高1 / 歴史総合 / ht-03

更新 2026-09-13

列強の進出とアジア(アヘン戦争・インド大反乱・開国)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「アヘン戦争の情報が日本の開国にどう影響したか」(天保の薪水給与令・幕府の慎重な対応)、「南京条約と日米修好通商条約の共通点(不平等条約)」、「インド大反乱と太平天国の比較」のように、日本と世界を結びつけて因果を問うのが歴史総合らしい出題。条約の内容は正確に。


1. 清の動揺 ── アヘン戦争から太平天国へ

まずここだけ

アジア三角貿易:イギリスは清から茶を買って銀が流出 → インド産アヘンを清に密輸、インドには綿布を売る → 清から銀が流出し、アヘン中毒が広がる → 清(林則徐)がアヘンを没収・廃棄(1839)。

年出来事内容
1840〜42アヘン戦争イギリスが清を破る。南京条約(1842):香港の割譲、上海・広州など 5 港開港、公行の廃止、賠償金。翌年の追加条約で領事裁判権・協定関税・片務的最恵国待遇 → 不平等条約の原型
1851〜64太平天国の乱洪秀全(キリスト教の影響、「滅満興漢」)、南京を都に。男女平等・土地均分を掲げる。郷勇(曽国藩・李鴻章)と外国の支援で鎮圧
1856〜60アロー戦争(第 2 次アヘン戦争)英仏が清を攻撃。北京条約(1860):天津など 11 港開港、キリスト教布教の自由、外国公使の北京駐在、九竜半島の一部割譲。ロシアは仲介の見返りに沿海州を獲得 → ウラジオストク建設(日本への南下の拠点)
1860 年代〜洋務運動李鴻章ら「中体西用」(政治体制はそのまま、軍事・技術だけ西洋化)→ 日清戦争の敗北で限界が露呈(ht-05)
アヘン戦争でイギリスの鉄製蒸気船ネメシス号が清の帆船(ジャンク)を破壊する版画(1843 年)
アヘン戦争でイギリスの鉄製蒸気船ネメシス号が清の帆船(ジャンク)を破壊する版画(1843 年)写真・画像:Edward Duncan/Wikimedia Commons/パブリックドメイン
南京条約の調印(1842 年・イギリス軍艦コーンウォリス号上・1846 年刊の版画)
南京条約の調印(1842 年・イギリス軍艦コーンウォリス号上・1846 年刊の版画)写真・画像:Painted by Captain John Platt, Bengal Volunteers. Engraved by John Burnet./Wikimedia Commons/パブリックドメイン/縮小して掲載

不平等条約の 3 要素(日本の条約にも共通):

  1. 領事裁判権(治外法権):外国人の犯罪を相手国の領事が裁く
  2. 関税自主権の欠如(協定関税):関税率を自分で決められない
  3. 片務的最恵国待遇:他国に与えた有利な条件が自動的に相手にも適用される(相手は日本・清に与えない)

2. インドと東南アジア

ここまでできれば十分

インド大反乱(1857 年)・メーラトでのシパーヒーの蜂起を伝えるイギリスの絵入り新聞
インド大反乱(1857 年)・メーラトでのシパーヒーの蜂起を伝えるイギリスの絵入り新聞写真・画像:The Illustrated Times/Wikimedia Commons/パブリックドメイン

3. 日本の開国

まずここだけ

背景:

年出来事
1853ペリーが浦賀に来航(黒船 4 隻)、開国を要求。同年プチャーチン(露)が長崎へ
1854日米和親条約:下田・箱館の開港、薪水・食料の供給、漂流民の保護、片務的最恵国待遇。貿易はなし。英・露・蘭とも同様の条約(日露和親条約で択捉・得撫の間に国境、樺太は雑居)
1856ハリスが下田に着任、通商を要求
1858日米修好通商条約:老中堀田正睦が朝廷の勅許を得られず、大老井伊直弼が無勅許で調印。神奈川(横浜)・長崎・新潟・兵庫(神戸)の開港+箱館(下田は閉鎖)、自由貿易、領事裁判権、協定関税(関税自主権なし)。蘭・露・英・仏とも(安政の五か国条約)
1859横浜・長崎・箱館で貿易開始
ペリー来航を伝える日本の刷り物「合衆国水師提督口上書」(1854 年ごろ・ペリーら 3 人の肖像と口上の文)
ペリー来航を伝える日本の刷り物「合衆国水師提督口上書」(1854 年ごろ・ペリーら 3 人の肖像と口上の文)写真・画像:Unknown authorUnknown author/Wikimedia Commons/パブリックドメイン/縮小して掲載

ハリスは「アヘン戦争のようにならないため、武力を使わないアメリカと先に結べ」と説いた。


4. 開国の影響

ここまでできれば十分

金銀比価の違いによる金の流出(日本は金 1:銀 5、外国は金 1:銀 15。銀 15 枚 → 日本で金 3 枚 → 外国で銀 45 枚)


5. 年表

年世界日本
1825異国船打払令
1839林則徐のアヘン没収、タンジマート開始
1840〜42アヘン戦争 → 南京条約1842 天保の薪水給与令
1851太平天国の乱(〜64)
1853クリミア戦争(〜56)ペリー来航
1854日米和親条約
1856〜60アロー戦争 → 北京条約
1857インド大反乱(→ 58 ムガル滅亡)
1858日米修好通商条約、安政の大獄
1860ロシアが沿海州獲得(ウラジオストク)桜田門外の変、五品江戸廻送令
1861アメリカ南北戦争(〜65)
1863薩英戦争
1864四国艦隊下関砲撃事件
1869スエズ運河開通

6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. アジア三角貿易の 3 辺(茶・アヘン・綿布)を言えるか
  2. アヘン戦争 → 南京条約(香港・5 港)→ アロー戦争 → 北京条約の内容を言えるか
  3. 不平等条約の 3 要素を言えるか
  4. インド大反乱の結果(ムガル滅亡・会社解散・直接統治)と東南アジアの植民地の宗主国を言えるか
  5. ペリー → 和親条約(下田・箱館)→ 修好通商条約(4 港・無勅許・領事裁判権・協定関税)を年つきで言えるか
  6. 開国の経済的影響(生糸・物価・金流出)と政治的影響(尊攘・大獄・桜田門外)を言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(ht-03)

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参考資料

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