中1 数学 / 数と式 / m1-07
関係を表す式 ── 等式・不等式
この単元でできるようになること
- 「等しい」という関係を、= を使った式(等式)で表せる
- 「以上・以下・より大きい・未満」を、不等号を使った式(不等式)で表せる
- 文章で書かれた数量の関係を、文字を使った等式・不等式に直せる
- 逆に、等式・不等式が何を表しているかを言葉で説明できる
入試での位置づけ
この単元は「文章を式に直す」訓練です。次の一次方程式の文章題は、ここでやる「言葉 → 等式」がそのまま最初の一手になります。入試の文章題で式が立てられない人は、方程式の解き方ではなく、この「関係を式にする」段階でつまずいていることがほとんどです。不等式は中1では「表す」だけで「解く」のは高校ですが、高校入試でも「x の値の範囲を不等式で表せ」の形で出ます。
1. 等式 ── 「等しい」を式にする
まずここだけ
等号 = を使って、2つの数量が等しいことを表した式を といいます。
1個 80 円のりんごを x 個買ったら、代金は 400 円だった。 → 80x = 400
= の左側を 、右側を 、両方を合わせて といいます。80x = 400 では、左辺が 80x、右辺が 400 です。
等式を作る手順
- 「何と何が等しいのか」を日本語で言う(「代金」と「400 円」が等しい)
- それぞれを式で表す(代金 = 80x、400 円 = 400)
- = でつなぐ
「等しいもの」は問題文に必ず2つあります。それを見つけるのが等式を作ることです。
例
| 文章 | 等しいもの | 等式 |
|---|---|---|
| 1本 a 円の鉛筆 5 本と 1冊 b 円のノート 2 冊で、代金は 700 円 | 代金 と 700 | 5a + 2b = 700 |
| x 人に 3 個ずつ配ると、みかんはちょうど y 個 | 配る個数 と y | 3x = y |
| 縦 a cm、横 b cm の長方形の周りの長さが 30 cm | 周りの長さ と 30 | 2(a + b) = 30 |
| 時速 x km で 3 時間走ったら y km 進んだ | 道のり と y | 3x = y |
| 1000 円出して a 円の品物を買うと、おつりは b 円 | おつり と b | 1000 − a = b |
よくある間違い
- 「1個 80 円で x 個で 400 円」を 80 + x = 400 にする → 代金は「単価 × 個数」。80x
- 周りの長さを a + b にする → 長方形は4辺。縦2本と横2本で 2(a + b)
- 単位を混ぜる:「1.5 km を x m」→ 1.5 = x としてしまう → 単位をそろえる。1500 = x
ここまでできれば十分
「等しいものを2つ見つけて = でつなぐ」ができれば、一次方程式の文章題の入口は突破しています。
2. 不等式 ── 「大小」を式にする
まずここだけ
不等号(<、>、≦、≧)を使って、数量の大小関係を表した式を といいます。
| 言葉 | 記号 | 意味 | 例(x と 5) |
|---|---|---|---|
| x は 5 より大きい | x > 5 | 5 は入らない | 6、7、5.1 は OK、5 は NG |
| x は 5 より小さい・未満 | x < 5 | 5 は入らない | 4、3、4.9 は OK、5 は NG |
| x は 5 以上 | x ≧ 5 | 5 も入る | 5、6、7 は OK |
| x は 5 以下 | x ≦ 5 | 5 も入る | 5、4、3 は OK |
「以上・以下」はその数をふくむ、「より大きい・より小さい・未満」はふくまない。この区別は入試でそのまま問われます(「5 以上」を x > 5 と書くと誤り)。
不等式を作る手順
等式と同じです。「何と何を比べているか」を見つけて、大小の向きと「ふくむ・ふくまない」を決めます。
1個 120 円のパンを x 個買ったら、代金は 1000 円以下だった。 → 代金 120x と 1000 を比べる。「以下」なので ≦。120x ≦ 1000
例
| 文章 | 不等式 |
|---|---|
| 1個 a 円の品物を 6 個買うと、代金は 500 円より高い | 6a > 500 |
| x 人に 4 個ずつ配ろうとしたら、みかん y 個では足りなかった | 4x > y |
| 身長 x cm の人は、150 cm 以上でなければならない | x ≧ 150 |
| 時速 a km で 2 時間走っても、b km に届かなかった | 2a < b |
| a と b の和は 10 未満 | a + b < 10 |
「足りない」「届かない」は「<」、「余る」「超える」は「>」に当たります。言葉から記号への言い換えを、上の表で確かめてください。
よくある間違い
- 「以上」を > にする → 以上はその数をふくむので ≧
- 「足りなかった」の向きを逆にする → 「4x 個必要だったが y 個しかなく足りない」= 4x > y。必要な数のほうが大きい
- 不等号の開いている側を逆にする → 開いているほうが大きい数(m1-01 参照)
3. 式が表している意味を読む
まずここだけ
入試では「式を作る」だけでなく、「この式は何を表しているか」も問われます。式を日本語に戻す練習です。
1個 a 円のりんごと 1個 b 円のみかんについて、3a + 2b = 500 は何を表すか。 → りんご 3 個とみかん 2 個の代金の合計が 500 円である。
同じ設定で a > b は? → りんご 1 個の値段のほうが、みかん 1 個の値段より高い。
手順
- 各項が何を表すか(3a = りんご 3 個分の代金)
- 左辺全体が何か(りんごとみかんの代金の合計)
- 記号の意味(= なら「〜である」、≦ なら「〜以下である」)を日本語にする
例
設定:ある店で、大人 1 人 a 円、子ども 1 人 b 円の入場料。
| 式 | 意味 |
|---|---|
| 2a + 3b = 2400 | 大人 2 人と子ども 3 人の入場料の合計が 2400 円 |
| a = 2b | 大人の入場料は子どもの 2 倍 |
| 4b < 3000 | 子ども 4 人の入場料は 3000 円より安い |
| a − b = 500 | 大人と子どもの入場料の差は 500 円 |
もう一歩(発展):割合・速さの関係式
割合:「a 円の x % 引き」は a × (1 − x/100) 円。x % は「100 分の x」です。
定価 a 円の品物を 20 % 引きで買ったら b 円だった → 0.8a = b(または a × (1 − 20/100) = b)
速さ:道のり = 速さ × 時間。時間 = 道のり ÷ 速さ。
家から x km の駅まで時速 4 km で歩いたら、かかった時間は 30 分以内だった → 時間は x/4 時間。30 分は 1/2 時間。x/4 ≦ 1/2
「分」と「時間」のように単位をそろえるのを忘れると、正しい式に見えて間違いになります。式を書く前に単位を確認する癖をつけてください。
4. 自己チェック
- 「等しい2つ」または「比べている2つ」を問題文から見つけたか
- 「以上・以下」は ≧ ≦(ふくむ)、「より・未満」は > <(ふくまない)にしたか
- 単位(円と円、km と km、時間と時間)はそろっているか
- 代金は「単価 × 個数」、道のりは「速さ × 時間」になっているか
5. 小テストへ
→ 小テスト(m1-07)
関連する単元
- 前提:m1-05 文字を使った式(表し方)
- 次に進む:m1-08 一次方程式の解き方、m1-09 一次方程式の利用
- ここで使う考え方が出てくる:m2-04 連立方程式(2つの等式を立てる)、m3-09 y=ax² の変域(不等式で範囲を表す)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 A 数と式 (2) 文字を用いた式 ── 「数量の関係や法則などを文字を用いた式に表すこと」「等式と不等式」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-07/ / 更新 2026-09-12