中1 数学 / 数と式 / m1-06
一次式の計算
この単元でできるようになること
- 「項」と「係数」の意味がわかり、式の中から見つけられる
- 同じ文字の項(3x と 5x など)をまとめられる
- 一次式どうしのたし算・ひき算ができる
- 一次式に数をかける・数でわる計算ができる(分配法則)
- かっこのついた一次式を、かっこを外してまとめられる
入試での位置づけ
計算問題として出題されやすい単元で、次の「一次方程式」「連立方程式」「一次関数」はすべてこの計算を前提にしています。方程式が解けない原因を調べると、方程式の考え方でなく この単元の「かっこの前の −」「同類項のまとめ方」で止まっていることがよくあります。ここを安定させると、中2・中3の計算のミスがまとめて減ります。
1. 項と係数
まずここだけ
2x − 3y + 5 という式は、たし算の形に直すと 2x + (−3y) + 5 です。この「たし算でつながれたひとつひとつ」を といいます。この式の項は 2x、−3y、5 の3つです。
文字を含む項で、文字にかけられている数を といいます。
- 2x の係数は 2
- −3y の係数は −3(符号もふくめて係数)
- x の係数は 1(1 は省かれているだけ)
- −x の係数は −1
- x/2 の係数は 1/2(x/2 = (1/2) × x だから)
文字を含まない項(5 など)は 定数項 といいます。
一次式とは
x のように文字が1つだけかけられている項(2x、−3y、x/2)を 一次の項 といい、一次の項だけ、または一次の項と定数項でできている式を といいます。
- 一次式の例:2x − 3、x/2 + 1、−4y
- 一次式でない例:x²(文字が2つかけられている=二次)、xy(x と y の2文字がかけられている=二次)
よくある間違い
- −3y の係数を「3」と答える → 符号もふくめて −3。あとで移項の計算で符号を落とす原因になる
- x の係数を「0」や「なし」と答える → 1 が省かれている。係数は 1
2. 同類項をまとめる
まずここだけ
文字の部分が同じ項どうし(3x と 5x、−2y と y)を といいます。同類項は、係数だけを計算して1つにまとめられます。
3x + 5x = (3 + 5)x = 8x 7x − 2x = (7 − 2)x = 5x 4x − 6x = (4 − 6)x = −2x
これは分配法則 (a + b)x = ax + bx を逆向きに使っています。「x が 3 個と 5 個で合わせて 8 個」と考えても同じです。
文字と数が混ざった式
4x + 3 − x + 2 をまとめる。
- 文字の項どうし:4x − x = 3x
- 数の項どうし:3 + 2 = 5
- 合わせて 3x + 5
3x + 5 はこれ以上まとまりません。3x は「x が3個」、5 は「1 が5個」で、種類が違うからです。「3x + 5 = 8x」は最も多い間違いで、りんご3個とみかん5個を「8りんご」とは言わないのと同じです。
例
| 式 | 文字の項 | 数の項 | 答え |
|---|---|---|---|
| 2x + 3x + 1 | 5x | 1 | 5x + 1 |
| 6a − 2 − 4a + 7 | 2a | 5 | 2a + 5 |
| −x + 4 + 3x − 9 | 2x | −5 | 2x − 5 |
| 5y − 5y + 2 | 0 | 2 | 2 |
よくある間違い
- 3x + 5 を 8x にする → 文字の項と数の項は別の種類。まとめられない
- 6a − 4a を 2 にする → 係数を引いたら 文字は残る。2a
- −x + 3x を「−4x」にする → −x の係数は −1。(−1 + 3)x = 2x
ここまでできれば十分
「同類項だけまとめる」「文字の項と数の項は分けておく」の2つが守れれば、この単元の土台は完成です。
3. 一次式のたし算・ひき算
まずここだけ
一次式どうしをたすときは、かっこをそのまま外して同類項をまとめます。
(2x + 3) + (4x − 1) = 2x + 3 + 4x − 1 = 6x + 2
ひくときは、ひく式のかっこの中の符号を全部反対にして外します(m1-02 の「ひく数の符号を変えてたす」と同じ理屈です)。
(2x + 3) − (4x − 1) = 2x + 3 − 4x + 1 = −2x + 4
「− (4x − 1)」の − は、4x と −1 の両方にかかります。−4x だけ変えて −1 をそのままにする(2x + 3 − 4x − 1)のが、この単元で一番多い失点です。
例
| 式 | かっこを外した形 | 答え |
|---|---|---|
