数学Ⅰ / 図形と計量 / h1-11

更新 2026-09-12

正弦定理・余弦定理 ── 三角形の辺と角を求める

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

共通テスト数学Ⅰ「図形と計量」の大問は、余弦定理で辺 → 正弦定理で外接円の半径 → 面積(h1-12の流れが定番です。「三角形の 3 辺が与えられて cos A を出す」は毎年のように出ます。数学Ⅱの図形と方程式・数学C のベクトルでも同じ計算が現れます。


1. 記号の約束

三角形 ABC で、角 A の向かいの辺を a、B の向かいを b、C の向かいを c と書く。外接円(3 頂点を通る円)の半径を R と書く。


2. 正弦定理

まずここだけ

a / sin A = b / sin B = c / sin C = 2R

辺 ÷ 向かいの角の sin」はどの組でも等しく、外接円の直径 2R に等しい。

使いどころ

例 1:a = 4、A = 30°、B = 45° のとき b 4 / sin 30° = b / sin 45° → 4 / (1/2) = b / (√2/2) → 8 = 2b/√2 → b = 4√2

例 2:a = 6、A = 60° の三角形の外接円の半径 2R = 6 / sin 60° = 6 / (√3/2) = 12/√3 = 4√3 → R = 2√3

例 3:a = 2、b = √6、A = 45° のとき B 2 / sin 45° = √6 / sin B → sin B = √6 × (√2/2) / 2 = √12/4 = √3/2 → B = 60° または 120° どちらも A + B < 180° なので両方が解(三角形が 2 通りある)

sin から角を出すと 2 つ出るh1-10)。A + B < 180° を満たすか確かめて、両方残るなら両方答える。


3. 余弦定理

まずここだけ

a² = b² + c² − 2bc cos A b² = c² + a² − 2ca cos B c² = a² + b² − 2ab cos C

「求めたい辺の 2 乗 = 他の 2 辺の 2 乗の和 − 2 × 他の 2 辺 × はさむ角の cos」。cos A = 0(A = 90°)なら三平方の定理になる。

使いどころ

例 4:b = 3、c = 5、A = 60° のとき a a² = 9 + 25 − 2・3・5・(1/2) = 34 − 15 = 19 → a = √19

例 5:a = 7、b = 5、c = 3 のとき A cos A = (b² + c² − a²) / 2bc = (25 + 9 − 49) / 30 = −15/30 = −1/2A = 120°

角を求める形

cos A = (b² + c² − a²) / 2bc(分子は「A の向かいの辺だけ引く」)

角の種類の判定

cos A の符号で決まる(a が最大辺のとき):

条件
A が鋭角a² < b² + c²
A が直角a² = b² + c²
A が鈍角a² > b² + c²

3 辺が 4、5、6 の三角形:最大辺 6 の向かいの角は 36 < 16 + 25 = 41 → 鋭角三角形 3 辺が 3、5、7:49 > 9 + 25 = 34 → 鈍角三角形


4. どちらを使うか

ここまでできれば十分

わかっているもの求めるもの使う定理
2 辺 + 間の角残りの辺余弦定理
3 辺余弦定理(cos の形)
1 辺 + 2 角正弦定理
2 辺 + 向かいの角正弦定理(解 2 つに注意)
何でも外接円の半径 R正弦定理

「間の角」なら余弦、「向かいの角」なら正弦。迷ったら、式を書いてみて未知数が 1 つだけになるほうを選ぶ。

典型の流れ(共通テスト型)

AB = 3、AC = 5、∠A = 120° の三角形 ABC で、BC と外接円の半径 R ① 余弦定理:BC² = 9 + 25 − 2・3・5・cos 120° = 34 + 15 = 49 → BC = 7 ② 正弦定理:2R = 7 / sin 120° = 7 / (√3/2) = 14/√3 → R = 7√3/3


5. よくある間違い


6. 自己チェック

  1. 向かいの辺・間の角を図で確認したか
  2. 「間の角」→ 余弦、「向かいの角」→ 正弦
  3. cos A = (b² + c² − a²) / 2bc の分子で引くのは a² だけ
  4. sin から角を出したら 2 つ検討したか
  5. R を聞かれたら 2R で割り忘れていないか

7. 小テストへ

→ 小テスト(h1-11

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参考資料

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