高1 / 現代文 / jn-03

更新 2026-09-13

評論頻出語彙と漢字(概念語・カタカナ語・同音異義語)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

共通テスト国語 第 1 問の問 1 は漢字 5 問(10 点)。「傍線部のカタカナと同じ漢字を使うもの」を選ぶ形式で、熟語を漢字で思い浮かべ、意味で確かめる力が必要です。また評論本文は概念語の意味がわからないと読めないので、語彙は読解の土台です。この単元の例文はすべて自作です。


1. 対で覚える概念語

まずここだけ

対意味例(自作)
抽象/具体個々のものから共通点を取り出した概念/個別の実物・例「幸福」は抽象、「温かい夕食」は具体
普遍/特殊(個別)いつでもどこでも当てはまる/その場合だけ「人は死ぬ」は普遍、「私の祖父は九十歳で死んだ」は特殊
一般/特殊広く共通する/限られた一般論 / 特殊な事情
主観/客観自分の見方・感じ方/誰が見ても同じ・第三者の立場「この絵は美しい」は主観、「縦 50 cm」は客観
演繹/帰納一般原理から個別の結論を導く/多くの個別例から一般法則を導く「人は死ぬ → ソクラテスも死ぬ」は演繹、「カラス 100 羽が黒い → カラスは黒い」は帰納
相対/絶対他との比較・関係で決まる/他と関係なくそれだけで成り立つ「背が高い」は相対(誰と比べて)、「絶対零度」
理性/感性(感情)筋道を立てて考える力/感じ取る力
必然/偶然必ずそうなる/たまたま
本質/現象(表層)それをそれたらしめる根本/表に現れた姿
能動/受動自分から働きかける/働きかけられる
自律/他律自分の決めた規範で動く/他人の決めた規範で動く
内在/外在その内部にある/外部にある超越 = 枠を超えて外にある
有機的/機械的部分が互いに結びつき全体で生きている/部品の組み合わせ・決まりきった
合理/非合理理屈に合う・効率的/理屈では説明できない不合理 = 理屈に反する
前近代/近代/現代(ポストモダン)共同体・身分・宗教の時代/個人・理性・科学・国民国家・資本主義の時代(西洋では 17〜19 世紀、日本では明治以降)/近代の価値を疑う時代
同一性/差異同じであること/違い
実体/関係それ自体で存在するもの/他とのつながりで決まるもの
静態/動態止まった状態/動いている過程
共時/通時同じ時代の中で(横)/時代を通じて(縦)言語学の語
記号 = シニフィアン(表すもの・音)/シニフィエ(表されるもの・意味)言語論でよく出る

2. 思想・社会の重要語

まずここだけ

語意味
アイデンティティ(自己同一性)「自分は自分だ」という一貫した感覚・自分は何者かという認識
パラダイムある時代・分野のものの見方の枠組み。パラダイム・シフト = 枠組みの転換
イデオロギー社会や政治についての考え方の体系。しばしば「自分では気づかない思い込み」の意味
ナショナリズム国民・民族の一体性を重んじる考え
グローバリゼーション経済・文化が国境を越えて一体化すること
多様性(ダイバーシティ)違いがあることを価値とみる
他者自分とは違う・理解しきれない存在。「他者性」= わからなさ
共同体血縁・地縁などで結びついた集団。近代は共同体から個人へ
疎外本来自分のものであるはずのものが、よそよそしくなること(労働の疎外)
物化・物神化人間関係や価値をものとして扱う
啓蒙理性の光で迷信・無知から人を解放すること(18 世紀)
合理化理屈・効率にかなうように整えること。近代の特徴
均質化・画一化どこも同じになること
両義性(アンビバレンス)二つの反対の意味・感情を同時にもつこと
(パラドックス)一見矛盾するが真理を含む言い方(「負けるが勝ち」)
弁証法対立する A と B から、より高い C が生まれる(正・反・合)
形而上/形而下形のない・感覚で捉えられないもの(本質・神)/形のある具体的なもの
観念頭の中の考え・イメージ。観念的 = 現実から離れた
概念ものごとの共通する特徴をまとめた考え(「犬」という概念)
範疇(カテゴリー)分類の枠
契機きっかけ・要因
所与与えられたもの・前提
自明説明なしに明らかなこと。「自明視する」= 疑わずに当然とみる
恣意的勝手な・根拠のない(記号と意味の結びつきは恣意的)
蓋然性確からしさ・起こりそうな度合い
普遍妥当性誰にでも当てはまる正しさ
敷衍意味を押し広げて詳しく説明する
換骨奪胎他人の作品の形を借りて作り変える
止揚(アウフヘーベン)対立を高い段階で統合する(弁証法の「合」)
思惟考えること
措定仮に立てること
表象心に思い浮かべられたイメージ・それを表すもの
身体性頭(理性)ではなく身体を通した経験・知
言説(ディスクール)ある社会で語られる言葉の体系・語り方
メディア媒体。情報を伝える間にあるもの
テクスト作者の意図から離れて読まれる文章そのもの
消費社会ものを必要ではなく記号・イメージとして買う社会

