勉強法

更新 2026-09-18 / 引用した論文はすべて DOI を確認しています

交互練習(混ぜて解く) ── 型ごとに並んだ問題集の弱点を埋める

一言で

問題集は「今日の単元の問題が 12 問並ぶ」形がふつうです。この形だと、問題を読む前から解き方がわかっています。交互練習は、今日の型と前の単元の型を混ぜて並べて解くやり方で、「どの解き方を使うか」を毎回自分で選ぶ練習になります。 中学生の教室で確かめられており、練習中の正解率は下がるのに、あとのテストでは上回ります。

何が分かっているか

Rohrer & Taylor(2007) ── 大学生・2 つの実験。数学の問題を「型ごとにまとめて解く」群と「混ぜて解く」群に分け、1 週間後にテスト。混ぜた群が大きく上回りました(要旨には「vastly superior」とありますが、具体的な % は要旨に無いので数字は書きません)。

Rohrer, Dedrick & Stershic(2015) ── 中学 1 年生(アメリカの 7 年生)126 人。3 か月間、同じ練習問題を「混ぜた順」と「型ごとにまとめた順」で解かせ、最後に予告なしのテスト。混ぜて解いた生徒のほうが 1 日後のテストでも 30 日後のテストでも高得点で、差の大きさは1 日後で d = 0.42、30 日後で d = 0.79(d は「差の大きさ」の指標で、0.2 が小・0.5 が中・0.8 が大の目安)。時間がたつほど差が開いたのがポイントです。

Rohrer, Dedrick, Hartwig & Cheung(2020) ── 7 年生の数学 54 クラスを対象にした、事前登録つきのランダム化比較試験(何を測るかをあらかじめ登録してから行う、信頼度の高いやり方)。4 か月間、混ぜた宿題と型ごとの宿題を割り当て、1 か月後に予告なしのテスト。混ぜた群 61%、型ごとの群 38%(d = 0.83)。先生は特別な研修なしで実施でき、結果を知る前のアンケートで先生たち自身がこのやり方を支持していました。

Dunlosky ら(2013) ── 10 種類の勉強法の総説で、交互練習は「有用性:中」。練習テスト・分散練習(「高」)の次の評価です。なお、上の 2015 年・2020 年の教室実験はこの総説(2013 年)より後に出たもので、総説の評価には入っていません。

よくある誤解

「混ぜると練習中に間違えが増えるから、悪いやり方だ」 練習中の正解率が下がるのは、この方法の一部です。Rohrer らの実験でも、練習中は型ごとの群のほうがよく解けていて、差が出たのはあとのテストです。「できていない気分」になるのが普通だと知っておいてください。

「習ったその日から混ぜればよい」 何も知らない状態で混ぜても、選びようがありません。新しい型を習った日は、まず型ごとに数問解いて手順を覚えてから(解答例から学ぶ)混ぜます。

「交互練習は数学だけの話」 確かめられているのは主に数学ですが、「どの型かを自分で見分ける」必要がある教科なら同じ考え方が使えます。英語の文法(不定詞か動名詞か)、理科の計算(密度・オーム・湿度)、社会の対応表(出来事と人物)などです。ただし数学以外で同じ大きさの差が出るかは、このサイトで引いた論文からは言えません。

このサイトでの使い方

各単元の小テストは「その単元だけ」で出ますが、混ぜて解くための入口も用意してあります。

注意点

引いた論文

番号は docs/参考文献ログ.md の #。すべて DOI を開いて書誌と要旨を確認しています。