数学Ⅰ / 二次関数 / h1-07
二次関数の最大・最小 ── 定義域・軸の場合分け
この単元でできるようになること
- 定義域がないとき、頂点で最大または最小になることがわかる
- 定義域 a ≦ x ≦ b があるとき、軸が定義域の中か外かで最大・最小を求められる
- 軸に文字が入るとき(y = x² − 2ax + …)、場合分けして最小値・最大値を求められる
- 定義域に文字が入るとき、同じ考え方で場合分けできる
- 最大・最小の条件から係数を決められる
入試での位置づけ
共通テスト数学Ⅰの二次関数の大問は、ほぼ必ず「定義域つきの最大・最小」を含みます。とくに「軸が動く」「定義域が動く」場合分けは配点が高く、差がつくところ。数学Ⅱの微分(h2-12)でも同じ考え方(グラフをかいて端点と頂点を比べる)を使います。
1. 定義域がないとき
まずここだけ
平方完成して頂点を求める。
| a の符号 | グラフ | 最大・最小 |
|---|---|---|
| a > 0(下に凸) | 頂点が一番下 | x = p で最小値 q、最大値はない |
| a < 0(上に凸) | 頂点が一番上 | x = p で最大値 q、最小値はない |
y = x² − 4x + 1 = (x − 2)² − 3 → x = 2 で最小値 −3、最大値なし y = −2x² + 4x + 1 = −2(x − 1)² + 3 → x = 1 で最大値 3、最小値なし
「最大値なし」を答えに書くこと。
2. 定義域があるとき ── グラフの一部を見る
まずここだけ
定義域 a ≦ x ≦ b があれば、その範囲のグラフだけを見る。候補は 頂点と両端。
手順:
- 平方完成して頂点・軸を求める
- 軸が定義域の中にあるか確かめる
- グラフをかき、範囲内で一番高い点・低い点を読む
y = x² − 4x + 1(1 ≦ x ≦ 4) 頂点 (2, −3)、軸 x = 2 は 1 ≦ x ≦ 4 の中。 最小:頂点で x = 2 のとき −3 最大:両端を比べる。x = 1 で −2、x = 4 で 1 → x = 4 のとき 1(軸から遠いほう)
y = x² − 4x + 1(3 ≦ x ≦ 5) 軸 x = 2 は定義域の外(左)。範囲内でグラフは右上がり。 最小:x = 3 のとき −2、最大:x = 5 のとき 6
下に凸のときのまとめ
| 軸の位置 | 最小 | 最大 |
|---|---|---|
| 定義域の中 | 頂点 | 軸から遠いほうの端 |
| 定義域の外 | 軸に近いほうの端 | 軸から遠いほうの端 |
上に凸なら最大と最小が入れかわる。
よくある間違い
- 軸が定義域の外なのに頂点の値を答える
- 最大を求めるとき、両端の値を比べずに片方だけ見る
- 「x = 何のとき」を書き忘れる
3. 軸が動く場合分け
ここまでできれば十分
y = x² − 2ax + 3(0 ≦ x ≦ 2)の最小値(a は定数)
平方完成:y = (x − a)² − a² + 3。軸 x = a が定数 a によって動くので、定義域 0 ≦ x ≦ 2 に対する軸の位置で 3 つに分ける。
| 場合 | 軸の位置 | 最小値 |
|---|---|---|
| (i) a < 0 | 定義域の左 | x = 0 で 3 |
| (ii) 0 ≦ a ≦ 2 | 定義域の中 | x = a で −a² + 3(頂点) |
| (iii) a > 2 | 定義域の右 | x = 2 で 7 − 4a |
最大値は、軸から遠いほうの端なので、定義域の真ん中 x = 1 で分ける:
| 場合 | 遠いほうの端 | 最大値 |
|---|---|---|
| (i) a < 1 | x = 2 | 7 − 4a |
| (ii) a ≧ 1 | x = 0 | 3 |
(a = 1 のときは両端で等しいので、どちらに含めてもよい)
型
- 最小値(下に凸):軸が「左」「中」「右」の 3 通り
- 最大値(下に凸):軸が定義域の中央より「左」「右」の 2 通り
- 上に凸なら逆
4. 定義域が動く場合分け
ここまでできれば十分
y = x² − 4x + 5(a ≦ x ≦ a + 2)の最小値
頂点 (2, 1)、軸 x = 2 は固定。定義域 a ≦ x ≦ a + 2 のほうが動く。
| 場合 | 状態 | 最小値 |
|---|---|---|
| (i) a + 2 < 2(a < 0) | 定義域が軸の左 | x = a + 2 で a² + 1 |
| (ii) a ≦ 2 ≦ a + 2(0 ≦ a ≦ 2) | 軸が定義域の中 | x = 2 で 1 |
| (iii) a > 2 | 定義域が軸の右 | x = a で a² − 4a + 5 |
考え方は 3 節と同じ。「軸と定義域の位置関係」で分ける。
5. 最大・最小から係数を決める
もう一歩
「y = x² − 2x + c(0 ≦ x ≦ 3)の最大値が 7 になる c」 頂点 (1, c − 1)、軸 x = 1。最大は軸から遠い端 x = 3:9 − 6 + c = c + 3 = 7 → c = 4
「y = −x² + 2ax(0 ≦ x ≦ 2)の最大値が 3 になる a」 軸 x = a。上に凸なので最大は頂点か端。場合分け: a < 0:x = 0 で 0 ≠ 3。0 ≦ a ≦ 2:x = a で a² = 3 → a = √3 ✓。a > 2:x = 2 で 4a − 4 = 3 → a = 7/4(a > 2 を満たさない ✗) a = √3
場合分けの条件を満たすか確認するのは、絶対値の方程式(h1-04)と同じ。
6. 自己チェック
- 平方完成して軸を出したか
- 軸が定義域の中か外か確かめたか
- 最大は「両端を比べた」か
- 文字が入るときは、軸(または定義域)の位置で場合分けしたか
- 「x = 何のとき」も答えたか
7. 小テストへ
→ 小テスト(h1-07)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学Ⅰ「(3) 二次関数 ア(ア) 二次関数の値の変化」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/math/h1-07/ / 更新 2026-09-12