数学Ⅰ / 数と式 / h1-03
実数・絶対値・根号の計算 ── 有理化・二重根号
この単元でできるようになること
- 実数の分類(自然数・整数・有理数・無理数)と、循環小数の分数への直し方がわかる
- 絶対値の定義 |a| =(a ≧ 0 なら a、a < 0 なら −a)が使え、√(a²) = |a| を正しく処理できる
- 根号の計算(簡単にする・四則)と分母の有理化ができる
- 分母が 2 項の有理化(√a + √b)ができる
- 二重根号 √(a + 2√b) を外せる
- 整数部分・小数部分の問題が解ける
入試での位置づけ
根号の計算は数学Ⅰ・Ⅱ・三角比・二次関数のあらゆる場面で必要です。共通テストでは「√ の中を最も小さい自然数にする」「分母を有理化する」答え方が指定されるので、形を整える練習が欠かせません。√(a²) = |a| は、文字を含む式で符号を落とすミスが多く、記述式でよく減点される箇所です。
1. 実数の分類
まずここだけ
実数 ─┬─ 有理数 ─┬─ 整数 ─┬─ 自然数(正の整数)1, 2, 3, …
│ │ ├─ 0
│ │ └─ 負の整数 −1, −2, …
│ └─ 整数でない有理数(分数・有限小数・循環小数)1/3, 0.25, 0.333…
└─ 無理数(循環しない無限小数)√2, π, 1 + √3
有理数:分数 m/n(m、n は整数、n ≠ 0)で表せる数。小数で書くと有限小数か循環小数になる。 無理数:分数で表せない数。小数で書くと循環しない無限小数。
循環小数を分数に直す
x = 0.272727… とおく。100x = 27.2727… 引き算で 99x = 27 x = 27/99 = 3/11
循環する桁数だけ 10 倍する(1 桁なら 10x、2 桁なら 100x)。
2. 絶対値
まずここだけ
|a| は「数直線上で 0 からの距離」。a の符号で場合分けして外す。
| a の符号 | |a| | |---|---| | a ≧ 0 | a | | a < 0 | −a(マイナスをつけて正にする) |
|5| = 5、|−3| = −(−3) = 3、|√2 − 2| = 2 − √2(√2 − 2 < 0 なので符号を変える)
√(a²) = |a|
√(3²) = 3、√((−3)²) = √9 = 3 = |−3| √(a²) = a ではない。a < 0 のときは −a。 例:a < 0 のとき √(a²) − √((a − 1)²) = |a| − |a − 1| = (−a) − (1 − a) = −1
「√ の中が 2 乗の形」→ 絶対値で外す → 符号で場合分け、が手順。
3. 根号の計算
まずここだけ
簡単にする:√ の中から 2 乗の因数を外に出す。
√12 = √(2² × 3) = 2√3、√50 = 5√2、√(8/9) = 2√2/3
四則(a > 0、b > 0):√a √b = √(ab)、√a/√b = √(a/b)。足し算は √ の中が同じものだけ。
√12 + √27 = 2√3 + 3√3 = 5√3 √2 × √6 = √12 = 2√3 (√3 + 1)(√3 − 1) = 3 − 1 = 2 (√5 − √2)² = 5 − 2√10 + 2 = 7 − 2√10
分母の有理化
分母が 1 項:分母と同じ √ をかける。
1/√3 = √3/3、6/√2 = 6√2/2 = 3√2
分母が 2 項:和と差の積を利用(分母が √a + √b なら √a − √b をかける)。
1/(√5 + √3) = (√5 − √3)/{(√5 + √3)(√5 − √3)} = (√5 − √3)/(5 − 3) = (√5 − √3)/2 2/(√3 − 1) = 2(√3 + 1)/(3 − 1) = √3 + 1
よくある間違い
- √(a + b) = √a + √b としてしまう(× )。√(9 + 16) = 5 であって 3 + 4 = 7 ではない
- √2 + √3 = √5(× )。中が違う根号は足せない
- 有理化で分子にかけ忘れる
4. 二重根号
ここまでできれば十分
√(a + b + 2√(ab)) = √a + √b(a > b > 0)を逆に使う。
√(5 + 2√6):たして 5、かけて 6 になる 2 数 → 3 と 2。= √3 + √2 √(7 − 2√10):たして 7、かけて 10 → 5 と 2。= √5 − √2(大きいほうから小さいほうを引く:結果は正) √(4 + √15):2√ の形にする。= √{(8 + 2√15)/2} = (√5 + √3)/√2 = (√10 + √6)/2
手順:①「2√○」の形にする ② たして(外の数)、かけて(中の数)になる 2 数を探す ③ √大 ± √小。
5. 整数部分・小数部分
ここまでできれば十分
√7 の整数部分は、4 < 7 < 9 より 2 < √7 < 3 なので 2。小数部分は √7 − 2。
3 + √5 の整数部分:2 < √5 < 3 → 5 < 3 + √5 < 6 → 整数部分 5、小数部分 (3 + √5) − 5 = √5 − 2 1/(√3 − 1) = (√3 + 1)/2 の整数部分:1.7 < √3 < 1.8 → 1.35 < (√3 + 1)/2 < 1.4 → 整数部分 1、小数部分 (√3 + 1)/2 − 1 = (√3 − 1)/2
「有理化してから」整数部分を求めるのがコツ。小数部分 = もとの数 − 整数部分。
対称式との組み合わせ(発展)
x = √3 + √2、y = √3 − √2 のとき x + y = 2√3、xy = 1。x² + y² = (x + y)² − 2xy = 12 − 2 = 10。
6. 自己チェック
- √(a²) を a としていないか(|a| で場合分け)
- √ の中の 2 乗の因数を全部外に出したか
- 分母の有理化は分子にも同じものをかけたか
- 二重根号は「2√○」の形にしてから
- 整数部分は有理化してから評価したか
7. 小テストへ
→ 小テスト(h1-03)
関連する単元
- 前提:中3 m3-03 平方根、m3-04 根号を含む式の計算
- 次に進む:h1-04 一次不等式・絶対値
- ここで使う考え方が出てくる:h1-08 二次方程式(解の公式)、h1-10 三角比、h2-09 指数の拡張
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編』── 数学Ⅰ「(1) 数と式 ア(ア) 数と集合」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/math/h1-03/ / 更新 2026-09-12