中2 理科 / 物理 / s2-02
電力・電力量・発熱量
この単元でできるようになること
- P = VI [W] を計算し、「100 V − 500 W」の表示から電流や抵抗が求められる
- 電力量 = 電力 × 時間 [J]、[Wh]、[kWh] の変換ができる
- 発熱量 = 電力 × 時間 [J] と、水の温度上昇(1 g を 1 ℃ 上げるのに約 4.2 J)の関係がわかる
- 電熱線の発熱の実験(水の上昇温度は電力と時間に比例)を読み取れる
- 家庭の電気(並列つなぎ・電気料金)の計算ができる
入試での位置づけ
電力は s2-01 のオームの法則と組み合わせて、「電熱線で水を温める実験」として公立入試で頻出です。「電力が大きいほど、時間が長いほど水温の上がり方が大きい」というグラフの読み取りと、W・J・Wh の単位換算が問われます。
1. 電力
まずここだけ
電力 P [W] = 電圧 V [V] × 電流 I [A](1 秒間に使う電気エネルギー)
V = RI を使うと P = RI² = V²/R とも書ける。
100 V で 5 A → 500 W 「100 V − 500 W」の電気ポット → 電流 500 ÷ 100 = 5 A、抵抗 100 ÷ 5 = 20 Ω 「100 V − 40 W」の電球 → 電流 0.4 A、抵抗 250 Ω(抵抗が大きいほど電力は小さい)
表示は「その電圧で使ったときの電力」。50 V で使えば電流も電圧も半分になり、電力は 1/4。
2. 電力量
まずここだけ
電力量 [J] = 電力 [W] × 時間 [s](使った電気エネルギーの総量)
家庭では Wh、kWh を使う:電力量 [Wh] = 電力 [W] × 時間 [h]、1 kWh = 1000 Wh。
| 単位 | 換算 |
|---|---|
| 1 J = 1 W × 1 s | |
| 1 Wh = 3600 J | 1 W × 3600 s |
| 1 kWh = 1000 Wh = 3,600,000 J |
500 W を 3 分(180 秒)→ 500 × 180 = 90,000 J 1000 W を 2 時間 → 2000 Wh = 2 kWh 1 kWh 30 円なら 60 円
3. 発熱量
まずここだけ
電熱線で発生する熱量(発熱量)も Q [J] = 電力 [W] × 時間 [s]。
水の温まり方:水 1 g の温度を 1 ℃ 上げるのに約 4.2 J(教科書・問題文で与えられる)。 上昇温度 ∝ 電力 × 時間 ÷ 水の質量
4 W の電熱線で 100 g の水を 5 分(300 s)温める:発熱量 4 × 300 = 1200 J。すべて水に伝わると 1200 ÷ (4.2 × 100) ≒ 2.9 ℃ 上昇(実際は熱が逃げるので少し小さい)
実験の読み取り
同じ水の量・同じ時間なら、電力が大きい電熱線ほど水温の上昇が大きい(比例)。同じ電熱線なら、時間に比例して水温が上がる。 「6 V − 6 W」「6 V − 9 W」「6 V − 18 W」の電熱線を 6 V で使うと、上昇温度の比は 6 : 9 : 18 = 1 : 1.5 : 3。
4. 家庭の電気
ここまでできれば十分
- 家庭の配線は並列:各器具に 100 V がかかり、それぞれの電流が足し合わさる
- 多くの器具を同時に使うと全体の電流が大きくなり、ブレーカーが落ちる(例:20 A の回路で 1200 W のドライヤー(12 A)と 1000 W の電子レンジ(10 A)を同時に使うと 22 A > 20 A)
- 電気料金 = 電力量 [kWh] × 単価
100 W の電球を 1 日 5 時間、30 日使う:100 × 5 × 30 = 15,000 Wh = 15 kWh。30 円/kWh なら 450 円。
5. よくある間違い
- 電力量の時間を「分」のまま計算する(J なら秒、Wh なら時間)
- 「100 V − 500 W」の 500 W を 50 V でも 500 W と思う(1/4 になる)
- 直列につないだ 2 つの電球で「W の大きいほうが明るい」と答える(直列では電流が同じなので抵抗の大きい(W の小さい)ほうに大きい電圧がかかり明るい)
- 発熱量と温度上昇を混同(温度上昇は水の量で割る)
6. 自己チェック
- P = VI、表示の W から電流 = W ÷ V
- 電力量 J = W × 秒、Wh = W × 時間、1 kWh = 1000 Wh
- 発熱量 = 電力 × 時間。水温上昇は電力・時間に比例、水の量に反比例
- 家庭は並列で 100 V。電流の合計でブレーカー
- 直列の 2 電球は抵抗の大きいほうが明るい
7. 小テストへ
→ 小テスト(s2-02)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(3) 電流とその利用 ア(ア) 電流(電気とそのエネルギー)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s2-02/ / 更新 2026-09-12