高1 / 地学基礎 / eb-07
太陽系と太陽
この単元でできるようになること
- 太陽系の誕生(約 46 億年前、原始太陽系星雲 → 微惑星 → 原始惑星)を順に説明できる
- 地球型惑星(水星・金星・地球・火星)と木星型惑星(木星・土星・天王星・海王星)の違いを表で言える
- 太陽系の小天体(小惑星・太陽系外縁天体・彗星・衛星)を説明できる
- 太陽の構造(中心核・光球・彩層・コロナ)、エネルギー源(水素の核融合)、黒点・プロミネンス・フレア・太陽風を説明できる
- 天文単位(au)とケプラーの第 3 法則のおおまかな計算ができる
入試での位置づけ
「地球型と木星型の比較表(密度・半径・質量・衛星・環・自転周期)」が最頻出。太陽は「黒点が暗い理由(周囲より温度が低い)」「コロナは 100 万 K」「エネルギー源は核融合(4 つの H → 1 つの He)」。太陽系の誕生は順序並べ。地球のハビタブルゾーン(液体の水が存在できる距離)も問われます。
1. 太陽系の誕生
まずここだけ
約 46 億年前:
- 星間ガス(水素・ヘリウム+塵)の濃い部分が自らの重力で収縮 → 原始太陽と、その周りを回る原始太陽系星雲(円盤)
- 円盤の中で塵が集まり、直径 1〜10 km の微惑星が無数にできる
- 微惑星が衝突・合体して原始惑星 → 惑星
- 太陽に近いところは高温で岩石や金属だけが残る → 地球型惑星(小さく重い)。遠いところは低温で氷も固体 → 大きく育ち、周りのガスも集めて木星型惑星(大きく軽い)
地球の初期:微惑星の衝突熱でマグマオーシャン → 重い鉄が中心へ沈んで核ができる(層構造:eb-01)→ 冷えて海ができ(水蒸気の雨)、大気中の CO₂ が海に溶けて石灰岩に。
2. 太陽系の惑星
まずここだけ
太陽から順に:水星・金星・地球・火星 | 木星・土星・天王星・海王星(「すいきんちかもくどってんかい」)
| 地球型惑星(水・金・地・火) | 木星型惑星(木・土・天・海) | |
|---|---|---|
| 大きさ・質量 | 小さい・軽い | 大きい・重い |
| 平均密度 | 大きい(4〜5.5 g/cm³:岩石・金属) | 小さい(0.7〜1.7 g/cm³:ガス・氷。土星は水より軽い) |
| 表面 | 岩石の固い地面 | ガス(固い地面なし) |
| 自転周期 | 長い(地球 24 h、金星 243 日) | 短い(約 10〜17 時間)→ 遠心力で扁平 |
| 衛星 | 少ない(水星・金星は 0、地球 1、火星 2) | 多い(数十〜) |
| 環 | なし | あり(土星が顕著。木星・天王星・海王星にも) |
| 大気 | 薄い(水星はほぼなし)。金星は CO₂ の厚い大気で 90 気圧・460 ℃(温室効果) | 水素・ヘリウムの厚い大気 |
各惑星の特徴:
- 水星:最小、クレーター、昼夜の温度差が激しい
- 金星:地球とほぼ同じ大きさ。CO₂ の厚い大気で表面 460 ℃(強い温室効果)。自転が逆向き
- 地球:液体の水がある(ハビタブルゾーン)、N₂・O₂ 大気、生命
- 火星:地球の半分の大きさ、薄い CO₂ 大気、極冠(ドライアイスと氷)、かつて水が流れた跡、酸化鉄で赤い、オリンポス山
- 木星:最大(地球の 11 倍の直径、質量は地球の 318 倍)、縞模様と大赤斑、ガリレオ衛星(イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト)
- 土星:大きな環、密度が水より小さい(0.7 g/cm³)、衛星タイタン
- 天王星・海王星:メタンで青い。天王星は自転軸がほぼ横倒し(98°)。巨大氷惑星とも呼ぶ
ハビタブルゾーン:恒星からの距離が適当で、表面に液体の水が存在できる範囲。太陽系では地球付近(金星は近すぎ、火星はやや遠い)。
3. 小天体
ここまでできれば十分
- 衛星:惑星の周りを回る。月は地球の約 1/4 の直径。ジャイアント・インパクト説(原始地球に火星サイズの天体が衝突してできた)
- 小惑星:火星と木星の間の小惑星帯に多い。はやぶさ(イトカワ)・はやぶさ 2(リュウグウ)が試料を持ち帰った
- 太陽系外縁天体:海王星より外側。冥王星(2006 年に惑星から外れ準惑星へ)、エリスなど。エッジワース・カイパーベルト
