公務員試験 / 制度
面接の答え方
このページでわかること
- 面接カード(自己紹介書・エントリーシート)の 4 つの欄をどう書くか
- 個別面接でよく聞かれる 40 問と、答えの組み立て方
- 集団討論(栃木県の口述試験Ⅰのような形式)の進め方と役割
- 国家一般職の官庁訪問で聞かれること
形式・配点は論文と面接に。栃木県の例では口述試験(集団の口述試験Ⅰ 110 点+個別面接の口述試験Ⅱ 240 点)が総合 500 点中 350 点で、筆記より配点が大きい自治体は珍しくありません。筆記を通ったあとの数週間で準備するのではなく、1 次試験の前に面接カードの下書きまで済ませておくのが現実的です。
1. 面接で見られていること
受験案内の言葉では、国家一般職は「人柄、対人的能力」、栃木県の個別面接は「主として人物について」です。言いかえると、次の 3 つです。
| 見られること | 面接官の問い | 準備で答えを持っておくもの |
|---|---|---|
| 一緒に働けるか | 話が通じるか・態度・言葉づかい | 結論から話す練習。聞かれたことに答える |
| 続けられるか | なぜ公務員か・なぜこの自治体か・仕事の理解 | 志望動機を「自分の経験 → この自治体の課題 → やりたい仕事」でつなぐ |
| 何ができる人か | 学生時代の経験・強みと弱み・困難への対処 | 経験を 3〜4 本、「状況 → 自分の行動 → 結果 → 学んだこと」の形で |
面接官が知りたいのは「立派な経験」ではなく、その経験であなたがどう考え、どう動いたかです。サークルの代表でもアルバイトのシフト調整でも、行動と理由が語れれば足ります。
2. 面接カードの 4 つの欄
多くの自治体・人事院の面接カードは、次の 4 つの欄に集約されます。面接はこのカードに沿って進むので、カードが質問を決めます。聞いてほしいことを書きます。
① 志望動機(なぜ公務員か・なぜここか)
3 つの要素を 1 つの流れにします。
- きっかけになった自分の経験(ボランティア・アルバイト・地元での出来事・授業)
- その経験で気づいたこの自治体(この省庁)の課題。総合計画・広報・ニュースから具体名を 1 つ
- その課題に、職員としてどう関わりたいか
悪い例: 「地域に貢献したいと思い志望しました」(どこでも言える) 書き直し: 「大学の実習で〇〇市の高齢者の通いの場を手伝い、送迎の担い手が足りず参加をあきらめる人がいることを知った。〇〇県は地域公共交通のリ・デザインを総合計画に掲げている。私は交通と福祉をつなぐ仕事に関わりたい」
② 学生時代に力を入れたこと
「状況 → 課題 → 自分の行動 → 結果 → 学んだこと」の順。数字を 1 つ入れると具体的になります(人数・期間・回数)。結果より行動と理由を長く書きます。
③ 自己 PR(強み)
強みは 1 つに絞り、根拠になる経験を 1 つ添えます。「協調性」「責任感」のような言葉だけで終わらせず、「意見が割れたときに全員の意見を紙に書き出して整理する役をしてきた」のように行動で言いかえます。仕事でどう活かすかを一文。
④ 関心のある分野・やってみたい仕事
自治体の事業名を 1 つ挙げます。「〇〇県の『△△プロジェクト』に関心がある。理由は…」。ただし配属は希望どおりにならないので、「ほかの部署でも〜という点で活かせる」と一文添えます。
書き方の約束
- 一文 60 字以内。「〜と思います」を減らし、「〜です」「〜しました」で言い切る
- 欄の 8〜9 割を埋める。空白が多いと意欲を疑われる
- 書いたことはすべて深掘りされる前提で。話せないことは書かない
- 提出前にコピーを取り、面接直前に読み返す
3. よく聞かれる 40 問と答えの型
答えは結論 → 理由 → 具体例 → 一言の順で、30〜60 秒。長くても 90 秒で切ります。面接官が深掘りしたければ聞いてきます。
志望動機の系統
- なぜ公務員になりたいのですか
- なぜ民間企業ではないのですか ── 「民間を否定しない」。利益と別の物差しで判断する仕事がしたい、など
- なぜ本県(本市)なのですか ── 課題を 1 つ、事業を 1 つ
- 国家公務員と地方公務員の違いは何だと思いますか
- ほかにどこを受けていますか ── 正直に。ただし「本県が第 1 志望」と理由つきで
- 本県の課題は何だと思いますか。それにどう取り組みますか ── 論文の準備がそのまま使える
- 最近気になったニュースは ── 行政に関わるもの。自分の意見と、反対の立場への一言
- 本県の魅力を県外の人に説明してください
- 公務員に必要な資質は何だと思いますか
- 10 年後、どんな職員になっていたいですか
経験の系統
- 学生時代に最も力を入れたことは
- その中で一番大変だったことと、どう乗り越えたか
- 周りの人はあなたをどう評価していましたか
- 失敗した経験と、そこから学んだこと
- 意見が対立したとき、どうしましたか
- リーダーの経験はありますか。リーダーでないときはどんな役割でしたか
- アルバイトで学んだことは
- 卒業論文(ゼミ)のテーマは。それを一言で説明してください
- 大学で学んだことを仕事にどう活かせますか
- これまでで一番うれしかったことは
人柄の系統
- 自己 PR を 1 分でお願いします
- あなたの強みと弱みは ── 弱みは「直そうとしていること」とセットで
- ストレスを感じるのはどんなときですか。どう対処しますか
- 苦手なタイプの人はいますか。その人とどう接しますか
