高1 / 歴史総合 / ht-02

更新 2026-09-13

市民革命と国民国家(アメリカ独立・フランス革命・ウィーン体制)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

歴史総合の「近代化」の中心。「独立宣言・人権宣言の資料を読み、啓蒙思想との関係を選ぶ」「フランス革命の出来事の順序」「ウィーン体制と 1848 年革命」「国民国家の要素」が問われます。中学 h-12 の知識に、因果と国民国家という概念を加えます。


1. アメリカ独立革命(1775〜83)

まずここだけ


2. フランス革命(1789〜99)

まずここだけ

フランス革命の流れ 1789〜1799

背景:旧体制(アンシャン=レジーム):第一身分(聖職者)・第二身分(貴族)は免税、第三身分(平民、人口の 98%)が税を負担。財政難(アメリカ独立戦争の援助・宮廷の浪費)、啓蒙思想、凶作とパンの値上がり。

年出来事
1789.5ルイ 16 世が三部会を召集(課税のため)→ 第三身分が国民議会を結成(球戯場の誓い)
1789.7.14バスティーユ牢獄襲撃(革命の始まり)
1789.8封建的特権の廃止、人権宣言(ラ=ファイエットら起草:自由・平等・人民主権・所有権の不可侵・抵抗権)
17911791 年憲法(立憲君主政・制限選挙)
1792対外戦争(オーストリア・プロイセン)、8 月 王権停止、9 月 第一共和政(国民公会)。「ラ=マルセイエーズ」、義勇兵(国民が国を守る)
1793ルイ 16 世処刑、ジャコバン派(ロベスピエール)の恐怖政治、徴兵制、1793 年憲法(男子普通選挙。未施行)、封建地代の無償廃止、メートル法・革命暦
1794テルミドールの反動(ロベスピエール処刑)
1795総裁政府
1799ナポレオンのブリュメール 18 日のクーデタ → 統領政府(革命の終わり)
ダヴィッド『球戯場の誓い』(1789 年 6 月 20 日・第三身分の議員が憲法制定まで解散しないと誓う場面)
ダヴィッド『球戯場の誓い』(1789 年 6 月 20 日・第三身分の議員が憲法制定まで解散しないと誓う場面)写真・画像:Jacques-Louis David/Wikimedia Commons/CC0/縮小して掲載
フランス人権宣言(1789 年)を 2 枚の石板の形に描いた絵(ル・バルビエ画・カルナヴァレ美術館)。前文と第 1 条〜第 17 条が読める
フランス人権宣言(1789 年)を 2 枚の石板の形に描いた絵(ル・バルビエ画・カルナヴァレ美術館)。前文と第 1 条〜第 17 条が読める写真・画像:Le Barbier, Jean-Jacques-François (dit l'Aîné) (Rouen, 11–11–1738 - Paris, 07–05–1826), auteur du modèle/Wikimedia Commons/CC0/縮小して掲載

革命の意義:身分制の廃止、国民主権、法の下の平等、私的所有権 → 市民社会の成立。「国民(ナシオン)」という意識 = 国王の臣民から主権をもつ国民へ。国旗(三色旗)・国歌・徴兵制・国民軍。 限界:女性に参政権なし(オランプ=ド=グージュ『女性の権利宣言』)、植民地の奴隷(ハイチ革命 1791〜1804:最初の黒人共和国)。


3. ナポレオンとウィーン体制

まずここだけ

ウィーン会議(1814〜15 年)の各国代表を描いたイザベイの版画
ウィーン会議(1814〜15 年)の各国代表を描いたイザベイの版画写真・画像:J. B. Isabey/Wikimedia Commons/パブリックドメイン/縮小して掲載

4. 国民国家の形成(19 世紀後半)

