地方上級 / 英文 / zb-04
英文の内容把握(主張・具体例・逆接)
この単元でできるようになること
- 150〜250 語の英文を、全訳せずに「主張・具体例・逆接」の 3 つに色分けして読める
- However・Yet・But の前後で「常識 → 筆者の見方」が切りかわることを使って、主張の位置を見つけられる
- 日本語の選択肢を、英文の該当箇所に戻して「言い過ぎ・逆・無関係・一部だけ正しい」の型で切れる
- 知らない単語があっても、文の役割(例なのか主張なのか)から読み飛ばしてよいかを判断できる
試験での位置づけ
地方上級・国家一般職の教養試験では、英文は現代文と並んで文章理解の柱です。英文の内容把握は「英語の試験」というより現代文の内容把握(zb-02)を英語でやるものだと考えてください。問われるのは細かい文法ではなく、「筆者はどこで何を主張し、どの例で支え、どこで話を転じたか」です。英文は日本語の評論より段落の型がはっきりしているので、型を知ると現代文より読みやすいと感じる人もいます。単語力に不安があっても、読み方の型と選択肢の切り方で得点できる部分が大きい分野です。
1. 英文評論の型 ── 段落は「主張 → 例 → 転換」でできている
まずここだけ
英文の説明文は、多くの場合、次の順で書かれます。
① 一般的な見方・過去の状況(once・used to・many people think) ② 転換(However・Yet・But・In fact) ③ 筆者の見方=主張 ④ 具体例・データ(For example・Studies show・One reason is) ⑤ まとめ・問いかけ(The question is・What matters is)
読みながら、② の転換語に丸をつけ、その直後の文に線を引きます。ここが主張です。① の文(かつては装飾だと思われていた、在宅勤務で生産性が落ちると予想されていた)は、これから否定される前提です。
ここまでできれば十分
各段落の第 1 文(主題文)を先に読み、その段落が何の話かをつかんでから中身を読むと、全体の流れがつかめます。段落の第 1 文をつなぐだけで、文章の骨組み(過去の見方 → 実際に起きたこと → 見落とされていた代償 → 本当に問うべきこと)が見えます。
具体例(For example・such as・a study of …)は、主張を支える材料です。数字や固有名詞が並んでいて読みにくいときは、「この例は直前の主張を支えている」とだけ確認して先に進んでかまいません。細かい部分は、選択肢で問われたときに戻って読みます。
もう一歩(発展)
英文でも、筆者の主張は「A ではなく B」の形で置かれることが多くあります。
- not A but B/rather than A/instead of A → B が筆者の見方
- The question is not whether … but how … → 「〜かどうか」ではなく「どうやって」が問い
この型が出たら、A の側を言った選択肢は「逆」の型の誤答になります。
2. つなぎ言葉 ── 現代文の接続語と同じ 6 つで整理する
まずここだけ
| 働き | 英語 | 読み方 |
|---|---|---|
| 逆接・転換 | However・Yet・But・Nevertheless・Still | 直後が筆者の見方 |
| 結果・結論 | Therefore・Thus・As a result・So | 前が原因、後ろが結論 |
| 言いかえ | In other words・That is・In short | 後ろで前を言い直す |
| 理由 | because・since・One reason is | 後ろが理由 |
| 添加 | Also・Moreover・In addition・Furthermore | 同じ方向の内容を足す |
| 対比・具体例 | On the other hand・In contrast/For example・For instance | 別の側を出す/例を出す |
これは zb-03 の接続語の表と同じ分け方です。語を訳すのではなく働きで読むのは、日本語でも英語でも同じです。
ここまでできれば十分
見落としやすい転換語が 2 つあります。
- Yet:文頭の Yet は「しかし」です(「まだ」ではありません)。段落の途中で困難や代償を切り出すときによく使われます。
- In fact:「実は」。前の文を強める場合と、前の常識をひっくり返す場合があります。後ろの内容が前と反対なら転換です。
設問で「第 1 段落の However の働きとして最も妥当なものはどれか」と問われたら、However の前の内容と後ろの内容をそれぞれ一言でまとめ、「A から B へ話を転じている」の形で選択肢と照らします。
3. 選択肢の切り方 ── 日本語の選択肢を英文に戻す
まずここだけ
選択肢は日本語で与えられます。したがって解き方は、選択肢のキーワードを英文の中に探し、その一文と照らすことです。誤答の型は現代文と同じ 4 つです。
| 型 | 英文でよくある作られ方 |
|---|---|
