中2 理科 / 物理 / s2-03
静電気・電流と磁界・電磁誘導
この単元でできるようになること
- 静電気の起こり方(摩擦で電子が移動)と、同種は反発・異種は引き合うことが説明できる
- 陰極線(電子線)が −極から出て +極に引かれること、電流の正体は電子の流れ(向きは逆)だと言える
- 磁界の向き(N 極が指す向き)、磁力線、電流のまわりの磁界(右ねじ)、コイルの磁界(右手)を図で表せる
- 電流が磁界から受ける力の向き(フレミング左手の法則)と、力を大きくする方法が言える
- 電磁誘導(コイルの中の磁界が変化 → 誘導電流)で、電流の向き・大きさを変える条件が言える
- 直流と交流のちがい、放射線の基本が言える
入試での位置づけ
電流が磁界から受ける力(向きの判定と「大きくする方法」)と電磁誘導(磁石を出し入れしたときの電流の向き、検流計の振れ)が定番。計算は少なく、向きの判定と理由の記述が中心です。
1. 静電気と電子
まずここだけ
- 2 種類の物質をこすると、−の電気をもつ電子が一方から他方へ移動。電子を受け取った側が −、失った側が +。
- 同じ種類の電気は反発、ちがう種類は引き合う。
- 放電:たまった電気が流れ出す(雷・静電気のパチッ)。真空放電:気圧を下げた管に高い電圧で電流が流れて光る(蛍光灯・ネオン)。
陰極線(電子線):真空放電管で −極(陰極)から出る電子の流れ。
- 蛍光板を光らせる、まっすぐ進む、金属板で影ができる
- 電極板の間を通すと +極側に曲がる(電子が − だから)
- 磁石を近づけても曲がる
電流の正体:電流は「+ → −」と決めたが、実際に動くのは電子が − → +(逆向き)。
2. 磁界
まずここだけ
- 磁界:磁力がはたらく空間。磁界の向き = 方位磁針の N 極が指す向き。
- 磁力線:N 極から出て S 極に入る。間隔がせまいほど磁界が強い。交わらない。
電流のまわりの磁界(まっすぐな導線):
- 導線を中心とした同心円。右ねじの法則:電流の向きにねじを進めると、ねじを回す向きが磁界の向き
- 電流に近いほど、電流が大きいほど強い
コイルの磁界:
- 右手:4 本の指を電流の向きに巻くと、親指の向きが N 極(コイル内部の磁界の向き)
- 強くする:電流を大きく・巻数を多く・鉄しんを入れる(電磁石)
3. 電流が磁界から受ける力(モーターの原理)
まずここだけ
磁界の中の導線に電流を流すと、導線は電流にも磁界にも垂直な向きに力を受ける。
フレミングの左手の法則:左手の 中指 = 電流、人さし指 = 磁界、親指 = 力(「電・磁・力」の順)。
向きを逆にする:電流の向き or 磁界の向きのどちらか一方を逆にすると力の向きが逆。両方逆なら同じ。 力を大きくする:電流を大きく(電圧を上げる・抵抗を小さく)、磁界を強く(強い磁石)。
モーター:コイルが半回転するごとに整流子で電流の向きを切り替え、同じ向きに回り続ける。
4. 電磁誘導(発電機の原理)
ここまでできれば十分
電磁誘導:コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電圧が生じて電流が流れる。この電流を誘導電流という。
| 誘導電流の向き | |
|---|---|
| N 極を近づける | ある向き(コイルは N 極を押し返す向きの磁界をつくる) |
| N 極を遠ざける | 逆向き |
| S 極を近づける | N 極を近づけたときと逆向き |
| S 極を遠ざける | N 極を近づけたときと同じ向き |
| 磁石を止める | 流れない(変化しないから) |
大きくする:磁石を速く動かす・磁石を強く・コイルの巻数を多く。
発電機:磁石やコイルを回して磁界を変化させ続ける。手回し発電機・自転車のライト。
5. 直流と交流
ここまでできれば十分
| 直流(DC) | 交流(AC) | |
|---|---|---|
| 向き | 一定 | 周期的に変わる |
| 例 | 乾電池・電池 | 家庭のコンセント |
| オシロスコープ | 横一直線 | 波形 |
| 周波数 | ── | 東日本 50 Hz・西日本 60 Hz(1 秒間に向きが変わる回数の目安) |
交流は変圧器で電圧を変えやすいので送電に使われる。
放射線(発展)
- 放射線:α 線・β 線・γ 線・X 線など。目に見えない、物質を透過する、原子をイオンにする性質。
- 放射性物質:放射線を出す物質。放射能:放射線を出す能力。
- 単位:シーベルト(Sv)(人体への影響)、ベクレル(Bq)(放射能の強さ)。
- 利用:レントゲン、CT、がん治療、品種改良、非破壊検査。自然界にも存在(宇宙・大地・食物)。
6. よくある間違い
- 陰極線を「+極から出る」とする(−極から)
- 磁界の向きを「S 極が指す向き」にする(N 極)
- フレミングの右手でやる(中学は左手)/指の割り当て(中指=電流、人さし指=磁界、親指=力)
- 磁石を止めているのに誘導電流が流れるとする(変化がないと流れない)
- 「電流と磁界の両方を逆にすると力が逆」(両方逆なら同じ)
7. 自己チェック
- 電子は −。受け取った側が −。同種反発・異種引き合う
- 陰極線:−極から出て +極側に曲がる。電流の向きと電子の動きは逆
- 磁界の向き = N 極の指す向き。右ねじ・右手
- 左手:電・磁・力。電流または磁界を逆で力が逆。電流大・磁界強で力大
- 電磁誘導:磁界の変化 → 誘導電流。速く・強く・巻数多くで大きく。止めると 0
8. 小テストへ
→ 小テスト(s2-03)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(3) 電流とその利用 ア(イ) 電流と磁界/(ア) 静電気と電流」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s2-03/ / 更新 2026-09-12