高1 / 歴史総合 / ht-01

更新 2026-09-13

近代化への問い(18 世紀のアジアと世界・産業革命)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

歴史総合は「近代化・大衆化・グローバル化」の 3 つの視点で 18 世紀以降の日本と世界を同時に見る科目です。共通テストでは資料(グラフ・地図・手紙)を読んで因果を選ぶ問題が中心。この単元は出発点で、「18 世紀はアジアが中心、産業革命で逆転」「三角貿易の 3 辺」「産業革命の前提条件(資本・労働力・資源・市場・技術)」が問われます。


1. 18 世紀のアジアの繁栄

まずここだけ

帝国状況ヨーロッパとの関係
(中国)康熙・雍正・乾隆帝の最盛期。人口 約 3 億(世界の 3 分の 1)、茶・絹・陶磁器を輸出。貿易は広州 1 港に限定(公行が独占)イギリスが茶を大量に輸入 → 銀が中国へ流出(→ ht-03 アヘン戦争の背景)。マカートニー使節(1793)は自由貿易を求めるが拒否
ムガル帝国(インド)18 世紀に衰退、地方勢力が分立綿布(キャラコ)が世界商品。イギリス東インド会社プラッシーの戦い(1757)でフランスを破り、ベンガルの徴税権を得て支配を広げる
オスマン帝国三大陸にまたがる。18 世紀にロシア・オーストリアに押されるコーヒー・チューリップがヨーロッパへ
江戸幕府(日本)鎖国」= 四つの口長崎:オランダ・中国、対馬:朝鮮(朝鮮通信使)、薩摩:琉球、松前:アイヌ)。銀・銅の輸出、生糸・砂糖・薬の輸入 → 国産化生糸・砂糖・朝鮮人参)。人口 約 3,000 万で安定、寺子屋で識字率が高い、三都(江戸 100 万・大坂・京都)、蘭学(『解体新書』1774)オランダ風説書で世界情勢を把握。18 世紀末からロシア船(ラクスマン 1792)が来航

ポイント:18 世紀の世界貿易の中心はアジア。ヨーロッパは新大陸の銀でアジアの商品を買っていた(銀の流れ:アメリカ → ヨーロッパ → アジア)。


2. ヨーロッパと大西洋世界

まずここだけ


3. 産業革命

まずここだけ

なぜイギリスで最初か(5 条件):

  1. 資本:三角貿易・植民地・毛織物業でためた資金
  2. 労働力第 2 次囲い込み(農業革命:ノーフォーク農法)で土地を失った農民が都市へ
  3. 資源石炭・鉄鉱石が国内に豊富
  4. 市場:植民地(インド・北米)と国内の中産階級
  5. 技術・制度:科学の発達、特許制度、政治の安定(名誉革命後の立憲体制)、インドの綿布への需要(輸入代替)
分野発明
紡績・織布(綿工業)飛び杼(1733)、ジェニー紡績機(ハーグリーヴズ 1764)、水力紡績機(アークライト)、ミュール紡績機(クロンプトン)、力織機(カートライト 1785)綿工業から始まった(マンチェスター
動力蒸気機関の改良ワット 1769〜)工場を川から解放
製鉄コークス製鉄法(ダービー)
交通蒸気機関車スティーヴンソン、1825 ストックトン=ダーリントン、1830 マンチェスター=リヴァプール)、蒸気船(フルトン 1807)交通革命」:時間と距離の短縮

社会の変化

「近代化」の中身:工業化・都市化・交通と通信の高速化(鉄道・電信)・国民国家・議会政治・学校教育・時計で管理される時間(時間規律)・自由貿易とグローバル経済。同時に格差・環境破壊・植民地支配もセット。


4. 年表

出来事
1639日本、ポルトガル船来航禁止(「鎖国」の完成 1641 出島)
1689イギリス名誉革命(権利の章典)、清・ロシアがネルチンスク条約
1733〜イギリスで綿工業の技術革新が始まる
1757プラッシーの戦い(イギリスがインド支配へ)
1763七年戦争終結(パリ条約)。イギリスが北米・インドで優位
1769ワットの蒸気機関改良
1774『解体新書』
1776アダム=スミス『国富論』、アメリカ独立宣言
1792ラクスマン、根室来航
1793マカートニー、清へ(乾隆帝が拒否)
1825世界初の営業鉄道(イギリス)
1833イギリス工場法(児童労働の制限)
1846穀物法廃止(自由貿易へ)

5. よくある間違い


6. 自己チェック

  1. 18 世紀の清・ムガル・オスマン・江戸の特徴と、銀の流れを言えるか
  2. 四つの口(長崎・対馬・薩摩・松前)と相手を言えるか
  3. 三角貿易の 3 辺と、各地域への影響を言えるか
  4. 産業革命がイギリスで起きた 5 条件を言えるか
  5. 紡績機 → 蒸気機関 → 鉄道 の発明と人名を言えるか
  6. 産業革命の社会問題と対応(ラダイト・工場法・労働組合・社会主義)を言えるか

7. 小テストへ

→ 小テスト(ht-01

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参考資料

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