勉強法

更新 2026-10-04 / 引用した論文はすべて DOI を確認しています

交互練習(混ぜて解く) ── 型ごとに並んだ問題集の弱点を埋める

一言で

問題集は「今日の単元の問題が 12 問並ぶ」形がふつうです。この形だと、問題を読む前から解き方がわかっています。 交互練習は、今日の型と前の単元の型を混ぜて並べて解くやり方です。「どの解き方を使うか」を毎回自分で選ぶ練習になります。 中学生の教室で確かめられています。練習中の正解率は下がるのに、あとのテストでは上回ります。

今日からやること

  1. 問題集を解くとき、今日の単元を 6 問やったら、前の単元から 6 問を混ぜる。順番はばらばらにする
  2. 解く前に、問題の横に「何の型か」(例:一次関数・連立方程式)を書いてから解く
  3. 定期テスト 2 週間前は、範囲の全単元から 1〜2 問ずつ集めて 1 枚にまとめ、実力テストの形で解く

何が分かっているか

Rohrer & Taylor(2007) 大学生を対象にした 2 つの実験です。数学の問題を「型ごとにまとめて解く」群と「混ぜて解く」群に分け、1 週間後にテストしました。 混ぜた群が大きく上回りました。要旨には「vastly superior」(はるかに上)とありますが、具体的な % は要旨に無いので数字は書きません。

Rohrer, Dedrick & Stershic(2015)

効果量 d は差の大きさの目安で、0.2 が小・0.5 が中・0.8 が大です。時間がたつほど差が開いたのがポイントです。

Rohrer, Dedrick, Hartwig & Cheung(2020) 7 年生の数学 54 クラスを対象にした、事前登録つきのランダム化比較試験です。何を測るかを先に登録し、くじ引きで群を分ける、信頼度の高いやり方です。 4 か月間、混ぜた宿題と型ごとの宿題を割り当て、1 か月後に予告なしのテストをしました。混ぜた群 61%、型ごとの群 38%(d = 0.83)でした。 先生は特別な研修なしで実施できました。結果を知る前のアンケートでも、先生たち自身がこのやり方を支持していました。

Dunlosky ら(2013) 10 種類の勉強法をまとめた総説で、交互練習は「有用性:中」でした。練習テスト・分散練習(「高」)の次です。 なお上の 2015 年・2020 年の教室実験は、この総説(2013 年)より後に出たものです。総説の評価には入っていません。

よくある誤解

「混ぜると練習中に間違えが増えるから、悪いやり方だ」 練習中の正解率が下がるのは、この方法の一部です。Rohrer らの実験でも、練習中は型ごとの群のほうがよく解けていました。差が出たのはあとのテストです。 「できていない気分」になるのが普通だと知っておいてください。

「習ったその日から混ぜればよい」 何も知らない状態で混ぜても、選びようがありません。新しい型を習った日は、まず型ごとに数問解いて手順を覚えます(解答例から学ぶ)。混ぜるのはそのあとです。

「交互練習は数学だけの話」 確かめられているのは主に数学です。ただ「どの型かを自分で見分ける」必要がある教科なら、同じ考え方が使えます。 たとえば英語の文法(不定詞か動名詞か)、理科の計算(密度・オーム・湿度)、社会の対応表(出来事と人物)などです。ただし数学以外で同じ大きさの差が出るかは、ここで引いた論文からは言えません。

このサイトでの使い方

各単元の小テストは「その単元だけ」で出ます。混ぜて解くための入口も用意してあります。

注意点

引いた論文

番号は docs/参考文献ログ.md の #。すべて DOI を開いて書誌と要旨を確認しています。