- 友人からどんな人だと言われますか
- 趣味・休日の過ごし方は
- 最近読んだ本は
- 挫折した経験はありますか
- 自分を一言で表すと
- 健康状態について(持病があれば、仕事への影響と対処を簡潔に)
仕事への理解・状況設定の系統
- 希望しない部署に配属されたらどうしますか ── 「どの部署でも〜の経験は活かせる」+前向きに学ぶ
- 住民から理不尽な苦情を受けたらどうしますか ── まず聞く・事実を確かめる・一人で抱えず上司に相談する
- 上司の指示が納得できないときは ── 理由を聞く・自分の考えを伝える・決まったら従う
- 残業や休日出勤は大丈夫ですか ── 災害対応など必要な場面を理解していることを示す
- 転勤(異動)はできますか
- 公務員の不祥事についてどう思いますか
- 住民の要望と法令が食い違うときはどうしますか ── 法令に基づく・代わりにできることを探す・説明する
- 前例のない仕事を任されたらどうしますか
- チームで成果を出すために大切なことは
- 最後に何か言いたいことはありますか ── 志望の理由を一文で言い直す
深掘りへの備え
面接官は 1 つの答えに対して「なぜ」「具体的には」「ほかには」を 2〜3 回重ねます。準備した経験 3〜4 本それぞれに、次の問いの答えを用意しておきます。
- なぜそれをやろうと思ったのか
- 一番困った場面はどこか。そのとき何を考えたか
- 周りの人はどう反応したか
- もう一度やるなら何を変えるか
- その経験は仕事のどこで活きるか
4. 集団討論(口述試験Ⅰのような形式)
栃木県の例では「課題について 1 人 2 分程度で企画提案 → 受験者間で質疑応答」、5 名程度で約 40 分です。ほかの自治体では「テーマについて 30〜40 分で結論を出す」型も多くあります。見られているのは結論の正しさではなく、話し合いへの関わり方です。
進め方の型(30〜40 分の場合)
| 時間 | すること |
|---|---|
| 最初の 2〜3 分 | 役割(司会・書記・時間係)を決める。決めなくても進むが、誰かが時間を見る |
| 5 分 | テーマの定義と論点を出し合う(「〇〇とは何を指すか」「誰の視点で考えるか」) |
| 15〜20 分 | 意見を出す → 分類する → 優先順位をつける |
| 最後の 5 分 | 結論をまとめる。発表があれば発表者を決める |
評価される行動・されない行動
| 評価される | 評価されない |
|---|---|
| 人の意見を受けてから自分の意見を言う(「〇〇さんの案に加えて」) | 人の話をさえぎる・否定から入る |
| 論点を整理する(「今出ている案は 3 つで…」) | 自分の案にこだわり続ける |
| 発言の少ない人に話を振る | 一人で長く話す・黙り続ける |
| 時間を見て「そろそろまとめに」と言う | 結論が出ないまま終わる |
| 反対意見に理由をつけて応える | 感情的になる |
役割は取れなくてもかまいません。司会でなくても「整理する人」「時間を見る人」として関われます。発言は回数より質で、1 回 30 秒以内を目安に。
企画提案型(1 人 2 分)の準備
論文と同じ「現状 → 課題 → 取組(誰が・何を・どう)」を 2 分(約 500〜600 字)に縮めます。時間を計って 3 回声に出せば、2 分の長さが体に入ります。質疑応答では、ほかの人の提案のよい点を 1 つ言ってから質問します。
5. 国家一般職の官庁訪問
人事院の試験に合格しただけでは採用されず、各省庁・出先機関を訪問して採用面接を受けます。2026 年度は第 1 次試験合格発表(6 月 24 日)の直後にエントリー受付(6 月 25〜30 日)があり、7 月 2 日から官庁訪問が始まります。2 次の人物試験(7 月)や最終合格発表(8 月 12 日)より前に動くので、1 次の結果を待ってから省庁を調べ始めると間に合いません(日程と流れ)。
- 訪問先ごとに「なぜこの省庁(機関)か」を用意する。組織の所管業務・最近の施策を公式サイトで 1 時間読む
- 1 日に複数の面接(人事担当 → 課長級 → 幹部)が続くことがある。同じ質問に同じ答えを、疲れても崩さない
- 訪問の受付・日程は各機関の採用ページで。開始時期は毎年 2 月下旬に人事院の「国家公務員試験採用情報 NAVI」で公表される
6. 準備の順番(1 次試験の前に)
| 時期 | すること |
|---|---|
| 1 次の 3 か月前 | 経験を 3〜4 本書き出す。志望自治体の総合計画の「基本目標」を読む |
| 1 次の 1 か月前 | 面接カードの下書き(4 欄)。40 問のうち志望動機系 10 問の答えを書く |
| 1 次のあと〜2 次まで | 声に出す練習。大学のキャリアセンター・友人と模擬面接を 2〜3 回。集団討論は 4〜5 人集めて 1 回通す |
| 前日 | カードのコピーを読み返す。服装と持ち物の確認。早く寝る |
関連するページ
出典
- 人事院「2026 年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」(人物試験の評価の観点・官庁訪問)
- 栃木県人事委員会「令和 8 年度 栃木県職員採用試験 受験案内(大学卒業程度)」(口述試験Ⅰ・Ⅱの形式・時間・配点・前年度の課題)
- 質問の一覧と答え方は、受験案内の評価の観点から組み立てた一般的な型です。自治体ごとの傾向は志望先の説明会・先輩の話で補ってください