時代(15 世紀末〜) | 香辛料・キリスト教布教・オスマン帝国が陸路をふさぐ。コロンブス(1492・スペイン・西インド諸島)、バスコ・ダ・ガマ(1498・ポルトガル・インド航路)、マゼラン一行(1522・世界一周)。スペインがアステカ・インカ帝国を征服、銀の流入、奴隷貿易(アフリカ → アメリカ)。ポルトガルはアジアへ(→ 日本に鉄砲・キリスト教) |


2. 市民革命と啓蒙思想
まずここだけ
絶対王政(国王が強い権力・ルイ 14 世「太陽王」・エリザベス 1 世)→ 商工業で力をつけた市民(ブルジョワ)が政治参加を求める → 市民革命。
啓蒙思想(理性で社会を考える):
| 人物 | 著書 | 主張 |
|---|---|---|
| ロック(英) | 『統治二論』 | 社会契約・抵抗権 |
| モンテスキュー(仏) | 『法の精神』 | 三権分立 |
| ルソー(仏) | 『社会契約論』 | 人民主権 |
| 革命 | 年 | 内容 |
|---|---|---|
| ピューリタン革命(英) | 1640〜60 | クロムウェルが国王を処刑・共和政 → 王政復古 |
| 名誉革命(英) | 1688〜89 | 国王を追放、権利章典(議会の権利・国王は議会の同意なしに課税できない)→ 立憲君主制・議会政治の確立(「王は君臨すれども統治せず」) |
| アメリカ独立革命 | 1775〜83 | イギリスの植民地 13 州が課税に反対(「代表なくして課税なし」・ボストン茶会事件)→ 1776 独立宣言(ジェファソン・基本的人権・人民主権)→ ワシントンが総司令官 → 勝利 → 1787 合衆国憲法(三権分立・大統領制・連邦制)。ワシントンが初代大統領 |
| フランス革命 | 1789〜 | 財政難・第三身分(平民)の不満 → バスティーユ牢獄襲撃(7 月 14 日)→ 人権宣言(自由・平等・国民主権・所有権)→ 国王ルイ 16 世処刑・共和政・恐怖政治 → ナポレオンが皇帝(1804)・ナポレオン法典・ヨーロッパ征服 → 敗北(1815)。革命の理念が広まる |




19 世紀の動き:ウィーン体制(復古)→ 1848 年革命、イタリア統一(1861)・ドイツ統一(1871・ビスマルク)、ロシアの南下、ラテンアメリカ諸国の独立。
3. 産業革命と資本主義
ここまでできれば十分
産業革命:18 世紀後半のイギリスで始まる。
- 理由:綿工業の需要(インド綿布の代替)、蒸気機関(ワットの改良)、豊富な石炭・鉄、植民地(原料と市場)、資本の蓄積(農業革命・囲い込み)。
- 内容:機械による工場制機械工業、蒸気機関車(スティーブンソン 1825)・蒸気船、工業都市(マンチェスター)、「世界の工場」。→ 19 世紀にフランス・ドイツ・アメリカ・ロシア・日本(明治)へ。
- 資本主義:資本家が労働者を雇い利益を追求。労働問題(長時間・低賃金・女性と子どもの労働・スラム)→ 労働組合、社会主義(マルクス『資本論』『共産党宣言』・生産手段の共有)。


欧米のアジア進出(帝国主義):
| 出来事 | 年 | 内容 |
|---|---|---|
| アヘン戦争 | 1840〜42 | イギリスがインド産アヘンを清に密輸 → 清が取り締まる → 戦争 → 清敗北・南京条約(香港をゆずる・上海など開港・不平等)→ 日本の幕府に衝撃(異国船打払令を緩める) |
| 太平天国の乱 | 1851〜64 | 洪秀全・清の弱体化 |
| インド大反乱 | 1857〜59 | イギリスの支配に反乱 → 鎮圧 → ムガル帝国滅亡・インドはイギリスの直接支配(1877 インド帝国) |
| 東南アジア | オランダ(インドネシア)・フランス(ベトナム・インドシナ)・スペイン → アメリカ(フィリピン)・イギリス(マレー・ビルマ)。タイだけ独立を保つ | |
| アメリカ | 西部開拓(先住民の土地を奪う)、南北戦争(1861〜65・リンカン・奴隷解放宣言・「人民の、人民による、人民のための政治」)→ 北部の勝利・工業化 → 太平洋へ進出 → ペリー来航(1853) | |
| アフリカ分割 | 19 世紀末 | ヨーロッパ列強がほぼ全土を植民地に(エチオピア・リベリア以外) |
4. よくある間違い
- ルネサンスを「宗教改革のあと」(ルネサンス 14 世紀〜 → 宗教改革 1517)
- ルターを「カトリック」(プロテスタントの始まり。カトリック側はイエズス会)
- コロンブスをポルトガル(スペイン)、バスコ・ダ・ガマをスペイン(ポルトガル)
- 名誉革命の文書を「人権宣言」(権利章典。人権宣言はフランス、独立宣言はアメリカ)
- 三権分立をルソー(モンテスキュー)、人民主権をロック(ルソー)
- 産業革命の始まりをフランス・ドイツ(イギリス・18 世紀後半)
- アヘン戦争の相手を日本(イギリス vs 清。日本には衝撃を与えただけ)
- 南北戦争を「北部が奴隷制に賛成」(南部が奴隷制・北部が反対し勝利)
5. 自己チェック
- 十字軍 → ルネサンス(ダ・ビンチ・活版印刷)→ 1517 宗教改革(ルター・プロテスタント・イエズス会)→ 大航海(1492 コロンブス・1498 ガマ・マゼラン)
- 啓蒙:ロック(抵抗権)・モンテスキュー(三権分立)・ルソー(人民主権)
- 名誉革命 1688(権利章典)・アメリカ独立 1776(独立宣言・ワシントン)・フランス革命 1789(人権宣言・ナポレオン)
- 産業革命 18 世紀後半イギリス・蒸気機関ワット・資本主義・社会主義マルクス
- アヘン戦争 1840(南京条約・香港)・インド大反乱 1857・南北戦争 1861(リンカン)・アフリカ分割
6. 小テストへ
→ 小テスト(h-12)
関連する単元
- 前提:h-05 室町(同時代のルネサンス)、h-06 ヨーロッパ人の来航
- 次に進む:h-07 幕末(アヘン戦争の衝撃・ペリー)、h-08 明治(憲法・議会の手本)
- ここで使う考え方が出てくる:c-02 人権思想の歩み(ロック・モンテスキュー・ルソー・人権宣言)、c-05 資本主義
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』── 歴史的分野「C (1) 近代の日本と世界(欧米における近代社会の成立とアジア諸国の動き)」
- アメリカ国立公文書館「独立宣言」、フランス国立公文書館「人権宣言」(原文・公式英訳)── 年・条文
- 大英図書館「Magna Carta / Bill of Rights」解説── 権利章典 1689
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/social/h-12/ / 更新 2026-09-12