- 彗星:氷と塵の「汚れた雪玉」。太陽に近づくと尾(太陽と反対側に伸びる)。オールトの雲が故郷
- 流星:塵が大気に飛びこんで光る。隕石:地上に落ちた破片
- 準惑星:冥王星・ケレス(小惑星帯最大)・エリスなど
4. 太陽
まずここだけ
基本データ:半径 約 70 万 km(地球の 109 倍)、質量 地球の 33 万倍(太陽系の質量の 99.8%)、表面温度 約 5800 K(6000 ℃)、中心 約 1600 万 K、地球までの距離 約 1.5 億 km = 1 天文単位(au)(光で約 8 分 20 秒)。組成は水素 約 92%・ヘリウム 約 8%(原子数比)。
エネルギー源:中心核での核融合反応。水素原子核 4 個 → ヘリウム原子核 1 個。わずかに減った質量がエネルギーになる(E = mc²)。毎秒 約 4×10²⁶ J(pb-11)。
構造(内から外へ):
| 部分 | 特徴 |
|---|---|
| 中心核 | 核融合。1600 万 K |
| 放射層・対流層 | エネルギーを外へ運ぶ |
| 光球 | 目に見える「表面」。厚さ 数百 km、約 5800 K。粒状斑(対流の模様)、黒点 |
| 彩層 | 光球の外の薄い層。数千〜1 万 K。日食のとき赤く見える |
| コロナ | 最も外側の希薄な大気。100 万 K 以上(なぜ高温かは未解決)。日食のとき白く広がって見える |
太陽面の現象:
- 黒点:周囲(5800 K)より温度が低い(約 4000 K)ので暗く見える。強い磁場が対流を妨げるため。約 11 年周期で増減(多い時期 = 活動が活発)。黒点の移動から自転(約 25〜30 日、赤道が速い)がわかる
- プロミネンス(紅炎):彩層から立ち上がるガスの炎
- フレア:太陽面の爆発。X 線・紫外線・高エネルギー粒子を放出 → 地球でデリンジャー現象(通信障害)、磁気嵐、オーロラ
- 太陽風:コロナから常に吹き出す荷電粒子(電子・陽子)の流れ。地球の磁場(磁気圏)がさえぎる
5. 距離と公転の計算
ここまでできれば十分
- 1 天文単位(au) = 太陽〜地球の平均距離 = 約 1.5 億 km
- ケプラーの第 3 法則:公転周期 T(年)と軌道長半径 a(au)で T² = a³
火星 a = 1.52 au → T² = 3.5 → T ≒ 1.88 年 木星 a = 5.2 au → T ≒ 11.9 年
- 第 1 法則:楕円軌道(太陽は焦点)、第 2 法則:面積速度一定(近日点で速い)
6. よくある間違い
- 木星型惑星の密度を「大きい」とする(小さい。土星は水に浮く)
- 地球型惑星の自転周期を「短い」とする(長い。木星型が速い)
- 黒点を「周囲より熱い」とする(低温だから暗い)
- コロナの温度を 6000 K とする(100 万 K 以上。光球が 5800 K)
- 太陽のエネルギー源を「燃焼」とする(核融合)
- 彗星の尾が進行方向の後ろに伸びると思う(太陽と反対側)
- 冥王星を惑星に数える(2006 年から準惑星)
- 金星が暑い理由を「太陽に近いから」だけにする(CO₂ の厚い大気の温室効果。水星より暑い)
7. 自己チェック
- 太陽系誕生の順(星雲 → 微惑星 → 原始惑星、近い・遠いで岩石・氷)を言えるか
- 地球型と木星型の 6 項目の比較ができるか
- 各惑星の 1 つずつの特徴を言えるか
- 小惑星・外縁天体・彗星の違いを言えるか
- 太陽の構造 5 つと温度を言えるか
- 黒点が暗い理由、フレア・太陽風の影響を言えるか
- au とケプラーの第 3 法則で計算できるか
8. 小テストへ
→ 小テスト(eb-07)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「地学基礎」(1) ア 宇宙における地球(太陽系の中の地球・太陽)
- 国立天文台「太陽系の天体」(https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-system.html)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/eb-07/ / 更新 2026-09-12