高1 / 古文 / jg-01

更新 2026-09-13

歴史的仮名遣いと古文単語(現代と意味が違う語・多義語)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

共通テスト古文の最初の設問は語句の解釈(傍線部の現代語訳・意味)。ここで出るのは「現代語と意味がずれている語」ばかりで、単語を知らないと選択肢を絞れません。300 語程度の重要単語のうち、この単元では特に頻出の 60 語を「現代と違う・多義・古文特有・副詞」の 4 グループで確かめます。


1. 歴史的仮名遣いの 5 規則

まずここだけ

規則歴史的 → 現代
語頭以外のは行わ行は・ひ・ふ・へ・ほ → わ・い・う・え・お思ふ → 思う、あはれ → あわれ、川 → かわ(かは)、なほ → なお
ゐ・ゑ・を → い・え・おゐる → いる、こゑ → こえ、をかし → おかし
ぢ・づ → じ・ずはぢ → はじ、みづ → みず
くわ・ぐわ → か・がくわし → かし(菓子)、ぐわん → がん(願)
長音au → ō、iu → yū、eu → yō、ou → ōやうやう → ようよう、けふ → きょう(eu)、てふ → ちょう、いみじう → いみじゅう、さうらふ → そうろう

※ 助詞の「は」「へ」「を」はそのまま(「われは」「京へ」)。語頭の「は」も変えない。


2. 現代と意味が違う語(最重要)

まずここだけ

古語古文での意味現代の意味との違い
あはれしみじみとした趣・情趣・かわいそう「哀れ」だけではないもののあはれ
をかし趣がある・すばらしい・美しい・こっけい「おかしい」= 変 ではない春はあけぼの…をかし
うつくしかわいい・いとしい「美しい」ではないうつくしきもの、瓜にかきたるちごの顔
ありがたしめったにない・珍しい「感謝」ではないありがたきもの
おどろく目が覚める・はっと気づく「びっくり」もある秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
ののしる大声で騒ぐ・評判になる「悪口を言う」ではない人々ののしりあへり
かなしいとしい・かわいい(愛し)/悲しい(悲し)2 つの意味いとかなしうしたまふ
あやし不思議だ・身分が低い・粗末だ「怪しい」だけではないあやしき家
いみじ程度がはなはだしい(良くも悪くも)・すばらしい・ひどい文脈でプラスにもマイナスにもいみじうをかし/いみじう恐ろし
おぼゆ思われる・似ている・思い出される「覚える」ではない昔おぼゆ
おこたる病気が治る・怠ける病おこたりぬ
としごろ長年・数年来「年ごろ」ではないとしごろ思ひつること
つとめて早朝・翌朝「努めて」ではない冬はつとめて
やがてすぐに・そのまま「しばらくして」ではないやがて帰りぬ
さらに〜ずまったく〜ない「その上」ではないさらに知らず
なかなかかえって・中途半端に「かなり」ではないなかなかなり
むつかし不快だ・うっとうしい「難しい」ではない
はづかし立派だ(こちらが恥ずかしくなるほど)・恥ずかしいはづかしき人
こころにくし奥ゆかしい・心ひかれる「憎い」ではない
けしき様子・態度・機嫌「景色」ではないけしきばかり
せうそこ手紙・訪問「消息」
ゆかし知りたい・見たい・聞きたい・心ひかれる「ゆかしい」
さうざうし物足りない・寂しい「騒々しい」ではない
すさまじ興ざめだ「すさまじい」ではないすさまじきもの
にくし気にくわない・不快だにくきもの
わろしよくない(悪し > わろし)「悪い」より弱い
いたづらなりむだだ・むなしい・退屈だ「いたずら」ではないいたづらになりぬ(= 死んだ)
あからさまなりほんのちょっと・急に「露骨」ではない
まめなりまじめだ・誠実だ・実用的だまめまめし
おとなし大人らしい・分別がある「静か」ではない

