地方上級 / 数的推理 / zs-12

更新 2026-09-14

方程式と不等式の文章題

この単元でできるようになること

試験での位置づけ

方程式と不等式の文章題は、数的推理の中心です。地方上級・国家一般職とも、速さ(zs-14)・仕事算(zs-15)・割合(zs-13)はすべて「方程式を立てて解く」形をとるので、この単元の考え方はそれらの土台になります。単独では、過不足算・年齢算・売買損益・不定方程式が出題されやすい形です。計算そのものは中学数学の範囲ですが、何を文字で置くかどの量が等しいかを短時間で見抜くことが問われます。


1. 方程式を立てる型 ── 「等しい量」を探す

まずここだけ

文章題の式は、いつも「同じ量を 2 通りに表して = で結ぶ」形です。手順は 3 つ。

  1. 問われている量、またはいちばん多く登場する量を x と置く
  2. 文章中の「等しい」「合わせて」「同じになった」「余る・足りない」を探し、その量を x で 2 通りに書く
  3. 解いたら、文章に戻して検算する

りんご 1 個 120 円とみかん 1 個 80 円を合わせて 15 個買い、代金は 1,480 円だった。りんごは何個か。 りんご x 個、みかん (15 − x) 個。代金:120x + 80(15 − x) = 1,480 → 40x = 280 → x = 7 個 検算:120 × 7 + 80 × 8 = 840 + 640 = 1,480 ✓

この形(合計個数と合計金額が分かっている)はつるかめ算と呼ばれ、「全部りんごなら 1,800 円。実際は 320 円少ない。1 個をみかんに替えるごとに 40 円減るので 320 ÷ 40 = 8 個がみかん」と方程式なしでも解けます。

ここまでできれば十分

未知数が 2 つなら連立方程式ですが、「合わせて〜個」のような条件があれば未知数 1 つで済むことが多いです。未知数は少ないほど速いので、片方をもう片方で表せないかを先に考えます。

平均算:平均 × 人数 = 合計、を使います。

クラス 40 人の平均点が 62 点。男子 20 人の平均が 58 点のとき、女子 20 人の平均は。 全体の合計 40 × 62 = 2,480。男子の合計 20 × 58 = 1,160。女子の合計 1,320 ÷ 20 = 66 点(男女同数なので、女子は男子より全体との差の 2 倍 = 8 点高い、と考えても出る)

平均の問題では「平均を足して 2 で割る」のは誤りで、合計に戻してから計算します。


2. 過不足算・年齢算

まずここだけ

過不足算:「1 人に a 個ずつ配ると p 個余り、b 個ずつ配ると q 個足りない」型は、物の総数が等しいことで式を立てます。人数を x とすると、

ax + p = bx − q

1 人に 5 個ずつ配ると 12 個余り、7 個ずつ配ると 6 個足りない。人数と個数は。 5x + 12 = 7x − 6 → 2x = 18 → x = 9 人、個数は 5 × 9 + 12 = 57 個

「余り → 足りない」に変わるとき、差 (p + q) を 1 人あたりの差 (b − a) で割る、と覚えれば暗算でも出ます(18 ÷ 2 = 9)。

年齢算年齢の差は変わらないことを使います。

現在、父 42 歳、子 12 歳。父の年齢が子の 3 倍だったのは何年前か。 x 年前:42 − x = 3(12 − x) → 42 − x = 36 − 3x → 2x = −6 → x = −3。3 年後(「何年前」と聞かれても、負になれば「後」の意味になる) 差で考える:差 30 歳は不変。3 倍のとき子は 30 ÷ 2 = 15 歳 → 3 年後 ✓

ここまでできれば十分

過不足算には、「長いすに 4 人ずつ座ると 5 人座れず、5 人ずつ座ると最後のいすには 2 人だけ座り、いすが 1 脚余る」のようないす型があります。このときは「5 人ずつのとき、全部のいすに 5 人座るとした場合と比べて何人足りないか」に直します(最後のいすに 2 人 → 3 人足りない、余ったいす 1 脚 → 5 人足りない、合計 8 人足りない)。いす x 脚で 4x + 5 = 5x − 8 → x = 13 脚、人数 57 人。


3. 売買損益 ── 原価・定価・売価の順に式を書く

まずここだけ

売買の問題は、原価 → 定価 → 売価 → 利益 の順に、それぞれを式で書きます。

原価 x 円の品に 3 割の利益を見込んで定価をつけ、定価の 2 割引きで売ったら利益は 80 円だった。原価は。 売価 = 1.3x × 0.8 = 1.04x。利益 1.04x − x = 0.04x = 80 → x = 2,000 円

「3 割の利益を見込んで 2 割引きしたら利益は 1 割」とはなりません(1.3 × 0.8 = 1.04 で利益 4%)。割合は掛け算でつなぐことを、割合(zs-13)の単元と合わせて確認してください。

ここまでできれば十分

個数が混ざる問題(定価で a 個売り、残りを割引きで売って利益が全部で〜円)は、「原価 x」「個数」「1 個あたりの利益」の表を作ってから、利益の合計で式を立てます。

原価 500 円の品を 100 個仕入れ、定価 700 円で 60 個売った。残り 40 個を定価の何割引きで売れば、全体の利益がちょうど 14,400 円になるか。 定価分の利益 200 × 60 = 12,000 円。残り 40 個で 2,400 円の利益が必要なので 1 個あたり 60 円 → 売価 560 円。700 円の 2 割引き(560 ÷ 700 = 0.8)