3. カタカナ語の言い換え

まずここだけ

カタカナ語日本語
アナロジー類推(似たものから推し量る)
メタファー隠喩・比喩
コンテクスト文脈・状況
アイロニー皮肉・反語
レトリック修辞・言葉の技巧
ジレンマ板ばさみ(二つの選べない選択)
ステレオタイプ型にはまった見方・固定観念
カタルシス浄化(感情の解放)
ニヒリズム虚無主義(価値を信じない)
ペシミズム/オプティミズム悲観主義/楽観主義
リアリズム現実主義・写実主義
ロマンティシズム浪漫主義(感情・理想を重んじる)
モラトリアム猶予期間
アンビバレント両義的・相反する感情が同居する
パラドックス逆説
ディレンマ/トリレンマ二者/三者の板ばさみ
ヒエラルキー階層秩序・ピラミッド型の序列
ドグマ教条・疑わない決まり
タブー禁忌
フィクション/ノンフィクション虚構/事実
ユートピア/ディストピア理想郷/暗黒の未来社会
アナーキー無秩序・無政府
エゴイズム利己主義
ヒューマニズム人間中心主義・人道主義
コスモポリタン世界市民(国にとらわれない)
シミュレーション模擬・模倣実験
バーチャル仮想の
リテラシー読み書き能力・使いこなす力(情報リテラシー)
サブカルチャー下位文化・主流から外れた文化
ジェンダー社会的・文化的に作られた性差(生物学的な性 = セックス)
マイノリティ/マジョリティ少数者/多数者
エートスある集団の倫理的な気風・習性
ロゴス/パトス言葉・論理/情念
ア・プリオリ/ア・ポステリオリ経験に先立つ/経験による

4. 同音異義語・同訓異字

まずここだけ

同音異義語(音が同じ熟語):

音書き分け
ホショウ保証(確かだと請け合う:品質保証)・保障(守る:社会保障・安全保障)・補償(損失を埋める:損害補償)
タイショウ対象(目標・相手:調査対象)・対照(比べる:対照的)・対称(つりあう形:左右対称)
カンシン関心(興味)・感心(立派だと思う)・歓心(喜ぶ心:歓心を買う)・寒心(ぞっとする:寒心に堪えない)
イギ意義(意味・価値)・異議(反対意見)・異義(違う意味:同音異義)
シコウ思考(考える)・施行(法律を行う)・試行(試す)・志向(目指す)・嗜好(好み)
カイホウ開放(開け放つ)・解放(自由にする)・快方(病気がよくなる)・介抱(世話)
キセイ規制(制限)・既成(すでにできている:既成事実)・既製(作ってある品:既製服)・帰省(故郷に帰る)・寄生
ソウゾウ想像(思い描く)・創造(新しく作る)
コウセイ構成(組み立て)・公正(公平で正しい)・厚生(生活を豊かに)・後世(後の時代)・更生(立ち直る)・校正(文字の誤りを直す)・恒星
セイサン生産・精算(細かく計算して払う)・清算(決着をつける:過去を清算)・成算(成功の見込み)
ケントウ検討(調べ考える)・見当(見込み)・健闘(よく戦う)
ジッタイ実態(実際の状態)・実体(本体・本質)
ヘイコウ平行(交わらない線)・並行(同時に進める)・平衡(つりあい)・閉口(困る)
シュウシュウ収集(集める)・収拾(混乱をおさめる:事態の収拾)
テキセイ適性(向き不向き)・適正(適切で正しい:適正価格)
フヘン普遍(広く当てはまる)・不変(変わらない)・不偏(偏らない:不偏不党)
キョウコウ強行(無理に行う)・強硬(態度が硬い)・恐慌(経済のパニック)
カテイ過程(プロセス)・課程(学習の内容:教育課程)・仮定・家庭
ケイショウ継承(受け継ぐ)・軽傷・警鐘(警告:警鐘を鳴らす)・敬称
ヨウゴ擁護(守る)・養護(世話して育てる)・用語
ツイキュウ追求(追い求める:利益を追求)・追究(深く調べる:真理を追究)・追及(責任を問いつめる:責任を追及)
シンチョウ慎重(注意深い)・深長(意味深長)・伸長(伸びる)・新調(新しく作る)
カンヨウ寛容(広く受け入れる)・肝要(大切)・慣用(習慣的な用法)
イショク移植・委嘱(仕事を頼む)・異色(他と違う)
シンコウ信仰・振興(盛んにする)・進行・侵攻・新興・親交

