数学C / ベクトル / hc-02
ベクトルと図形 ── 位置ベクトル・内分・共線・直線のベクトル方程式
この単元でできるようになること
- 位置ベクトルで内分点・外分点・中点・重心が表せる
- 「3 点が一直線上にある ⇔ AC→ = kAB→」で共線条件が使える
- 「点 P が直線 AB 上 ⇔ OP→ = sOA→ + tOB→、s + t = 1」で交点の位置が求められる(係数比較)
- 三角形の内部の点の位置ベクトル(チェバ・メネラウスの代わり)が求められる
- 直線・円のベクトル方程式(法線ベクトル・内積 = 0)が扱える
入試での位置づけ
共通テストのベクトルの大問は、「三角形の 2 本の線分の交点を、2 通りの表し方の係数比較で求める」が定番中の定番です。ha-05 のメネラウスで解ける問題を、ベクトルで解く型。係数の和が 1 の条件と内積 = 0(垂直)の 2 つを使い分けます。
1. 位置ベクトル
まずここだけ
基準の点 O を決めると、点 A の位置は OA→ = a で表せる(位置ベクトル)。以下 A(a) のように書く。
AB→ = b − a(終点 − 始点)
内分点・外分点
線分 AB を m : n に内分する点 P:p = (na + mb)/(m + n) (h2-04 の内分点の公式と同じ形。A に n、B に m)
- 中点:(a + b)/2
- m : n に外分:(−na + mb)/(m − n)
- 三角形 ABC の重心 G:g = (a + b + c)/3
AB を 2 : 1 に内分する点:(a + 2b)/3
2. 共線条件
まずここだけ
3 点 A、B、C が一直線上 ⇔ AC→ = kAB→ となる実数 k がある
A(1, 2)、B(3, 5)、C(7, 11):AB→ = (2, 3)、AC→ = (6, 9) = 3AB→ → 一直線上
点 P が直線 AB 上 ⇔ OP→ = sOA→ + tOB→、s + t = 1(O は任意の点)
(AP→ = kAB→ → p − a = k(b − a) → p = (1 − k)a + kb。係数の和 (1 − k) + k = 1)
この「係数の和が 1」は交点問題で必ず使う。
3. 交点の位置ベクトル(係数比較)
ここまでできれば十分
三角形 OAB で、OA を 2 : 1 に内分する点を M、OB の中点を N とし、AN と BM の交点を P とする。OP→ を a = OA→、b = OB→ で表せ。
手順:
- P は AN 上:AP→ = sAN→ → OP→ = (1 − s)a + s·(1/2)b
- P は BM 上:BP→ = tBM→ → OP→ = t·(2/3)a + (1 − t)b
- a、b は平行でないので係数を比較:1 − s = 2t/3、s/2 = 1 − t
- 解いて s = 1/2、t = 3/4 → OP→ = (1/2)a + (1/4)b
ポイント:
- 2 本の直線それぞれで「係数の和 = 1」の形に書く
- a、b が 1 次独立(平行でなく零でない)だから係数比較ができる、と一言書く
- 結果を検算:P が AN 上なら OP→ = (1 − s)a + (s/2)b で係数の和が 1 − s/2 …(AN 上は「a と ON→ = b/2 の係数の和が 1」)
直線と辺の交点(延長)
「直線 OP と AB の交点 Q」→ OQ→ = kOP→ = (k/2)a + (k/4)b、Q は AB 上なので k/2 + k/4 = 1 → k = 4/3 → OQ→ = (2/3)a + (1/3)b(AQ : QB = 1 : 2)
4. 内積と図形
ここまでできれば十分
垂直:AH ⊥ BC ⇔ AH→·BC→ = 0 長さ:|AB→|² = AB→·AB→ = (b − a)·(b − a) = |b|² − 2a·b + |a|² 角:cos ∠AOB = a·b/(|a||b|)
三角形 OAB で |a| = 3、|b| = 2、a·b = 3。O から AB に下ろした垂線の足 H の位置ベクトル H は AB 上:h = (1 − t)a + tb。OH ⊥ AB:h·(b − a) = 0 (1 − t)a·b + t|b|² − (1 − t)|a|² − ta·b = 0 → (1 − t)·3 + 4t − 9(1 − t) − 3t = 0 → 3 − 3t + 4t − 9 + 9t − 3t = 0 → 7t = 6 → t = 6/7 → h = (1/7)a + (6/7)b
外心・垂心(発展)
外心 O:|OA→| = |OB→| = |OC→|。垂心 H:AH→·BC→ = 0 かつ BH→·CA→ = 0。
5. 直線・円のベクトル方程式
ここまでできれば十分
直線:点 A(a) を通り方向ベクトル d に平行 → p = a + td(t は実数) 成分:(x, y) = (x₁, y₁) + t(d₁, d₂)(媒介変数表示)
法線ベクトル:点 A を通り n に垂直な直線 → n·(p − a) = 0 → 直線 ax + by + c = 0 の法線ベクトルは (a, b)(h2-04 の点と直線の距離の分母 √(a² + b²) はこれの大きさ)
円:中心 C(c)、半径 r → |p − c| = r。直径の両端 A、B → (p − a)·(p − b) = 0(直径に対する円周角 90°)
6. よくある間違い
- 内分点の公式で m と n の位置を逆にする(A に n、B に m)
- 交点問題で「係数の和が 1」を片方にしか使わない
- 係数比較の前提(1 次独立)を書かない(記述で減点)
- AB→ = a − b とする(終点 − 始点)
- 「一直線上」と「平行」を混同(一直線上は共有点がある)
7. 自己チェック
- 内分点 (na + mb)/(m + n)、重心 (a + b + c)/3
- 直線 AB 上 ⇔ 係数の和が 1
- 交点は 2 通りに表して係数比較
- 垂直は内積 0、長さは 2 乗して展開
- 直線 p = a + td、法線 n·(p − a) = 0
8. 小テストへ
→ 小テスト(hc-02)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学C「(1) ベクトル ア(ア) 平面上のベクトル(位置ベクトル、ベクトルの図形への応用)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/math/hc-02/ / 更新 2026-09-12