4. 不等式 ── 「〜以上・〜以下・〜を超える」を正しく置く

まずここだけ

不等式の文章題は、方程式と立て方は同じで、= が ≦ や < に変わるだけです。言葉と記号の対応を間違えないようにします。

言葉記号
a 以上≧ a(a を含む)
a 以下≦ a(a を含む)
a を超える> a(a を含まない)
a 未満< a(a を含まない)

1 個 150 円の品を、200 円の箱に入れて買う。代金を 2,000 円以下にするには、最大何個買えるか。 150x + 200 ≦ 2,000 → x ≦ 12 → 12 個

会員になると入会金 3,000 円がかかり、1 回 800 円で利用できる。会員にならないと 1 回 1,300 円。何回以上利用すると会員の方が安くなるか。 3,000 + 800x < 1,300x → 500x > 3,000 → x > 6 → 7 回以上(6 回では同額なので「安くなる」には入らない)

ここまでできれば十分

答えは整数で聞かれることがほとんどです。不等式を解いた結果が x > 6 なら「7 回以上」、x ≧ 6.4 なら「7 個以上」、x ≦ 12.8 なら「12 個まで」と、端が含まれるかどうかを確かめてから整数にします。

両側から挟む問題(〜以上〜以下の範囲で整数はいくつあるか)は、2 本の不等式を別々に解いて範囲の共通部分をとります。


5. 不定方程式 ── 式が足りないときは整数の条件で絞る

まずここだけ

未知数が 2 つで式が 1 本しかないとき(不定方程式)は、答えが正の整数であることを使って候補を絞ります。

1 本 70 円の鉛筆と 1 本 110 円のボールペンを合わせて 1,000 円ちょうど買った。それぞれ何本か。 70x + 110y = 1,000 → 両辺を 10 で割って 7x + 11y = 100 11y = 100 − 7x → 右辺が 11 の倍数になる x を探す。x = 1 のとき 93、x = 2 のとき 86、… x = 8 のとき 44 = 11 × 4 → (x, y) = (8, 4) 次の解は x を 11 増やし y を 7 減らす(x = 19、y = −3)ので、正の整数解はこの 1 組だけ

コツは、係数の大きい方の未知数について解いて、倍数の条件で x を絞ることです。また、ある解が見つかったら、次の解は「x を(y の係数)だけ動かし、y を(x の係数)だけ逆に動かす」で出せます。

ここまでできれば十分

未知数が 3 つで式が 2 本のときも同じです。1 つの文字を消して 2 元の不定方程式にし、正の整数の条件(ときには「それぞれ 1 個以上」)で絞ります。

80 円・120 円・150 円の 3 種類の品を合わせて 20 個、代金 2,200 円で買った。どの種類も 1 個以上買うとき、150 円の品は何個か。 x + y + z = 20、80x + 120y + 150z = 2,200 → 8x + 12y + 15z = 220。x = 20 − y − z を代入して 4y + 7z = 60。z は 4 の倍数で、7z < 60 より z = 4(y = 8、x = 8)または z = 8(y = 1、x = 11)。 「どれも 1 個以上」だけでは 2 通りある。問題文に追加の条件(たとえば「120 円の品が最も多い」)があれば 1 通りに決まる。条件を全部使い切ったかを確認する

もう一歩(発展)

不定方程式で「解が何組あるか」を問われたら、1 組見つけてから「x を b ずつ、y を a ずつ逆向きに動かす」で、正の範囲に入る組を数えます。

7x + 11y = 300 の正の整数解は何組か。 11y = 300 − 7x の右辺が 11 の倍数になる x を、x = 1 から順に確かめる。x = 1 → 293、x = 2 → 286 = 11 × 26 ✓。最初の解は (x, y) = (2, 26)。 以後は x を 11 増やし y を 7 減らす:(13, 19)、(24, 12)、(35, 5)、次の (46, −2) は不可。よって 4 組

暗算で 1 組目を当てようとすると間違えやすいので、x を 1 から順に試すのが結局いちばん確実です。300 を 11 で割った余り(3)と 7x を 11 で割った余りが等しくなる x を探す、と考えても同じです。


6. よくある間違い

間違い正しくは
「A は B より 5 多い」を A + 5 = B と書くA = B + 5。「より」の前が大きい
平均どうしを足して 2 で割る合計 = 平均 × 人数 に戻してから計算する
3 割増しの 2 割引きを 1 割増しと考える1.3 × 0.8 = 1.04(4% の利益)
「6 回で同額」なのに「6 回以上で安くなる」と答える「安くなる」は < なので 7 回以上
不定方程式で 1 組見つけて終わりにする正の範囲にほかの解がないかを、係数分ずらして確かめる
年齢算で「x 年前」の答えが負になり、あわてる負なら「x 年後」。年齢差は不変、で検算する

7. 解き方の型

  1. 問われている量か、いちばん多く登場する量を x と置く。未知数は少ないほどよい
  2. 「等しい量」「合計」「余り・不足」「差は不変(年齢)」を探して、2 通りに書いて = で結ぶ
  3. 不等式は言葉と記号(以上・以下・超える・未満)の対応を確かめ、解いたあとに整数にする
  4. 式が足りなければ不定方程式。係数の大きい未知数について解き、倍数条件で 1 組見つけ、係数分ずらして全部の解を出す
  5. 答えを文章に戻して検算する(個数が負・小数になったら置き方を疑う)

8. 小テストへ

→ 小テスト(zs-12

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
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