同訓異字(訓読みが同じ漢字):

訓書き分け
おさめる収める(中に入れる・手に入れる:成功を収める)・納める(渡す:税を納める)・治める(統治・静める:国を治める)・修める(学ぶ・身につける:学問を修める)
つとめる努める(努力する)・務める(役目を果たす:議長を務める)・勤める(勤務する)
はかる測る(長さ・深さ)・量る(重さ・体積)・計る(時間・数)・図る(計画・企てる:解決を図る)・謀る(悪事)・諮る(相談する)
あらわす表す(気持ち・意味を表現)・現す(姿を見せる:姿を現す)・著す(本を書く)
かわる変わる(変化)・代わる(代理)・替わる(入れ替え)・換わる(交換)
とる取る・採る(採用・採取)・捕る(捕まえる)・執る(事務を執る)・撮る(写真)・摂る(栄養)
うつす写す(書き写す・写真)・映す(鏡・画面)・移す(場所)
さす指す(指示)・差す(光が差す・傘を差す)・刺す・挿す(花を挿す)
そなえる備える(準備・性質をもつ)・供える(神仏に)
おかす犯す(罪)・侵す(権利・領土を侵す)・冒す(危険を冒す)
きく聞く(音・話)・聴く(注意して)・利く(働く:気が利く・薬が利く)・効く(効果:薬が効く)
たつ立つ・建つ(建物)・絶つ(途絶:消息を絶つ)・断つ(切る:酒を断つ)・裁つ(布)
つく付く・着く(到着)・就く(職・地位)・突く・点く
あう合う(一致)・会う(人と)・遭う(災難)
はじめ初め(時間の最初:年の初め)・始め(物事の開始:仕事始め・〜を始め)

5. 共通テスト漢字問題の解き方

まずここだけ

形式:本文の「ケントウを重ねる」のカタカナと同じ漢字を使う語を、選択肢(①ケンメイな判断 ②ケンキョな態度 ③ケンアンの問題 ④事件をケンショウする ⑤ケンヤクに励む)から選ぶ。

  1. 本文の語を漢字で書く(検討)── 文脈で意味を確認(調べ考える → 検討。見当・健闘ではない)
  2. 選択肢を全部漢字に(賢明・謙虚・懸案・検証・倹約)
  3. 同じ漢字を探す(検討の「検」= 検証)
  4. 迷ったら熟語の意味から漢字を決める(「ケンショウ」= 調べて証明 → 検証)
  5. 部首・形のヒント:言(言葉に関係)・貝(お金)・心/忄(気持ち)・氵(水)・木(木・材料)

よく狙われる漢字:掲・啓・継・携・傾・警・境・驚・鏡・響・凝・偽・疑・儀・犠・擬・欺・基・既・棋・軌・棄・貴・危・揮・起 など、同音で形の似た字。書いて覚える。


6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. 対の概念語 15 組を、対の相手と一緒に説明できるか
  2. 近代・アイデンティティ・パラダイム・イデオロギー・他者・疎外・逆説・両義性 を言えるか
  3. カタカナ語 20 を日本語に言い換えられるか
  4. ホショウ・タイショウ・ツイキュウ・おさめる・はかる の書き分けを言えるか
  5. 共通テスト漢字問題の手順 5 つを言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(jn-03)

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