地方上級 / 資料解釈 / zs-24

更新 2026-09-14

増加率と指数(複数年の比較)

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

資料解釈の中で、増加率と指数の表はいちばん「引っかけ」の多い形です。実数の表(zs-22)や構成比(zs-23)は数を読めば済むところがありますが、増加率の表には実数そのものが書かれていないので、「増加率が下がった=減った」「A の増加率の方が高い=A の方が多い」といった思いこみを誘う選択肢が置かれます。地方上級・国家一般職ともよく問われる形で、ここまでの 3 単元で資料解釈の型はひととおりそろいます。


1. 対前年増加率の読み方

まずここだけ

対前年増加率のグラフは、線が下がっていても値(売上高そのもの)は増えていることがあります。0 の線より上か下かを先に見ます。

A 社の売上高の対前年増加率の折れ線グラフ(5 年)

対前年増加率(%)=(今年 − 前年)÷ 前年 × 100 今年 = 前年 ×(1 + 増加率)

割る数は「前年」です。640 → 768 なら (768 − 640) ÷ 640 = 0.2 で 20%。増加率 −15% なら、今年 = 前年 × 0.85 です。

増加率の表を読むときの基本は 1 つだけです。

プラスなら前年より増えた。マイナスなら前年より減った。

増加率が 12% → 11% → 2% と小さくなっていても、プラスである限り値そのものは毎年増えています。「増え方がゆるやかになった」だけです。逆に −6% → −3% → −1% と 0 に近づいていても、マイナスの間は減り続けています。

ここまでできれば十分

増加率の表には実数がありません。「2020 年より 2023 年の方が多いか」「どの年が最大か」を聞かれたら、最初の年を 100 と置いて順に掛けていきます。

増加率が 2021 年 +4%、2022 年 −4%、2023 年 +10% なら 2020 年 100 → 2021 年 104 → 2022 年 104 × 0.96 = 99.8 → 2023 年 99.8 × 1.1 ≒ 109.8

これで「2023 年は 2020 年より多い」「2022 年は 2020 年をわずかに下回る」が分かります。+4% のあと −4% で元に戻らないことにも注意してください(1.04 × 0.96 = 0.9984)。

もう一歩(発展)

同じ系列の中なら、対前年増加量の大小も比べられます。増加量 = 前年の値 × 増加率 なので、上のように 100 から追った値の差を見れば、実数がなくても順位は出ます。ただし、2 つの系列(A 市と B 市)の増加量や実数の大小は、それぞれのもとの値が分からないかぎり比べられません


2. 増加率は掛けてつなぐ

まずここだけ

2 年連続で 10% 増えたとき、2 年間の増加率は 20% ではありません。

100 × 1.1 × 1.1 = 121 → 21% 増

増加率どうしは足さずに掛けます。式で書くと、(1 + p)(1 + q) − 1 = p + q + pq。p と q が小さいときは pq が小さいので「だいたい足し算」ですが、20%・40% のような大きい率では差が無視できません(1.2 × 1.4 = 1.68 で 68% 増。足し算の 60% とは 8 ポイントずれます)。

ここまでできれば十分

最初の値が与えられていれば、1 年ずつ掛けます。

2020 年 2,000 億円、増加率が +10%・−10%・+5% なら 2,200 → 1,980 → 2,079 億円

+10% のあと −10% で元に戻らない(2,000 → 1,980)ことは、この形の定番です。「2022 年は 2020 年と同じ」という選択肢は誤りになります。

選択肢の正誤を判断するだけなら、「足し算した値より少し大きい(プラスどうし)」「少し小さい(プラスとマイナス)」という見当で十分なことも多いです。境目に近いときだけ掛け算します。


3. 指数の読み方

まずここだけ

指数の表には、基準年の実数が別の列や注で添えられることがあります。実数を聞かれたらそれを使います。

B 県の農業産出額の指数の表(2020 年=100・基準年の実数つき)

指数は、基準年の値を 100 としたときの各年の値です。

指数 = その年の値 ÷ 基準年の値 × 100

指数 132 は「基準年の 1.32 倍」「32% 増」、指数 94 は「6% 減」の意味です。基準年(100)との比較なら、指数の差がそのまま増加率になります。

ここまでできれば十分

基準年以外の 2 つの年を比べるときは、差ではなくで出します。

2021 年の指数 108、2024 年の指数 132 → 132 ÷ 108 ≒ 1.22 で 約 22% 増(差の 24 ではない)

「差が % になるのは、割る数が 100 のときだけ」と覚えてください。

同じ系列の中では、指数の差は実数の増加量に比例します。ですから「B 市の増加量が最も大きい年」は、B 市の指数の差だけで決まります。

もう一歩(発展)

指数の表に 2 つの系列(A 市と B 市)が並んでいても、それぞれが自分の基準年を 100 としているので、A の指数 130 と B の指数 120 を比べて「A の方が多い」とはいえません。A の基準年の実数が 500、B が 4,000 なら、A は 650、B は 4,800 です。系列どうしの実数を比べるには、基準年の実数が資料に書かれている必要があります。書かれていれば、実数に戻してから比べます(A:基準年の値 × 指数 ÷ 100)。


4. 「確実にいえない」選択肢の見分け方

まずここだけ

増加率・指数の資料では、次の型の選択肢は計算する前に「確実にはいえない」と判断できます

ただし、資料に基準年や最初の年の実数が添えられていれば、これらは計算できるようになります。資料の注記・本文をまず読み、「実数が 1 つでも書いてあるか」を確かめてから選択肢に進みます。

ここまでできれば十分

選択肢を読む順番は、①計算のいらない文(プラス・マイナスの符号だけで決まる文、確実にいえない型の文)→ ②同じ系列内の比較(100 と置いて追う)→ ③掛け算が要る文、の順が速いです。5 つのうち 2〜3 つは①で片づくことが多いです。


5. よくある間違い

間違い正しくは
増加率が下がった年は値も減ったプラスなら増えている。マイナスの年だけ減る
10% 増と 10% 増で 20% 増1.1 × 1.1 = 1.21 で 21% 増。足さずに掛ける
+10% のあと −10% で元に戻る1.1 × 0.9 = 0.99 で 1% 減
指数 108 → 132 を「24% 増」132 ÷ 108 ≒ 1.22 で約 22% 増。基準年以外は比で出す
A の指数 130 > B の指数 120 だから A の方が多い系列ごとに基準年が 100。基準年の実数がなければ比べられない
増加率の表から「A 市の方が B 市より多い」と判断するもとの値が分からないので確実にはいえない

6. 解き方の型

  1. 資料が「実数」「構成比」「増加率」「指数」のどれかを確かめ、実数が 1 つでも書かれているかを見る
  2. 増加率の表は、符号(プラス・マイナス)だけで決まる選択肢から片づける
  3. 同じ系列内の比較は、最初の年を 100 と置いて 1 年ずつ掛けて追う
  4. 複数年の増減は足さずに掛ける。境目に近いときだけ正確に計算する
  5. 指数は、基準年との比較は差、それ以外は比。系列どうしの比較は基準年の実数がなければ「確実にいえない」
  6. 2 系列の実数の大小・差を語る選択肢は、実数の手がかりがなければ計算せずに誤りと判断する

7. 小テストへ

→ 小テスト(zs-24

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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