地方上級 / 資料解釈 / zs-23
構成比と累積(円グラフ・帯グラフ)
この単元でできるようになること
- 構成比(全体を 100 としたときの割合)と実数(人数・金額そのもの)を区別し、実数 = 全体 × 構成比 で行き来できる
- 円グラフ・帯グラフで「同じ全体の中の比較」と「全体が違うものどうしの比較」を見分け、後者では全体を掛けてから比べられる
- 構成比の変化を「ポイント」と「%」で正しく言い分けられる
- 累積構成比(上から順に足した割合)の表から、区間ごとの割合や人数を取り出せる
試験での位置づけ
構成比の資料は、地方上級・国家一般職の資料解釈で実数の表(zs-22)と並んでよく使われる形です。円グラフ 1 枚なら簡単ですが、試験では「2 つの年の円グラフ(全体の大きさが違う)」「帯グラフ + 合計値」のように、構成比だけを見て実数の増減を判断させようとする選択肢が置かれます。ここで「構成比が上がった=実数が増えた、とは限らない」と体で覚えておくことが、この単元のほぼすべてです。増加率・指数(zs-24)では、さらに「もとの値が分からないまま比べる」形に進みます。
1. 構成比と実数の行き来
まずここだけ
円グラフは「合計の実数」と「各項目の構成比」がセットで示されます(数値は架空)。
構成比は「全体を 100 としたときの、その部分の大きさ」です。式は 1 本です。
実数 = 全体 × 構成比(構成比 = 実数 ÷ 全体 × 100)
ある市の歳出の合計が 4,000 億円、民生費の構成比が 35% なら、民生費は 4,000 × 0.35 = 1,400 億円。 民生費が 1,400 億円、合計が 4,000 億円なら、構成比は 1,400 ÷ 4,000 × 100 = 35%。
ここまでできれば十分
同じ円グラフの中の比較は、構成比のまま比べてかまいません。全体が共通だからです。
文学 35%、社会科学 20%、自然科学 12%、児童書 18% のとき、「社会科学と自然科学の合計は児童書の 2 倍か」→ 32 と 36 を比べればよく、冊数に直す必要はありません。
いっぽう「文学は何冊か」「A と B を合わせて何億円か」のように実数を聞かれたら全体を掛けます。2 項目の合計を出すときは、構成比を先に足してから全体を掛けると計算が 1 回で済みます(35% + 20% = 55% → 全体 × 0.55)。
「その他」も 1 つの項目です。表に「その他」の値が書かれていなければ、100 から他の項目を引いて出しておきます。「構成比が 2 番目に大きい項目」を聞かれたとき、「その他」が 2 番目ということもあります。
2. 全体が違うものどうしの比較
まずここだけ
帯グラフの比較では、2 本の帯の合計(実数)が違うことをまず確かめます。
2020 年と 2023 年の円グラフ(または帯グラフ)が並んでいて、合計が違うとき、構成比の大小をそのまま実数の大小にしてはいけません。
2010 年:総数 8,000 人、第 3 次産業 55% → 8,000 × 0.55 = 4,400 人 2020 年:総数 6,000 人、第 3 次産業 60% → 6,000 × 0.60 = 3,600 人
構成比は 55% → 60% と上がっていますが、実数は 4,400 人 → 3,600 人と減っています。全体が縮んだからです。逆に、全体が大きく増えていれば、構成比が下がっても実数は増えます。
ここまでできれば十分
この形の問題では、選択肢を読む前に各項目の実数を両年とも書き出すのがいちばん確実です。4 項目 × 2 年なら 8 個の掛け算で、そのあとの選択肢はすべて引き算・比較だけで片づきます。
合計が書かれていない(構成比だけの)資料では、実数の増減は分かりません。「A の実数は増えた」という選択肢は、その時点で「確実にはいえない」ので誤りです。合計が書かれているかどうかを、資料を見た最初に確かめてください。
もう一歩(発展)
「A の実数が両年で同じだったとすると、2023 年の構成比は何%か」という問いは、実数を固定して構成比を逆算します。
2020 年:合計 7,200、A の構成比 30% → A = 2,160 2023 年:合計 6,000、A = 2,160 のまま → 構成比 = 2,160 ÷ 6,000 = 36%
