中2 理科 / 化学 / s2-05
化学変化と質量 ── 質量保存の法則・反応する質量の比
この単元でできるようになること
- 質量保存の法則(化学変化の前後で全体の質量は変わらない)と、密閉・開放での実験の違いがわかる
- 金属と酸素が結びつく質量の比(銅:酸素 = 4 : 1、マグネシウム:酸素 = 3 : 2)が使え、酸化物の質量や未反応の金属が計算できる
- 金属と酸化物の質量のグラフ(比例)を読み、反応の量的関係が求められる
- 炭酸水素ナトリウムと塩酸のように気体が発生する反応で、減った質量から発生した気体の質量が求められる
- 「一方が余る」場合の計算ができる
入試での位置づけ
公立入試の化学で最もよく出る計算が、金属の加熱と質量比です。「4 : 1」「3 : 2」の比例計算そのものはやさしいですが、「加熱が不十分で一部が反応していない」「混合物の中の銅の割合」といった応用が差をつけます。グラフの読み取り(比例定数 = 質量比)が必須。
1. 質量保存の法則
まずここだけ
化学変化の前後で、物質全体の質量は変わらない(原子の組み合わせが変わるだけで、原子の種類と数は変わらないから)。
密閉容器での実験:うすい硫酸と塩化バリウム水溶液(沈殿ができる)、炭酸水素ナトリウムと塩酸(気体が出る)── ふたをしたままなら反応前後で質量は同じ。
開放すると:気体(二酸化炭素)が逃げるので、減った分 = 発生した気体の質量。
密閉容器で炭酸水素ナトリウム 1.0 g と塩酸を反応させ、全体 60.0 g のまま。ふたを開けると 59.6 g → 発生した二酸化炭素は 0.4 g
金属の加熱:酸素が結びつくので質量は増える(増えた分 = 結びついた酸素の質量)。スチールウールを燃やすと重くなる。
2. 反応する質量の比
まずここだけ
物質が反応するときの質量の比は一定。
| 反応 | 質量の比 |
|---|---|
| 銅 + 酸素 → 酸化銅(2Cu + O₂ → 2CuO) | 銅 : 酸素 : 酸化銅 = 4 : 1 : 5 |
| マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム(2Mg + O₂ → 2MgO) | Mg : 酸素 : MgO = 3 : 2 : 5 |
銅 2.0 g を完全に酸化 → 酸素 0.5 g、酸化銅 2.5 g マグネシウム 1.5 g → 酸素 1.0 g、酸化マグネシウム 2.5 g 酸化銅 4.0 g にふくまれる銅 → 4.0 × 4/5 = 3.2 g
グラフ:横軸 金属の質量、縦軸 酸化物の質量 → 原点を通る直線。傾きが 5/4(銅)、5/3(マグネシウム)。横軸 金属、縦軸 結びついた酸素なら傾き 1/4、2/3。
図:原点を通る直線 = 比例。傾きが質量比(銅 1/4・マグネシウム 2/3)。
同じ質量の酸素と結びつく金属の比(発展)
酸素 1 g と結びつく銅は 4 g、マグネシウムは 1.5 g。→ 銅 : Mg = 8 : 3(同じ質量の酸素に対して)。「同じ質量の金属を加熱したとき、結びつく酸素はマグネシウムのほうが多い」。
3. 反応しきっていないとき
ここまでできれば十分
加熱が不十分で一部の金属が残っている問題。
銅 4.0 g を加熱したら 4.5 g になった。反応していない銅は何 g か。 増えた 0.5 g が酸素。酸素 0.5 g と反応する銅は 0.5 × 4 = 2.0 g。残り 4.0 − 2.0 = 2.0 g が未反応。
手順:① 増えた質量 = 酸素 ② 酸素 × 4(または × 3/2)= 反応した金属 ③ もと − 反応した = 未反応。
混合物
銅と酸化銅の混合物 5.0 g を完全に加熱すると 5.5 g になった。もとの銅は? 増えた 0.5 g が酸素 → 銅 2.0 g(酸化銅はすでに酸化していて増えない)
4. 気体が発生する反応
ここまでできれば十分
炭酸水素ナトリウム + 塩酸 → 塩化ナトリウム + 水 + 二酸化炭素(NaHCO₃ + HCl → NaCl + H₂O + CO₂)
炭酸水素ナトリウムの質量を増やしていくと、発生する二酸化炭素は比例して増えるが、塩酸がなくなると頭打ちになる(グラフが折れて水平)。
塩酸 20 cm³ に炭酸水素ナトリウムを 1.0 g、2.0 g、3.0 g、4.0 g と加えると、二酸化炭素が 0.5 g、1.0 g、1.5 g、1.5 g 発生した。 → 3.0 g までは比例(1.0 g あたり 0.5 g)、3.0 g で塩酸がちょうど反応しきる。4.0 g では 1.0 g が余る。塩酸を 2 倍(40 cm³)にすれば 6.0 g まで反応する。
「どちらが余るか」を折れ点から読むのがこの型の中心。
5. よくある間違い
- 質量保存の法則を「気体が出る反応では成り立たない」と思う(逃げただけで、閉じていれば成り立つ)
- 銅 : 酸化銅 = 4 : 1 とする(4 : 5。4 : 1 は銅 : 酸素)
- 未反応の問題で、増えた質量をそのまま「反応した銅」にする
- グラフの傾きを読みちがえる(縦軸が酸化物か酸素かを確認)
- 折れ点のあとも比例が続くと思う
6. 自己チェック
- 反応前後で質量は同じ(密閉)。開放で減った分 = 逃げた気体
- 銅 : O : CuO = 4 : 1 : 5、Mg : O : MgO = 3 : 2 : 5
- 増えた質量 = 酸素 → × 4 or × 3/2 で反応した金属
- 折れ点 = ちょうど反応しきる量。その先は一方が余る
- グラフの軸(酸化物か酸素か)を確認
7. 小テストへ
→ 小テスト(s2-05)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(4) 化学変化と原子・分子 ア(ウ) 化学変化と物質の質量」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s2-05/ / 更新 2026-09-12