地方上級 / 数的推理 / zs-13
割合・比・濃度
この単元でできるようになること
- 「A は B の何%増し」「B の 3 割引き」を、もとにする量 × 割合 の 1 本の式にできる
- 比を「1 あたりの量」に直して、連比・比例配分・比の変化の問題を解ける
- 食塩水の濃度を「食塩の量=食塩水 × 濃度」で追い、混ぜる・蒸発させる・水を足す問題を解ける
- てんびん図(加重平均)で、混ぜる問題を暗算に近い速さで解ける
試験での位置づけ
数的推理の中で、割合・比・濃度は方程式を立てる練習の土台です。単独でも出ますし、速さ・仕事算・利益算の中にも「割合」の形でよく入ってきます。ここで「もとにする量はどれか」を毎回はっきりさせる癖をつけておくと、あとの単元の式を立てる速さが変わります。地方上級・国家一般職とも、数的推理は 1 問 2〜3 分で処理する必要があるので、てんびん図のような短い手順を持っておくことが大切です。
1. 割合 ── 「もとにする量」を先に決める
まずここだけ
割合の式は 1 本だけです。
くらべる量 = もとにする量 × 割合
- 「A の 20%」→ A × 0.2
- 「A の 20%増し」→ A × 1.2
- 「A の 20%引き」→ A × 0.8
- 「A は B より 20%多い」→ A = B × 1.2(もとにする量は B)
よくある間違いは「A は B より 20%多い」を「B は A より 20%少ない」と読みかえてしまうことです。B = A ÷ 1.2 ≒ A × 0.833… なので、B は A より約 16.7% 少ないだけです。増し・引きは同じ%でも元に戻らないと覚えてください。
ここまでできれば十分
連続して変化する場合は、割合を掛け算でつなぎます。
定価 1,000 円の品を 2 割引きし、さらにその価格から 1 割引きした。 1,000 × 0.8 × 0.9 = 720 円(3 割引きの 700 円ではない)
増減の前後で「同じ量」を探すのも定番です。
ある学校の生徒数は、昨年より男子が 10%増え、女子が 10%減り、全体では 2%増えて 510 人になった。昨年の男子は何人か。 昨年の全体:510 ÷ 1.02 = 500 人。昨年の男子を x とすると 1.1x + 0.9(500 − x) = 510 → 0.2x = 60 → x = 300 人 検算:男子 300 × 1.1 = 330、女子 200 × 0.9 = 180、合計 510 ✓
答えが整数にならないときは、どこかで割合の向きを間違えています。実際の試験問題は整数になるように数が選ばれているので、整数にならなければ立て直すのが早道です。
2. 比 ── 「1 あたり」に直す
まずここだけ
比 a : b は「a 個と b 個の組」ではなく、「比の 1 あたりが同じ量」という意味です。実際の量は a × k、b × k と置きます(k は比の 1 あたりの量)。
A と B の所持金の比が 5 : 3 で、合計 2,400 円。 5k + 3k = 2,400 → k = 300 → A = 1,500 円、B = 900 円
比例配分:全体を a : b に分けるとき、a の側は 全体 × a/(a+b)。
ここまでできれば十分
連比は、共通の項をそろえます。
A : B = 2 : 3、B : C = 4 : 5 → B を 12 にそろえて A : B : C = 8 : 12 : 15
比の変化は、「変わらない量」を基準にします。
兄と弟の所持金の比は 7 : 4 だった。兄が 600 円使ったところ、比は 5 : 4 になった。弟の所持金はいくらか。 弟は変わらないので、弟を 4 にそろえる(すでに 4)。兄は 7 → 5 で 2 減り、それが 600 円 → 比の 1 = 300 円 → 弟は 1,200 円
「両方変わる」問題は、比の 1 あたりを k と置いて方程式にします。
3. 濃度 ── 食塩の量を追う
まずここだけ
食塩水の問題で計算するのは、いつも食塩の量です。
食塩の量 = 食塩水の量 × 濃度
- 混ぜる:食塩の量も食塩水の量も、それぞれ足す
- 水を足す:食塩の量はそのまま、食塩水の量だけ増える
- 蒸発させる:食塩の量はそのまま、食塩水の量だけ減る
- 食塩を足す:食塩の量も食塩水の量も、足した分だけ増える
8% の食塩水 300 g に水を 100 g 加える。 食塩 = 300 × 0.08 = 24 g、食塩水 = 400 g → 24 ÷ 400 = 6%
ここまでできれば十分
てんびん図:2 つの食塩水を混ぜるとき、混ぜた後の濃度は、量の比の逆比の位置に来ます。
5% を 200 g と 15% を 300 g 混ぜる。 量の比 200 : 300 = 2 : 3 → 濃度の差 10% を 3 : 2(逆比)に分ける → 5 + 10 × 3/5 = 11% 検算:食塩 10 + 45 = 55 g、食塩水 500 g → 11% ✓
てんびん図は「水」を 0% の食塩水、「食塩」を 100% の食塩水として同じように使えます。
もう一歩(発展)
入れ替えの問題:A と B から同じ量ずつ取り出して入れ替えると、どちらも同じ量の水と食塩をやり取りするので、入れ替え後の 2 つの濃度は、全体を混ぜたときの濃度をはさんで、量の逆比の位置に来ます。式で解くより、てんびん図で「全体の平均」を先に出すと速くなります。
4. よくある間違い
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 20%増しのあと 20%引きで元に戻る | 1.2 × 0.8 = 0.96 で 4%減る |
| 5% と 15% を混ぜたら 10% | 同じ量のときだけ。量の逆比で決まる |
| 比 5 : 3 を「5 人と 3 人」 | 5k と 3k。k を求める |
| 水を加えたら食塩も薄まる(減る) | 食塩の量は変わらない |
5. 解き方の型
- 「もとにする量」に印をつける(〜の、〜より の直前)
- 割合は小数か分数に直し、増し・引きは 1 ± p にする
- 比は k を置く。濃度は食塩の量を表にする
- 答えが整数にならなければ、割合の向きを疑う
6. 小テストへ
→ 小テスト(zs-13)
関連する単元
- 前提:m1-04 文字式・m2-01 連立方程式(中学数学)
- 次に進む:zs-14 速さ、zs-15 仕事算・ニュートン算、zs-12 方程式と不等式の文章題
- 同じ考え方を使う:zs-22 資料解釈の実数と割合
参考資料
- 人事院「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」── 基礎能力試験の出題分野(数的処理)
- 各都道府県・政令指定都市の職員採用試験受験案内(教養試験の出題分野)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/suteki/zs-13/ / 更新 2026-09-14