全体が減れば、同じ実数でも構成比は上がる。この感覚があると、「構成比が上がったのに実数が減った項目はどれか」という問いも、全体の増減を見ただけで見当がつくようになります。
3. ポイントと % の言い分け
まずここだけ
構成比どうしの差は「ポイント」で言います。「% 増えた」と言うと、もとの構成比を基準にした割合の意味になります。
構成比が 32% から 40% になった。
- 差は 40 − 32 = 8 ポイント上がった
- 割合でいえば 8 ÷ 32 = 25% 増えた
「8% 上がった」と書いてある選択肢は、8 ポイントの意味か 8% の意味かが曖昧なので、出題では「ポイント」と「%」を使い分けた文で正誤を問われます。「20 ポイント下がった」と「20% 下がった」は別の意味です(15% → 12% は 3 ポイント低下、割合では 20% 低下)。
ここまでできれば十分
構成比の増加率(%)を聞かれたら、差 ÷ もとの構成比です。全体の値は関係ありません。実数の増加率を聞かれたら、まず実数に直してから計算します。「構成比の増加率」と「実数の増加率」は別のものなので、選択肢がどちらを言っているかに線を引きます。
4. 累積構成比の読み方
まずここだけ
累積構成比は、「上から順に足していった割合」です。得点分布・年齢階級・所得階級などの表で、「◯点以下の人が全体の何%か」の形で示されます。
得点|累積構成比 50 点以下|25 60 点以下|45 70 点以下|70 80 点以下|90 100 点以下|100
この表から「61〜70 点の人の割合」を出すには、隣どうしの差をとります:70 − 45 = 25%。「71 点以上」は 100 − 70 = 30%。
ここまでできれば十分
累積の表を見たら、まず差をとって区間ごとの表に書き直すのが手順です。人数を聞かれたら、区間の割合に全体の人数を掛けます(2,000 人 × 25% = 500 人)。
累積のグラフ(折れ線)では、線の傾きが急な区間ほど人数が多いことになります。「最も人数が多い区間」は、累積の値が大きい区間ではなく、前の区間との差が最も大きい区間です。
もう一歩(発展)
「上位 3 項目で全体の何%か」のような問いも累積の考え方です。項目を大きい順に並べ替えてから足します。並べ替えずに表の上から 3 つを足す間違いが多いので、「大きい順に」と書いてあるかどうかを確かめます。100 から下位の項目を引く方が速いこともあります。
5. よくある間違い
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 構成比が上がったから実数も増えた | 全体が減っていれば実数は減ることがある。全体 × 構成比 で確かめる |
| 合計が書かれていない資料で実数の増減を判断する | 全体が分からなければ実数は確実にいえない |
| 32% → 40% を「8% 増えた」と読む | 差は 8 ポイント。割合なら 8 ÷ 32 = 25% 増 |
| 累積構成比の値をそのまま区間の割合にする | 隣どうしの差をとる |
| 「その他」を項目に数えない | 「その他」も 1 項目。100 から引いて値を出しておく |
| 上位 3 項目を、表の上から 3 つで数える | 大きい順に並べ替えてから足す |
6. 解き方の型
- 資料の種類を確かめる:構成比だけか、合計(全体の実数)も書いてあるか
- 合計があり、年や地域が 2 つ以上あるなら、選択肢を読む前に各項目の実数を書き出す
- 同じ全体の中の比較は構成比のまま。実数を聞かれたら全体を掛ける
- 「ポイント」「%」「倍」のどれで書かれているかに線を引き、差か割合かを区別する
- 累積の表は隣どうしの差をとって、区間ごとの表に直す
- 合計が書かれていない資料で実数を語る選択肢は、計算せずに誤りと判断する
7. 小テストへ
→ 小テスト(zs-23)
関連する単元
参考資料
- 人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」── 基礎能力試験の出題分野(数的処理・資料解釈)
- 各都道府県・政令指定都市の職員採用試験受験案内(教養試験の出題分野)
- 総務省統計局「なるほど統計学園」── 円グラフ・帯グラフ・累積相対度数の読み方
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/suteki/zs-23/ / 更新 2026-09-14