高1 / 地学基礎 / eb-01
地球の形と内部構造・プレートテクトニクス
この単元でできるようになること
- 地球の大きさ(半径約 6,400 km・全周約 4 万 km)と、エラトステネスの測定法を説明・計算できる
- 地球は赤道方向にふくらんだ回転楕円体(偏平率約 1/298)であることを説明できる
- 地球の内部構造(地殻・マントル・外核・内核)を、組成とかたさ(リソスフェア・アセノスフェア)の 2 つの分け方で言える
- (プレートの種類・境界の 3 タイプ・動く速さ)と、日本列島周辺の 4 枚のプレートを説明できる
- 大陸移動説・海洋底拡大説の根拠、ホットスポットを説明できる
入試での位置づけ
地学基礎の最初の単元で、共通テストではエラトステネスの計算(緯度差と距離から全周)、内部構造の 2 つの分け方(地殻/マントルと、リソスフェア/アセノスフェアは境界が違う)、プレート境界の 3 タイプと地形、日本周辺のプレートが定番。地震・火山(eb-02)の土台です。
1. 地球の形と大きさ
まずここだけ
- エラトステネス(紀元前 3 世紀):同じ経線上の 2 地点で、夏至の南中時の太陽高度の差(= 緯度差)と 2 地点間の距離から全周を計算
全周 = 距離 × 360° ÷ 緯度差
緯度差 7.2°、距離 900 km → 900 × 360/7.2 = 45,000 km(実際は約 40,000 km)
- 半径約 6,400 km(6,371 km)、全周約 4 万 km(1 m はもともと子午線の 1/4 の 1/10⁷ として決められた)
- 地球は自転の遠心力で赤道方向にふくらんだ回転楕円体:赤道半径 6,378 km > 極半径 6,357 km。偏平率 = (赤道半径 − 極半径) ÷ 赤道半径 ≒ 1/298
- 緯度 1° あたりの子午線の長さは高緯度ほど長い(極付近は曲がりがゆるい)
- ジオイド:平均海面を陸まで延長した面(重力の等ポテンシャル面)
2. 地球の内部構造
まずここだけ
化学組成による区分(地震波の伝わり方から推定):
| 層 | 深さ | 主な物質 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 地殻 | 大陸 30〜50 km、海洋 5〜10 km | 大陸:花こう岩質(上部)+玄武岩質(下部)、海洋:玄武岩質 | 固体 |
| マントル | 〜2,900 km | かんらん岩(上部)。深さで密度が増す | 固体(長い時間では流動) |
| 外核 | 2,900〜5,100 km | 鉄・ニッケル | 液体(S 波が伝わらない) |
| 内核 | 5,100〜6,400 km | 鉄・ニッケル | 固体 |
- 地殻とマントルの境界:モホロビチッチ不連続面(モホ面)。地震波の速度が急に増す
- 核の存在:地震波のシャドーゾーンと、S 波が外核を通れないことから判明
- 密度:地殻 2.7〜3.0、マントル 3.3〜5.5、核 10〜13 g/cm³。地球全体の平均 5.5
かたさによる区分(プレートテクトニクスで使う):
| 層 | 深さ | 性質 |
|---|---|---|
| リソスフェア | 地表〜約 100 km(地殻 + マントル最上部) | かたい。これがプレート |
| アセノスフェア | 約 100〜250 km | やわらかく流動しやすい(一部が溶けている)。プレートが動ける理由 |
| メソスフェア | それより下 | 再びかたい |
2 つの区分は境界が違う:モホ面(地殻/マントル)は数十 km、リソスフェア/アセノスフェアは約 100 km。
3. プレートテクトニクス
まずここだけ
地球表面は十数枚のプレート(厚さ約 100 km のリソスフェア)でおおわれ、年に数 cm(爪が伸びる速さ)動いている。
| プレート | 特徴 |
|---|---|
| 海洋プレート | 薄い(〜100 km)、密度が大きい(玄武岩質)、中央海嶺で生まれ海溝で沈みこむ。新しい |
| 大陸プレート | 厚い、密度が小さい(花こう岩質)、沈みこまない。古い |
プレート境界の 3 タイプ:
| 境界 | 動き | 地形 | 現象 |
|---|---|---|---|
| 発散境界(拡大) | 離れる | 中央海嶺(海)、地溝帯(陸:アフリカ大地溝帯、アイスランド) | 玄武岩質マグマ、浅い地震 |
| 収束境界(沈みこみ) | 近づき、海洋プレートが沈む | 海溝・トラフ、島弧(日本列島)、火山列 | 巨大地震、深発地震、火山 |
| 収束境界(衝突) | 大陸どうしが衝突 | ヒマラヤ山脈(インドとユーラシア)、褶曲山脈 | 地震、火山は少ない |
| すれ違い境界 | 横にずれる | トランスフォーム断層(サンアンドレアス断層) | 浅い地震、火山なし |
日本列島周辺の 4 枚:北米プレート・ユーラシアプレート(大陸)の下に、太平洋プレート・フィリピン海プレート(海洋)が沈みこむ。日本海溝・南海トラフ・伊豆小笠原海溝。
ホットスポット:プレート境界と関係なく、マントル深部からマグマが上がる場所(ハワイ)。プレートが動くので火山島が列をなす → 列の向きと年代からプレートの動きがわかる。
4. 説の歴史
- 大陸移動説(ウェゲナー、1912):大陸は一つ(パンゲア)だった。根拠:大西洋両岸の海岸線の一致、同じ化石・地層・氷河の跡。動く原動力を説明できず受け入れられなかった
- 海洋底拡大説(1960 年代):中央海嶺で海洋底が生まれ両側に広がる。根拠:海嶺から離れるほど海底の岩石が古い、地磁気の縞模様(逆転の記録)が海嶺に対称
- プレートテクトニクス(1960 年代後半):両者を統合。原動力はマントルの対流と沈みこむプレートの重さ
5. よくある間違い
- 地殻の厚さとプレートの厚さを同じにする(地殻 数十 km、プレート約 100 km)
- 外核を固体とする(液体。S 波が通らない)
- 中央海嶺を「沈みこむ場所」とする(生まれる場所)
- ヒマラヤに火山が多いと思う(衝突境界は火山が少ない)
- 日本の下に沈みこむプレートを「北米・ユーラシア」とする(沈むのは太平洋・フィリピン海)
- ホットスポットをプレート境界の火山と思う(境界と無関係)
- エラトステネスの計算で 360 と緯度差の比を逆にする
6. 自己チェック
- 半径 6,400 km・全周 4 万 km と、エラトステネスの式を言えるか
- 地殻・マントル・外核・内核の物質と状態を言えるか
- リソスフェア(プレート)とアセノスフェアの違いを言えるか
- 3 タイプの境界と地形の例を言えるか
- 日本周辺の 4 枚のプレートと、どれが沈むかを言えるか
- 海洋底拡大説の根拠 2 つを言えるか
7. 小テストへ
→ 小テスト(eb-01)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「地学基礎」(1) ア 地球のすがた
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/eb-01/ / 更新 2026-09-12