地方上級 / 資料解釈 / zs-22

更新 2026-09-14

実数の表とグラフ(増減・差・倍率)

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

資料解釈は、地方上級・国家一般職の教養試験(基礎能力試験)で数問出題される分野です。実数の表とグラフは、その中でいちばん基本の型で、ここで身につける「差・倍率・増加率の区別」と「概算のしかた」は、構成比(zs-23)や増加率・指数(zs-24)の問題でもそのまま使います。知識はほとんど要らず、計算の量をどれだけ減らせるかで時間が決まる分野です。数的推理が苦手でも、練習で安定して得点しやすい単元といえます。


1. 差・倍率・増加率を区別する

まずここだけ

試験ではこのような実数の表がそのまま出ます(数値は架空)。小テストでも同じ形の表とグラフを読みます。

A 市の部門別生産額の表(5 部門 × 5 年・単位 億円)

実数の表で問われる比べ方は 3 つだけです。同じ 2 つの数(2020 年 200、2023 年 260)でも、聞かれ方で計算が変わります。

聞かれ方計算例(200 → 260)
どれだけ増えたか(差・増加量)後 − 前260 − 200 = 60
何倍か(倍率)後 ÷ 前260 ÷ 200 = 1.3 倍
何%増えたか(増加率)(後 − 前) ÷ 前 × 10060 ÷ 200 = 30%

倍率と増加率は「もとにする量」で割る点が同じで、倍率 − 1 = 増加率の関係にあります(1.3 倍 = 30% 増)。割合の考え方そのものは zs-13 で扱っています。

ここまでできれば十分

選択肢の文は、この 3 つのどれかに言いかえられます。

倍率と増加率は、割り算ではなく掛け算に直して比べるのがコツです。「B × 1.5 と A を比べる」なら、暗算で済みます。

B 市 320 の 1.5 倍は 480。A 市が 470 なら「1.5 倍を超えている」は誤り


2. 表にない数は自分で書き足す

まずここだけ

「対前年増加量が最も大きい年」「増加量が毎年大きくなっている」のような文は、表に書かれていない数(前年との差)について聞いています。頭の中で追わず、表の横に差の行を書き足します。

年|値|対前年増加量 2020|200|─ 2021|230|+30 2022|290|+60 2023|310|+20

こうすると「増加量が最も大きいのは 2022 年」「増加量は 2023 年に小さくなった」が一目で分かります。2020 年の対前年増加量は、2019 年の値が表にないので分からない(分からないことは「確実にいえる」とは言えません)。

ここまでできれば十分

「値が最も大きい年」と「増加量が最も大きい年」は別のものです。上の表では値が最も大きいのは 2023 年ですが、増加量が最も大きいのは 2022 年です。選択肢がどちらを聞いているかを、下線を引いて確かめてください。

「◯年から△年までの増加量」は、途中の年を使わず両端の差だけで出します。「1 年あたりの平均増加量」は、その差を年数(△ − ◯)で割ります。2020 年から 2023 年なら、3 年間なので 3 で割ります(4 で割る間違いが多いところです)。

もう一歩(発展)

2 つの系列(A 市と B 市)がある表では、「差が広がっている/縮まっている」という文が出ます。これは各年の差の行を作れば済みます。差が 120 → 110 → 90 → 60 なら「縮まっている」です。差が毎年縮まっていても、A 市自体は増えている、ということはよくあります。「差」と「値」を混同しないようにしてください。


3. 概算で時間を減らす

まずここだけ

資料解釈は正確な値を求める問題ではなく、選択肢の文が正しいかどうかを判断する問題です。ですから、判断に必要なところまで計算すれば止めてよいのです。

ここまでできれば十分

差がはっきり大きいときは、細かく計算しなくても判断できます。差が小さくて迷うときだけ、筆算に切りかえます。この「まず概算、迷ったら筆算」の順番が、1 問 3 分に収めるための考え方です。

数字が大きいときは、下の桁を切り捨てて同じ桁数で比べるのも有効です。1,238 と 1,312 の差を見るのに、1,240 と 1,310 で十分なことが多いです。ただし選択肢が「180 以上」のように境目ぎりぎりの数を出してきたら、そこは正確に引き算します。

もう一歩(発展)

「以上・以下」は境目の値を含み、「超える・未満・下回る」は含みません。差がちょうど 180 のとき、「180 以上多い」は正しく、「180 を超えて多い」は誤りです。出題者は、この境目に数を置いてくることがあります。

また「確実にいえる」問題では、表に書かれていない事柄(2019 年の値、人口 1 人あたりの値 など)を前提にした文は、それだけで誤りです。表に単位や注記があるときは、そこも読んでから選択肢に進みます。


4. グラフの読み方

まずここだけ

折れ線グラフは系列ごとに線の種類(実線・破線・点線)と記号で見分け、各点の数値を読みます。

3 社の売上高の折れ線グラフ(3 系列・5 年)

棒グラフ・折れ線グラフも、目盛りから数を読み取れば表と同じです。読み取るときに注意する点は 2 つです。

ここまでできれば十分

2 つの系列を左右の軸で別々に表したグラフ(左軸が金額、右軸が件数 など)では、線の高さを直接比べてはいけません。それぞれの軸の目盛りで値を読み、数として比べます。「A の線が B の線を上回った年がある」という文は、両方の線が同じ軸で描かれているときだけ意味があります。


5. よくある間違い

間違い正しくは
「何倍」と「何%増」を同じものとして計算する1.3 倍 = 30% 増。倍率から 1 を引いたものが増加率
「値が最も大きい年」を「増加量が最も大きい年」の答えにする増加量は前年との差。差の行を書き足して比べる
2020 年から 2023 年の平均増加量を 4 で割る期間は 3 年間。両端の差 ÷ 3
「180 以上」を「180 より大きい」と読む以上・以下は境目を含む。超える・未満は含まない
表にない年の値を「たぶんこれくらい」で補って判断する表にないことは確実にいえない。その文は誤り
波線で省略されたグラフの棒の長さで倍率を出す目盛りの数値で計算する

6. 解き方の型

  1. 表の題名・単位・年の範囲を読む(何の実数か、何年から何年か)
  2. 選択肢を「差」「倍率」「増加率」のどれかに分類し、計算が軽いもの(差・上回る)から確かめる
  3. 「増加量」「差の推移」を聞かれたら、表の横に差の行を書き足す
  4. 倍率・増加率は割り算ではなく「もとの数 × 1.5」「もとの数 + 1 割」の掛け算で比べる
  5. 境目ぎりぎりのときだけ正確に計算し、「以上/超える」の違いを確かめる
  6. 表にないことを前提にした文は、計算せずに誤りと判断する

7. 小テストへ

→ 小テスト(zs-22

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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