中2 理科 / 物理 / s2-01
回路と電流・電圧・オームの法則
この単元でできるようになること
- 直列回路・並列回路で、電流と電圧がどう分かれるかがわかる
- 電流計・電圧計のつなぎ方(直列/並列、端子の選び方)がわかる
- V = RI で、電圧・電流・抵抗のうち 2 つから残りを求められる
- 直列の合成抵抗 R = R₁ + R₂、並列の合成抵抗 1/R = 1/R₁ + 1/R₂ が使える
- 電流 − 電圧のグラフから抵抗を読み取れる(傾きが大きいほど抵抗は小さい)
入試での位置づけ
オームの法則は中 2 物理の中心で、公立入試ではほぼ毎年、直列・並列の混じった回路で電流・電圧・抵抗を求める問題が出ます。「直列は電流が同じ、並列は電圧が同じ」の 2 つの原則と、V = RI をどこに当てはめるかがすべて。次の電力(s2-02)と合わせて 1 つの大問になります。
1. 回路の基本
まずここだけ
| 用語 | 記号・単位 | 意味 |
|---|---|---|
| 電流 | I [A](アンペア)、1 A = 1000 mA | 電気の流れの大きさ。電源の+極から出て−極へ |
| 電圧 | V [V](ボルト) | 電流を流そうとするはたらき |
| 抵抗 | R [Ω](オーム) | 電流の流れにくさ |
電流計:測りたい部分に直列につなぐ。−端子は 5 A → 500 mA → 50 mA の順に大きいものから試す(針が振り切れないように)。 電圧計:測りたい部分に並列につなぐ。−端子は 300 V → 15 V → 3 V の順。
回路図の記号:電源(長い線が+)、抵抗(長方形)、スイッチ、電流計 Ⓐ、電圧計 Ⓥ、電球。
2. 直列回路と並列回路
まずここだけ
直列回路(1 本道)
- 電流はどこも同じ:I = I₁ = I₂
- 電圧は分かれる(足すと全体):V = V₁ + V₂
- 抵抗が大きいほうに大きい電圧がかかる
並列回路(枝分かれ)
- 電圧はどの枝も同じ:V = V₁ = V₂
- 電流は分かれる(足すと全体):I = I₁ + I₂
- 抵抗が小さいほうに大きい電流が流れる
覚え方:直列は電流が「通り道 1 本」だから同じ、並列は「電源に直接つながっている」から電圧が同じ。
図:直列は電流がどこも同じ、並列は電圧がどこも同じ。
直列:電源 6 V、抵抗 A に 2 V かかると抵抗 B は 6 − 2 = 4 V。電流は A も B も同じ 並列:電源 6 V なら A も B も 6 V。A に 0.3 A、B に 0.2 A なら全体は 0.5 A
3. オームの法則
まずここだけ
V = R × I(電圧 = 抵抗 × 電流)
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 電圧 V | R × I |
| 電流 I | V ÷ R |
| 抵抗 R | V ÷ I |
単位をそろえる:mA は A に直す(300 mA = 0.3 A)。
20 Ω の抵抗に 0.3 A → V = 20 × 0.3 = 6 V 6 V で 0.2 A → R = 6 ÷ 0.2 = 30 Ω 10 Ω に 5 V → I = 5 ÷ 10 = 0.5 A = 500 mA
電流 − 電圧のグラフ
横軸 電圧、縦軸 電流なら原点を通る直線(比例)。傾きが大きい(急)ほど電流が流れやすい = 抵抗が小さい。抵抗 = 電圧 ÷ 電流 をグラフの 1 点から読む。
4. 合成抵抗
ここまでできれば十分
回路全体を 1 つの抵抗とみなしたときの抵抗。
直列:R = R₁ + R₂(足すだけ。全体は大きくなる) 並列:1/R = 1/R₁ + 1/R₂ → R = R₁R₂/(R₁ + R₂)(全体はどちらよりも小さくなる)
10 Ω と 30 Ω を直列:40 Ω 10 Ω と 30 Ω を並列:1/R = 1/10 + 1/30 = 4/30 → R = 7.5 Ω(= 10 × 30/40) 同じ抵抗 R を 2 つ並列:R/2
回路の計算手順
- 回路の形(直列か並列か、混合か)を確かめる
- わかっている量を図に書き込む
- 直列なら「電流同じ」、並列なら「電圧同じ」を使って、V = RI を1 つの抵抗ごとに当てはめる
- 全体の電流・電圧は足し算で
例(混合):20 Ω と 30 Ω を並列にし、それに 8 Ω を直列につないで電源 10 V。 並列部分の合成抵抗 20 × 30/50 = 12 Ω。全体 12 + 8 = 20 Ω。全体の電流 10 ÷ 20 = 0.5 A。 8 Ω の電圧 8 × 0.5 = 4 V、並列部分の電圧 10 − 4 = 6 V。20 Ω の電流 6 ÷ 20 = 0.3 A、30 Ω の電流 6 ÷ 30 = 0.2 A(合計 0.5 A ✓)
5. 抵抗の性質(発展)
もう一歩
- 同じ材質なら、長いほど抵抗は大きく(比例)、太い(断面積が大きい)ほど小さい(反比例)
- 導体(金属)、不導体(絶縁体)(ゴム・ガラス)、半導体
- 電熱線の抵抗は温度で変わるが、中学では一定とみなす
6. よくある間違い
- 電流計を並列に、電圧計を直列につなぐ(逆。電流計は直列、電圧計は並列)
- 並列回路で「電流がどこも同じ」としてしまう(同じなのは電圧)
- mA を A に直さず計算する
- 並列の合成抵抗を足す(直列だけ足す)
- V = RI の並べ方を混同(電圧が一番大きい記号 V)
7. 自己チェック
- 電流計は直列・5 A 端子から、電圧計は並列・300 V 端子から
- 直列:電流同じ・電圧分かれる。並列:電圧同じ・電流分かれる
- V = RI、単位は A・V・Ω
- 直列 R₁ + R₂、並列 R₁R₂/(R₁ + R₂)
- グラフの傾きが急 = 抵抗小
8. 小テストへ
→ 小テスト(s2-01)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(3) 電流とその利用 ア(ア) 電流」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s2-01/ / 更新 2026-09-12