中3 数学 / 図形 / m3-14
円周角の定理
この単元でできるようになること
- 円周角と中心角の関係(円周角 = 中心角の半分)がわかり、角を求められる
- 同じ弧に対する円周角が等しいことを使える
- 半円の弧に対する円周角が 90° であることを使える
- 弧の長さと円周角が比例することを使える
- 円周角の定理の逆(4 点が同じ円周上にある条件)がわかる
入試での位置づけ
円周角は、角度を求める小問として出題されやすく、また円が出てくる証明(相似)の根拠としても頻出です。「同じ弧に対する円周角は等しい」が 2 組の角の 1 つを与え、「直径に対する円周角は 90°」が直角を与えます。二等辺三角形(半径が等しい)・三角形の外角と組み合わせて角を求める問題は、定番中の定番です。
1. 円周角と中心角
まずここだけ
円周上の 1 点 P から、弧 AB の両端に引いた線がつくる角 ∠APB を、弧 AB に対する といいます。弧 AB の両端と中心 O を結んでできる ∠AOB は 中心角(m1-15)です。
P
/ \
/ \ ∠APB:弧 AB に対する円周角
/ O \ ∠AOB:弧 AB に対する中心角
/ / \ \
A ─────────B
円周角の定理 ① 1 つの弧に対する円周角の大きさは、その弧に対する中心角の半分である ② 1 つの弧に対する円周角はすべて等しい(P が円周上のどこにあっても同じ)
- 中心角 ∠AOB = 80° → 円周角 ∠APB = 40°
- 円周角 ∠APB = 35° → 中心角 ∠AOB = 70°
なぜ半分か
P と O を結び、△OPA と △OPB が二等辺三角形(OP = OA = OB、半径)であることを使うと、外角の性質から ∠AOB = 2∠APB が示せます。「半径が等しい → 二等辺三角形 → 底角が等しい → 外角」の流れは、円の問題で角を求めるときにそのまま使います。
よくある間違い
- 円周角を中心角の 2 倍にする → 円周角が半分(中心角のほうが大きい)
- 「弧 AB に対する」を確かめずに、別の弧の円周角と比べる → 同じ弧に対する円周角どうしが等しい
- 中心角が 180° を超える場合(大きい弧)を忘れる → 円周角が 90° を超えるとき、中心角は 180° より大きい
2. 半円の弧・直径
まずここだけ
直径に対する円周角は 90°(半円の弧に対する中心角が 180° だから)。
P
/│\
/ │ \ AB が直径なら ∠APB = 90°
/ │ \
A────O────B
逆に、∠APB = 90° なら AB は直径(P は AB を直径とする円周上にある)。
「直径」「中心を通る」と書いてあったら、まず 90° の印をつける。直角三角形ができるので、三平方の定理(m3-16)や相似(直角三角形の相似)につながります。
例
AB が直径、∠BAP = 35° のとき ∠ABP は? ∠APB = 90° → ∠ABP = 180 − 90 − 35 = 55°
3. 円周角と弧の長さ
まずここだけ
1 つの円で
弧の長さが等しい ⇔ 円周角が等しい 弧の長さが 2 倍 → 円周角も 2 倍(円周角は弧の長さに比例)
円周を 6 等分する点をとると、隣り合う点の間の弧に対する円周角は 180 ÷ 6 = 30°(中心角 60° の半分) 弧 AB : 弧 CD = 2 : 3 で、弧 AB の円周角が 24° なら、弧 CD の円周角は 36°
「円周を n 等分」の問題は、1 つの弧に対する円周角 = 180°/n を単位にして数えます。
よくある間違い
- 弦の長さと円周角を比例させる → 比例するのは弧の長さ(弦は比例しない)
- 円周を 6 等分したときの円周角を 60° とする → 中心角が 60°、円周角は 30°
ここまでできれば十分
「円周角 = 中心角の半分」「同じ弧の円周角は等しい」「直径 → 90°」「n 等分 → 180°/n」の 4 つで角が求められれば、この単元の基本は合格です。
4. 角を求める定番
ここまでできれば十分(の次)
型①:半径で二等辺三角形 中心 O と円周上の 2 点を結んだ三角形は必ず二等辺三角形(OA = OB)。底角が等しいことから角を追う。
∠OAB = 25° のとき、弧 AB に対する円周角は? △OAB は二等辺で ∠OBA = 25°、∠AOB = 130°(中心角)→ 円周角 65°
型②:三角形の外角と組み合わせる 円周角で 2 つの角がわかったら、三角形の外角(m2-09)で残りの角を出す。
弦 AC と BD の交点を P とする。∠ABD = 30°、∠BAC = 40° のとき ∠APD は? ∠APD は △ABP の外角 = ∠ABP + ∠BAP = 30 + 40 = 70° (∠ABD = ∠ACD、∠BAC = ∠BDC も同時に成り立つ)
型③:接線と半径 円の接線は接点を通る半径に垂直(m1-15)→ 90° の印。
型④:円に内接する四角形 円に内接する四角形の向かい合う角の和は 180°(弧 BCD と弧 BAD の円周角の和が、中心角 360° の半分)。「円周上の 4 点」と書いてあれば、この性質が使えます。
円周角の定理の逆
2 点 C、P が直線 AB について同じ側にあり、∠ACB = ∠APB ならば、4 点 A、B、C、P は同じ円周上にある。
「4 点が 1 つの円周上にあることを証明せよ」は、この逆を使います。同じ辺(AB)を見込む角が等しいことを示せばよい。証明問題の中では「A、B、C、P は 1 つの円周上にあるので、円周角の定理より ∠… = ∠…」と、さらに角を移す道具にもなります。
もう一歩(発展):角を追う手順
円の角度問題は、次の順に印をつけると解けます。
- 直径があれば 90°
- 半径 2 本の三角形に二等辺の印(底角)
- 同じ弧の円周角に同じ印
- 中心角と円周角の 2 倍・半分
- 残りは三角形の内角・外角、内接四角形の対角の和 180°
わかった角を図に書き込みながら進めれば、ほとんどの問題は 2〜3 手で x に届きます。
5. 自己チェック
- 円周角は中心角の半分か(2 倍と逆にしていないか)
- 「同じ弧」に対する円周角どうしを等しいとしたか
- 直径を見たら 90° の印をつけたか
- 半径 2 本の三角形を二等辺三角形として使ったか
- 円周を n 等分したとき、1 つの弧の円周角は 180°/n か
6. 小テストへ
→ 小テスト(m3-14)
関連する単元
- 前提:m1-15 円とおうぎ形、m2-09 平行線と角、m2-11 二等辺三角形
- 次に進む:m3-15 円周角の利用・円と相似
- ここで使う考え方が出てくる:m3-17 三平方の定理の利用(円と直角三角形)
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第3学年 B 図形 (2) 円周角と中心角 ── 「円周角と中心角の関係の意味を理解し、それが証明できること」「円周角と中心角の関係を具体的な場面で活用すること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m3-14/ / 更新 2026-09-12