| 言い過ぎ | most → 「すべて」、often → 「常に」、can → 「〜する」と断定 |
| 逆 | 冒頭の once・used to・many expected の内容(否定された前提)を筆者の見方として書く |
| 無関係 | 本文の語(productivity・infrastructure など)を使って、本文にない因果や提案を書く |
| 一部だけ正しい | 前半は本文の訳、後半に本文にない理由・結論を足す |
ここまでできれば十分
数量と程度の語は、英文と選択肢で一対一に対応させます。most employees(大半の従業員)を「全従業員」、few had predicted(ほとんど誰も予測しなかった)を「誰も予測しなかった」とした選択肢は言い過ぎです。逆に、英文が almost certainly wrong(ほぼ確実に誤り)なのに「誤りの可能性もある」と弱めた選択肢も、程度が合っていないので誤りです。
比喩の説明問題(vocabulary builds the doors, not the walls/a test of their patience)は、英文の中で筆者がその比喩を平たい言葉で言い直している文を探します。比喩の直前か直後に、for example や That is に続く説明があります。比喩をそのまま訳した選択肢や、比喩を勝手に広げた選択肢は誤答です。
もう一歩(発展)
主題を問う問題(この英文の主題として最も適切なものはどれか)は、要旨把握(zb-01)と同じです。話題(street trees)だけを言った選択肢ではなく、話題+筆者の見方(街路樹の位置づけの変化と長期投資の課題)を含む選択肢が正解です。ただし、具体例にしか出てこない語(parking・wiring)が主題に入っていれば、それは「一部だけ」の型です。
4. 知らない単語への対処
まずここだけ
試験の英文には、知らない単語が数語は出ます。その単語が主張の文にあるのか具体例の文にあるのかで、対処が変わります。
- 具体例の中の単語 → 「何かの例」とだけ理解して飛ばす
- 主張の中の単語 → 前後の言いかえ(that is・in other words・or)と、対になる語(not A but B の A)から推測する
ここまでできれば十分
単語の意味を推測する手がかりは、文の中の対比です。「trees were treated as decoration … now they belong to infrastructure」なら、decoration(装飾)と対になる語として infrastructure は「なくてはならない設備」の側だと分かります。1 語の意味を正確に訳せなくても、どちらの側の語かが分かれば選択肢は切れます。
5. よくある間違い
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 最初から最後まで全訳しようとする | 転換語と各段落の第 1 文で骨組みをつかみ、選択肢で問われた箇所だけ精読する |
| 冒頭の「かつては〜だった」を筆者の見方にする | once・used to は否定される前提。However のあとが筆者 |
| 文頭の Yet を「まだ」と読む | 文頭の Yet は「しかし」 |
| most・often・can を「すべて・常に・する」と訳した選択肢を選ぶ | 程度の語は英文と一対一で照らす |
| 知らない単語で止まる | 主張の文か例の文かを見て、例なら飛ばす |
6. 解き方の型
- 設問と選択肢に先に目を通し、キーワード(固有名詞・数字・比喩)に印をつける
- 各段落の第 1 文と転換語(However・Yet・But)の直後に線を引きながら通読する
- 「一般的な見方 → 転換 → 主張 → 例 → まとめ」の骨組みを一文ずつ日本語でメモする
- 選択肢のキーワードを英文に探し、程度の語と因果の向きを一対一で照らす
- 比喩・傍線部の問題は、前後の言いかえ(for example・that is)を答えの材料にする
- 主題の問題は「話題+筆者の見方」を含む選択肢を選ぶ
7. 小テストへ
→ 小テスト(zb-04)
関連する単元
- 前提:zb-02 内容把握(選択肢の 4 つの型)、e3-08 長文読解の型(中学英語)、hr-02 パラグラフリーディング(高校英語)
- 次に進む:zb-05 英文の空欄補充と整序
- 同じ考え方を使う:zb-01 要旨把握(主題の問題)、hr-03 設問タイプ別の解き方(高校英語)
参考資料
- 人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」── 基礎能力試験の出題分野(文章理解)
- 各都道府県・政令指定都市の職員採用試験受験案内(教養試験の出題分野)
- 高等学校「英語コミュニケーション」「論理・表現」の教科書レベルのパラグラフ構成(主題文・支持文・つなぎ言葉)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/bunsho/zb-04/ / 更新 2026-09-14