高1 / 地学基礎 / eb-04
地層と地質時代・化石
この単元でできるようになること
- 地層のでき方(地層累重の法則:下が古い)、整合と、級化層理・クロスラミナ(斜交葉理)から上下や流れの向きを判断できる
- 断層・褶曲・貫入の前後関係から、地質事件の順序を決められる
- 示相化石(環境)と示準化石(時代)の違いと代表例を言える
- 地質時代の区分(先カンブリア時代・古生代・中生代・新生代)と、各時代の生物・出来事を言える
- 相対年代(地層の対比・化石)と数値年代(放射性同位体・半減期)の違いを説明できる
入試での位置づけ
地層は「地質断面図から出来事の順序を並べる」問題が定番。不整合・断層・貫入の切った切られたの関係で決めます。化石は示準化石の時代(三葉虫 = 古生代、アンモナイト = 中生代、ビカリア = 新生代)と示相化石の環境(サンゴ = 暖かく浅い海)が頻出。地質時代は大量絶滅と出現した生物を年代順に。
1. 地層のでき方と法則
まずここだけ
- 堆積物が水底にほぼ水平に積み重なる。地層累重の法則:下の層ほど古い(逆転していなければ)
- 地層の上下判定:
- 級化層理(級化構造):1 つの層の中で下が粗く上が細かい(濁流で一度に堆積。粗い粒が先に沈む)
- クロスラミナ(斜交葉理):流れの向きで斜めの縞。上の縞に切られる側が古い。流れの下流側に傾く
- リプルマーク(漣痕):波の跡。とがった側が上
- 整合:連続して堆積。不整合:堆積が中断し、隆起・侵食されたあと再び沈降して堆積。不整合面の上に基底れき岩があることが多い
- 不整合の意味:隆起 → 侵食 → 沈降 → 堆積という 4 つの出来事
2. 地質構造と順序の決め方
ここまでできれば十分
| 構造 | 内容 |
|---|---|
| 褶曲 | 横からの圧縮で地層が波打つ。山側が背斜、谷側が向斜 |
| 断層 | 地層がずれる(正・逆・横ずれ:eb-02) |
| 貫入 | マグマが地層を貫いて固まる(岩脈)。周囲に接触変成(ホルンフェルス) |
順序のルール:
- 切っているものが新しい(断層に切られた地層より断層が新しい。貫入岩に切られた層より貫入が新しい)
- 不整合面より下の構造(断層・褶曲)は不整合より古い(侵食されているから)
- 不整合面を切っている断層は不整合より新しい
- 地層の中の礫に含まれる岩石は、その地層より古い
典型例:A 層堆積 → 褶曲 → 断層 → 隆起・侵食(不整合)→ B 層堆積 → 貫入
3. 化石 ── 示相化石と示準化石
まずここだけ
| 示相化石 | 示準化石 | |
|---|---|---|
| わかること | 堆積した環境(気候・水深) | 堆積した時代 |
| 条件 | 限られた環境にしかすまない生物 | 短い期間に広い範囲で栄えて絶滅した生物 |
| 例 | サンゴ(暖かく浅いきれいな海)、シジミ(河口・汽水)、ブナ(冷温帯)、ホタテ(冷たい海) | 下の表 |
示準化石:
| 時代 | 示準化石 |
|---|---|
| 古生代 | 三葉虫、フズリナ(紡錘虫)、筆石、リンボク(シダ植物) |
| 中生代 | アンモナイト、恐竜、トリゴニア、イノセラムス |
| 新生代 | ビカリア(新第三紀)、ナウマンゾウ・マンモス(第四紀)、デスモスチルス、貨幣石(古第三紀) |
生痕化石:足跡・巣穴など生活の跡。
4. 地質時代 ── 大きな区分と出来事
まずここだけ
地球の誕生は約 46 億年前。生物の変遷(化石)で区分する。
| 時代 | 年代 | 主な出来事・生物 |
|---|---|---|
| 先カンブリア時代 | 46 億〜5.4 億年前(地球史の約 9 割) | 約 40 億年前に生命誕生、27 億年前ごろシアノバクテリア(光合成 → 酸素、ストロマトライト)、縞状鉄鉱層、真核生物、全球凍結、エディアカラ生物群 |
| 古生代 | 5.4 億〜2.5 億年前 | カンブリア紀の爆発(多様な動物が一斉に出現、バージェス動物群)、三葉虫、魚類、オゾン層形成 → 生物の上陸(シダ植物・両生類)、大森林(石炭)、末に史上最大の大量絶滅 |
| 中生代 | 2.5 億〜6600 万年前 | 恐竜・アンモナイトの繁栄、裸子植物、哺乳類・鳥類の出現、被子植物の出現、末に隕石衝突で恐竜絶滅 |
| 新生代 | 6600 万年前〜 | 哺乳類の繁栄、被子植物、ヒマラヤ・アルプスの形成、第四紀(258 万年前〜)に氷期と間氷期、人類の出現と進化 |
語呂:「先(せん)・古(こ)・中(ちゅう)・新(しん)」。古生代はさらにカンブリア・オルドビス・シルル・デボン・石炭・ペルム紀、中生代は三畳・ジュラ・白亜紀、新生代は古第三・新第三・第四紀。
大量絶滅:古生代末(ペルム紀末、最大)と中生代末(白亜紀末、隕石)が二大絶滅。
5. 年代の決め方
ここまでできれば十分
- 相対年代:地層の上下・化石・かぎ層(凝灰岩)による「どちらが古いか」
- 数値年代(絶対年代):放射性同位体の半減期を使う。¹⁴C(半減期 5730 年:数万年まで)、⁴⁰K→⁴⁰Ar、²³⁸U→²⁰⁶Pb(億年単位)
残っている放射性同位体がもとの 1/4 → 半減期 2 回分(pb-11 と同じ計算)
- 地層の対比:離れた地域の地層を、かぎ層や示準化石で同じ時代と判断する
6. よくある間違い
- 級化層理で「上が粗い」とする(下が粗い)
- 不整合を「連続した堆積」とする(中断・侵食あり)
- 断層に切られた地層のほうが断層より新しいと思う(切るほうが新しい)
- サンゴを示準化石とする(示相。暖かい浅い海)
- アンモナイトを古生代とする(中生代)
- 恐竜の絶滅を古生代末とする(中生代末)
- 生物の上陸をカンブリア紀とする(オゾン層ができたシルル紀〜デボン紀)
- 人類の出現を中生代とする(新生代)
7. 自己チェック
- 地層累重の法則と、級化層理・クロスラミナでの上下判定を言えるか
- 不整合の 4 つの出来事(隆起・侵食・沈降・堆積)を言えるか
- 「切るほうが新しい」で断面図の順序を決められるか
- 示相化石(サンゴ・シジミ)と示準化石(三葉虫・アンモナイト・ビカリア)を言えるか
- 4 つの地質時代と代表的な生物・出来事を言えるか
- 相対年代と数値年代の違いを言えるか
8. 小テストへ
→ 小テスト(eb-04)
関連する単元
- 前提:s1-10 地層と化石(中学)、eb-03 堆積岩、pb-11 半減期
- 次に進む:eb-05 大気、eb-09 地球環境(気候変動の歴史)
- ここで使う考え方が出てくる:bb-01 生物の共通性(進化)
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「地学基礎」(2) ア 地層の形成と地質構造、イ 古生物の変遷と地球環境
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/eb-04/ / 更新 2026-09-12