ここまでできれば十分

国出来事
イタリア統一サルデーニャ王国のカヴール(首相)、ガリバルディ(千人隊で南イタリアを征服し献上)→ 1861 イタリア王国(ヴィットーリオ=エマヌエーレ 2 世)、1870 ローマ併合
ドイツ統一プロイセンのビスマルク(「鉄血政策」):デンマーク戦争 → 普墺戦争(1866)→ 普仏戦争(1870〜71)でフランスを破り、1871 ドイツ帝国(ヴィルヘルム 1 世)。アルザス・ロレーヌ獲得。君主権の強い憲法(→ 明治憲法の手本)、社会保険(世界初)と社会主義者鎮圧法
フランス第二帝政(ナポレオン 3 世 1852〜70)→ 普仏戦争で敗北 → パリ=コミューン(1871)→ 第三共和政
アメリカ西部開拓(フロンティア・先住民の強制移住・ゴールドラッシュ 1848)、南北戦争(1861〜65):北部(工業・保護貿易・奴隷制反対)vs 南部(綿花プランテーション・自由貿易・奴隷制)、リンカンの奴隷解放宣言(1863)・ゲティスバーグ演説「人民の、人民による、人民のための政治」、北部勝利 → 国民国家として再統一、大陸横断鉄道(1869)、工業化(19 世紀末に世界 1 位)
ロシアクリミア戦争敗北(1853〜56)→ アレクサンドル 2 世の農奴解放令(1861)。南下政策(→ 日本と対立)
オーストリア1867 オーストリア=ハンガリー帝国(多民族国家のまま)
ヴェルサイユ宮殿でのドイツ帝国成立の宣言(1871 年 1 月 18 日・ヴェルナー画)
ヴェルサイユ宮殿でのドイツ帝国成立の宣言(1871 年 1 月 18 日・ヴェルナー画)写真・画像:Anton von Werner/Wikimedia Commons/パブリックドメイン/縮小して掲載

国民国家(ネーション=ステート)の要素:

  1. 主権(外に対して独立、内に最高権力)と憲法・議会
  2. 国民:身分ではなく平等な「国民」。国語(標準語)・学校教育・国旗・国歌・国民的祝日で一体感をつくる
  3. 国民軍(徴兵制)・統一した通貨・度量衡・鉄道・電信・新聞
  4. 裏側:少数民族の同化・排除、植民地の人々は「国民」に含めない → ナショナリズムが帝国主義(ht-05)と結びつく

→ 明治日本は、これをモデルに国民国家をつくる(ht-04)。


5. 年表

年出来事
1773ボストン茶会事件
1776アメリカ独立宣言
1783パリ条約(独立承認)
1787合衆国憲法
1789フランス革命開始(7.14)・人権宣言(8.26)
1792第一共和政
1793ルイ 16 世処刑・恐怖政治
1799ナポレオンのクーデタ
1804ナポレオン法典・皇帝即位、ハイチ独立
1814〜15ウィーン会議、ワーテルロー
1823モンロー宣言
1830七月革命
1832イギリス第 1 回選挙法改正
1848二月革命・1848 年革命・『共産党宣言』
1861イタリア王国成立、ロシア農奴解放令、南北戦争開始
1863奴隷解放宣言
1871ドイツ帝国成立、パリ=コミューン

6. よくある間違い


7. 自己チェック

  1. アメリカ独立の原因(課税・代表なくして課税なし)と独立宣言・憲法の内容を言えるか
  2. フランス革命の流れ(三部会 → 国民議会 → 人権宣言 → 共和政 → 恐怖政治 → ナポレオン)を年つきで言えるか
  3. ナポレオンの功績(法典)と影響(ナショナリズム)を言えるか
  4. ウィーン体制(正統主義・メッテルニヒ)と 1830・1848 年の革命を言えるか
  5. イタリア・ドイツ統一の人物と年、南北戦争の争点を言えるか
  6. 国民国家の 4 つの要素と裏側を言えるか

8. 小テストへ

→ 小テスト(ht-02)

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参考資料

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