3. 多義語と古文特有の語

ここまでできれば十分

多義語

意味
①心 ②趣・風流心 ③意味・わけ ④思いやり ⑤本心
①世の中 ②男女の仲 ③一生・治世 ④俗世(「世を捨つ」= 出家)
いと①とても ②(打消と)たいして〜ない(いとしも〜ず)
げに①なるほど・本当に ②実に
すなはち①すぐに ②つまり
さらなり言うまでもない(言へばさらなり)
わりなし①道理に合わない ②どうしようもない ③つらい
あぢきなし①つまらない ②どうにもならない
はかなし①頼りない ②ちょっとした ③はかない
おほかた①だいたい ②(打消と)まったく〜ない
たより①手がかり・よりどころ ②ついで・機会 ③便宜
ことわり①道理 ②もっともだ(ことわりなり)
いとほし①かわいそうだ ②かわいい ③困る
らうたしかわいい・いじらしい
なつかし心ひかれる・親しみやすい(「懐かしい」ではない)

古文特有の語あした(朝)、ゆふべ(夕方)、よ・よるあく(夜が明ける)、なほ(やはり)、ただ(ただ・まるで・すぐ)、いかで(どうして/なんとかして)、など(どうして)、いつしか(早く)、ゆゆし(不吉だ・はなはだしい・すばらしい)、きよらなり(美しい)、なめし(無礼だ)、あさまし(驚きあきれる)、めづらし(すばらしい・珍しい)、めでたし(すばらしい)、くちをし(残念だ)、あまた(たくさん)、やをら(そっと)、ふと(さっと)、ゐる(座る)、ゐざる(膝で進む)、ながむ(物思いにふける)、あくがる(さまよい出る)、まうく(用意する)、まもる(見つめる)、かしづく(大切に育てる)、ねんず(祈る・我慢する)、さぶらふ・はべり(お仕えする/〜です)


4. 副詞と呼応(陳述の副詞)

まずここだけ

副詞呼応意味
〜できない(不可能)
〜するな(禁止)
ゆめ・ゆめゆめ〜な・〜ず決して〜するな
つゆ・さらに・すべて・たえて・おほかた・よにまったく〜ない
よもまさか〜ないだろう
いかで〜む・〜ばやなんとかして〜したい/どうして〜か
いかが・など・なに〜むどうして〜か
おそらく・けだし〜むおそらく〜だろう
をさをさ〜ずほとんど〜ない
もし〜ばもし〜なら
たとひ〜ともたとえ〜ても
いと〜ずたいして〜ない

接頭語うち〜(ちょっと・すっかり:うち笑ふ)、もの〜(なんとなく:もの悲し)、かき〜(強め:かき消つ)、さし〜、〜(敬意:み心)。接尾語:〜がる(〜と思う)、〜ばむ(〜らしくなる)、〜げなり(〜そうだ)。


5. 覚え方のコツ

ここまでできれば十分

  1. プラス/マイナスで分ける:プラス(をかし・めでたし・うつくし・らうたし・きよらなり・いみじ〈良〉)、マイナス(すさまじ・むつかし・にくし・わろし・あさまし・いみじ〈悪〉)
  2. 現代語の中の名残を探す:「おどろく」→「目覚まし時計に驚く」、「ありがたし」→「有り難い = めったにない」、「つとめて」→「早朝に勤める」
  3. 漢字を当てる:「あやし」→ 怪し/賤し、「かなし」→ 愛し/悲し、「おこたる」→ 怠る(病が怠る = 休む = 治る)
  4. 短い例文ごと覚える(枕草子・徒然草の冒頭など)
  5. 訳すときはまず現代語と同じ意味を疑う:選択肢に「現代語そのまま」があればひっかけの可能性

6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 仮名遣いの 5 規則を、例つきで言えるか
  2. 現代と意味が違う語 30 語を「古文の意味」で言えるか
  3. 心・世・いと・げに・すなはち の複数の意味を言えるか
  4. 呼応の副詞 10 組(え〜ず・な〜そ・よも〜じ など)を訳せるか
  5. いみじ・かなし・あやし の複数の意味を文脈で選べるか
  6. プラス語・マイナス語をそれぞれ 5 つ言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(jg-01

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

高校国語の単元一覧まぜこぜテスト国語の勉強法