| (5x − 2) + (x + 7) | 5x − 2 + x + 7 | 6x + 5 |
| (5x − 2) − (x + 7) | 5x − 2 − x − 7 | 4x − 9 |
| (−3x + 4) − (−2x − 6) | −3x + 4 + 2x + 6 | −x + 10 |
縦に書いて計算する方法
筆算のように、同類項が縦に並ぶように書く方法もあります。ひき算のときは、下の式の符号を全部変えてからたします。
5x − 2
−) x + 7 → 5x − 2
+) −x − 7
─────────
4x − 9
横書きで符号を間違えやすい人は、この形にすると見落としが減ります。
よくある間違い
- (2x + 3) − (4x − 1) を 2x + 3 − 4x − 1 にする → かっこの中の全部の項の符号を変える。−4x + 1
- 答えを「2x + 4x = 6x」のように、ひき算なのにたしてしまう → 符号を変えてから同類項をまとめる
4. 一次式と数のかけ算・わり算
まずここだけ
数 × 一次式 は分配法則で、かっこの中の全部の項に数をかけます。
3(2x − 5) = 3 × 2x + 3 × (−5) = 6x − 15 −2(x + 4) = −2 × x + (−2) × 4 = −2x − 8
一次式 ÷ 数 は、全部の項をその数でわります(逆数をかけると考えても同じ)。
(6x − 9) ÷ 3 = 6x ÷ 3 − 9 ÷ 3 = 2x − 3 (4x + 6) ÷ (−2) = −2x − 3
分数の形の一次式
(6x − 9)/3 のように分数の形で書かれていても、意味は「(6x − 9) ÷ 3」です。分子の全部の項を 3 でわります。
(6x − 9)/3 = 2x − 3
「6x/3 − 9」のように、分子の一部だけを割ってしまうのが典型的な失点です。分数の横線は、分子全体にかかるかっこだと思ってください。
例
| 式 | 計算 | 答え |
|---|---|---|
| 4(3x + 2) | 12x + 8 | 12x + 8 |
| −5(2x − 1) | −10x + 5 | −10x + 5 |
| (8x − 12) ÷ 4 | 2x − 3 | 2x − 3 |
| (10x + 5)/(−5) | −2x − 1 | −2x − 1 |
| (x/2) × 6 | 3x | 3x |
もう一歩(発展):かっこが2つある式
2(x + 3) − 3(2x − 1) のような式は、①それぞれのかっこを分配法則で外し、②同類項をまとめます。
- 2(x + 3) = 2x + 6
- −3(2x − 1) = −6x + 3 ← −3 を 両方にかける。(−3) × (−1) = +3
- 2x + 6 − 6x + 3 = −4x + 9
かっこの前が負の数のとき、かっこの中の2つ目の項の符号を間違えるのが、この形の失点のほとんどです。「−3 × (−1) は +3」と声に出して確かめてください。
分数の一次式のたし算(発展)
(x + 1)/2 + (x − 3)/4 は、分母をそろえて(通分して)計算します。
- 分母を 4 にそろえる:(x + 1)/2 = 2(x + 1)/4 = (2x + 2)/4
- (2x + 2)/4 + (x − 3)/4 = (2x + 2 + x − 3)/4 = (3x − 1)/4
分子は「かっこつきの一次式」として扱い、通分のときに分子全体に数をかけます。(x + 1)/2 を (2x + 1)/4 にするのは「分子の一部だけに 2 をかけた」間違いです。
5. 自己チェック
- 同類項だけをまとめたか(3x + 5 を 8x にしていないか)
- ひき算のかっこを外すとき、中の全部の項の符号を変えたか
- 分配法則で、かっこの中の全部の項にかけたか。負の数 × 負の数 は + にしたか
- 分数の形は、分子全体を割ったか
6. 小テストへ
→ 小テスト(m1-06)
関連する単元
- 前提:m1-02 正負の数の加法・減法、m1-04 四則の混じった計算(分配法則)、m1-05 文字を使った式
- 次に進む:m1-07 関係を表す式、m1-08 一次方程式の解き方
- ここで使う考え方が出てくる:m2-01 単項式と多項式の計算、m2-06 一次関数
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 A 数と式 (2) 文字を用いた式 ── 「簡単な一次式の加法と減法の計算をすること」「一次式と数との乗法・除法」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-06/ / 更新 2026-09-12